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11. 海洋汚染「順番を
   静かに待つ人類へ」

   ・海は地球の浄化槽か?
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   ・有害化学物質は
    世界の果てまで届く
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   ・イルカの声は人類に
    届かない
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   ・次々と規制された
    有害化学物質
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   ・有害化学物質はなくしたい
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海からの警告 順番を静かに待つ人類へ

取材・文/原プロジェクト

生物に全く無害なので、冷却剤や洗浄剤として使われ、私たちの快適な生活をつくってきたフロンガスが、いますべての生命に脅威を与えています。地球をとりまくオゾン層をフロンが破壊してしまうので、生物の遺伝子を傷つける有害な紫外線が降り注ぐようになってしまったからです。

フロンガスは、石油と蛍石から人為的につくられたものですが、私たち人間は、過去においてフロン以外にもさまざまな有害化学物質をつくり出してきました。そんな化学物質の有害性を判定したものは、往々にして公害という名の悲惨な人体実験でした。公害と呼ばれなくとも、必ず大量に消費されてしまってから、有害性が表面化していました。

その教訓は、少しも活かされずに、現在も繰り返されようとしています。なにしろ、現在の地球上には数千万種の化学物質が存在しているといわれていますが、その安全性はほとんどわかっていないのです。

そして問題なのは、有害の判定を受け製造中止や使用禁止になった化学物質がいまでも亡霊のように、私たちの生命を脅かしていることです。残念ながら、人類は、まだそのことにあまり気づいていません。

でも、世界各地で苦しみながら死んで行った動物たちの体内からは、すでに使われなくなったPCBやDDTが、高濃度で検出されています。その動物たちの死体が警告をしてくれています。

“このままでは、次はおまえたち人類の番だ”と。

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海は地球の浄化槽か? かく酸と凝縮を繰り返し蔓延する化学物質

★廃棄物を海に捨てることで陸上をきれいにしてきた人類

川のもとに文明を発展させてきた人類は、廃棄物を川へ投げ捨てることで、自分たちの周囲をきれいにしてきました。最終的には、海がすべてを飲み込んでくれるからです。人類にとつての汚物も、海へ行けば薄められ、生命の母である海がその深い懐で汚物をきれいに分解してくれていました。

ところが、その海へ人類は分解できない化学物質を投棄し始めたのです。もちろん現在では、各種の法律によって有害な物質を意図的に投棄することは禁じられていますが、それでも、不法な投棄は後を絶ちませんし、農薬のように畑に散布されたものが、自然に流れ込んで来ることもあります。あるいは空気中に放出された有害物質が雨と一緒に落ち、やがて海へと流入するようなケースも考えられます。

そして、何よりも怖いのはすでに製造も使用も禁止されたPCBなどの有害物質が、いまだに世界中の海から検出されることです。本来、有害な物質は、どの程度で分解されるのかというような安全性を考慮して捨てられるべきなのですが、生産効率の前に安全性などはあまり問われないのが実情です。ましてや、これからどうなるのかといったような将来的影響については、ほとんど無自覚です。

海に捨てれば、有害化学物質も薄められるからよしとして、投棄し続けてきたのですが、それは、有害化学物質を海流に乗せて世界中の海へ拡げることに他ならなかったのです。そのツケを現在海洋動物が支払っているのです。アザラシやイルカなどの大量死のニュースを、私たちはいくたびか耳にしています。

これらの海洋動物の死は、日本から遠い地域での出来事だったために、あまり深刻には受けとめられていません。しかしながら、魚を主食とする海洋動物の死は、かつての水俣病を思い出させます。“狂った猫”が、水俣病を警告していたように、海洋動物の死は、人類の未来を優れて暗示しているのです。

★微量な有害化学物質が食物連鎖で集まってくる

世界中のいろいろな地域から海へ流れ込んできた有害化学物質の濃度は、数ppt(1pptは1兆分の1)といわれていますが、正確なところは分かっていません。ただし、海洋中のPCBは、1pptといわれています。もちろん、私たちの肉眼で汚染度はチェックできませんが…。

そんなごく微量のPCBか、海洋生物に影響を与えるというのはちょっと信じられません。でも、日本近海のイルカでは、脂肪中に30〜40ppm(1ppmは、百万分の1)、太平洋の真ん中を泳いでいるイルカでも10〜20ppmのPCBの蓄積があるそうです。ということは海水の濃度の1000万倍以上の濃さになっているのです。

その原因は、食物連鎖。イルカの主食は、イワシやイカ類。そのイワシやイカは、さらに小さな魚やプランクトンを食べています。そしてさらにそのプランクトンは、海水中の化学成分を摂取して成長しています(つまり、PCBを取り込んでしまったプランクトンをたくさん食べてイワシやイカが育ち、そのイワシやイカを食べてイルカは成長するのです。イルカの寿命は20年〜50年くらいですので、その生存の過程で、これだけ濃縮されてしまうのです。PCBの毒性については、致死量以下の場合、肝臓を中心に内臓の障害を発生させることが知られていますし、アザラシに不妊症や免疫低下を起こさせているといいます。わが国では、1968年に 『カネミ油症事件』としてPCB中毒が表面化しました。絶縁油や潤滑油、塗料の一部としても広く使用されていましたが、72年製造中止、74年使用禁止になっています。

そのPCBの蓄積をなくすために、食物連鎖の輪を断ち切ることはできません。ということは、現在の海洋動物たちの置かれた状況を変えることはできないのです。そして、私たちはイルカやアザラシは食べませんが、イルカが食べているような魚類を食べていますし、何よりも人類というのは、この地球上の食物連鎖の頂点に存在しているのです。

一般的に食物連鎖の階段を一段上るごとに化学物質の濃度は、10倍ずつ高くなると言われています。ですから、現在の海洋動物が置かれている状況は、明日の人類の姿なのかもしれません。

海の汚染原因は、人間の活動によるものがほとんどです。確かに自然界にも有害なものは存在していますが、自然界には存在しない有害な化学物質をつくり出しているのは、人間だけだからです。その汚染のルートが下のイラストです。

分解されない殺虫剤や除草剤は川や地下水を通じて海へ流入します。都市部や工場の排
水は、一応の処理を終えてから、川へ流されますが、完璧に有害化学物質は排除されていません。また放射性廃棄物も漏れることがあります。

そして、最近ニュースを賑わせたタンカーからの原油流出、放射性物質の海洋投棄などは、河川を経由せず、直接的に海を汚しています。一般家庭は海洋汚染にあまり関係ないと思われますが、農薬に準じた殺虫剤や防虫剤を使用していますし、家庭からのゴミを焼却することでダイオキシン類も発生させています。つまり、人類すべてが加害者なのです。 

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有害化学物質は世界の果てまで届く 動物たちの悲鳴が地球を包む

★生命を維持するためにえさを食べるそのことが死を引き寄せている

有害化学物質の拡散と凝縮による生物の危機は、世界中のいたるところで起こっています。

北海やバルト海では、かつて漁場を荒らして困るほどのアザラシが生息していました。ところが、ここ数年のうちに絶滅してしまうかと思われる程の大量の死体が、周辺の海岸に打ち上げられたのです。旧西ドイツのシュレスビック・ホルシュタイン州の海岸には、1年間で6000頭ものアザラシの死体が流れ者いたといいます。この大量死の直接の原因は、ジステンパーウイルスに似たウイルスの感染によるものであることが判明しました。でもそれは、アザラシがPCBを中心とした有害化学物質に汚染され、著しく免疫力が低下していたからなのです。それに加えて、PCBによる不妊症も明らかになりました。

同じく北海では、シエットランド島に生息する海鳥の卵が全く孵化しなかったという事件も起きています。

また、アメリカでは、五大湖周辺で、80年頃から急激に水鳥の間に異常が現れ始めました。水鳥の繁殖率が低下し始め、卵も殻が極めて薄くなり、孵化しなかったりといった現象が頻繁に見つかったのです。そして、奇形……。

調査の結果、奇形で死亡した水鳥からは、大量のPCBやダイオキシン(ベトナム戦争の枯葉剤で有名になった化学物質)が検出され、奇形発生率は生息地の汚染度と相関関係にあることが判明したのです。五大湖地方は、世界有数の重化学工業地帯で、工場排水をすべて五大湖が取り込んでいたのです。そして有害化学物質が湖の許容範囲を超えたとき、一気に生物へ影響が出始めたのです。

★次々と環境へ出される新しい化学物質 安全性のチェックには不安が残る

有害な化学物質は、海洋生物の中で凝縮し、数々の影響を与えていますが、これら環境に放出された化学物質は、現在のところ回収する方法がありません。

そして、新しい化学物質も次々と生産されています。一応新たな化学物質の製造にあたっては、分解性、生物蓄積性および慢性毒性を審査し、問題のある場合は、法律によって、製造禁止などの措置がとられることになっています。現在わが国の法律によって、輸入・製造・使用等が禁じられている(第1種特定化学物質)のは、PCBやDDTなど9物質となっています。

実際にどのくらいの新しい化学物質が届け出されているかといいますと、環境庁の調べでは、昭和49年から平成3年の間に4851件(製造3641件、輸入1210件)の申請があり、3913件(製造3002件、輸入911件)の安全確認がなされてきたといいます。

この安全確認の割合が高いのか、低いのか分かりませんが、その精度に関しては若干の疑問が残ります。なにしろいままでずっと、問題が起きてから規制されてきたわけですし、毒性や発ガン性の問題にしても、検査には莫大な費用と時間がかかるからです。つまり、本来ならばもっと時間をかけなければならない試験も短時間で済ましてしまい、世の中に出されているケースもかなりあるからです。

そして、わが国の場合、安全性のチェック機構が一元化していないという問題も抱えています。化学物質でもそれが工業用ならば通産省、農薬ならば農林省、食品は厚生省が管轄になっているという具合なのです。

これらのことから、私たちは、環境中に出された有害化学物質の回収もできないままに、新たな有害化学物質をまき散らしてしまっているということも考えられるのです。

近い将来、動物たちの悲鳴に混じって聞こえる悲鳴は−。

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イルカの声は人類に届かない 子どもへ有害化学物質を渡す母の悲しみ

海洋動物は、食物連鎖によって、自らの身体の中で有害物質を凝縮していきますが、それ以外で急激な蓄積をすることがあります。それは産まれたての赤ちゃんのときのことです。

そのことをイルカ研究の世界的な権威者である愛媛大学の立川涼教授が、説明してくれました。

「イルカのオスは、年齢とともにPCBの濃度が増加していくのに、メスはある年齢から急激に低下していたんです。そして、出産直後の子どもイルカは、信じられないくらいに汚染濃度が高かったんです。これは、PCBが極めて油に溶けやすいことと、イルカの母乳が高い脂肪分を含んでいるからなのです。つまり、食物連鎖で濃縮されたPCBが、母乳に混じって子どもの体内に大量に入ってしまうのです」

赤ちゃんイルカは小さいので、わずか数十日の授乳で、母親の蓄積濃度を超えるPCB汚染にさらされてしまうことになるのです。汚染濃度の低い外洋に生息するイルカの赤ちゃんが、いきなり高濃度のPCBを抱え込まなければならないことの悲劇。そして生命とともに有害化学物質をわが子に与えなくてはならない母親の悲しみ。でも加害者である人類に同情する資格はありません。

★イルカの親子の関係は人間を含めた哺乳類全体で起きている!?

イルカの親子の悲劇は、食物連鎖の頂点にいる人間にも同様なことか、あるいはそれ以上の悲劇が起きてもおかしくないかのような印象を与えます。しかし、人間に蓄積されたPCB濃度は、1ppm程度で、イルカ程高くありません。「それは、人間がPCBを分解し体外に排出する酵素を持っているからなんです。陸上動物というのは植物に囲まれて生活していますよね。植物の中には毒性の高い物質を含んでいるものがあります。ですから、たぶんそれらに対処する機能を持っていて、それがPCBを体外へ排出しているのだと思います。水中で生活しているイルカにとって、その機能は必要なかったのですね」と立川教授。

それだからといって、PCBの汚染の影響を全く人類が受けていないかとなると、そうも言い切れません。上の表で見る通り、いわゆる工業国と呼ばれるような国の女性の母乳の方が、PCB濃度が高くなっていますし、本来蓄積されるべきでない物質を体内に入れているわけですから、何らかの影響が出ると考える方が自然です。

ヨーロッパ北西部では女性の不妊症とPCBの関係を調査した研究もあります。人工授精でも妊娠できなかった人の子宮の分泌液を調べたら、多量のPCBが検出されたというもので、PCBが人間の生殖能力に影響を与えている可能性を示唆しています。

また、母乳中のPCB濃度は魚を多く食べるグループがそうでないグループよりかなり高く(38ppbに対し45ppb−1ppbは10億分の1)、体重4kgの乳児が、汚染された母乳を毎日600mlずつ飲み続けると、PCBの摂取量は、アメリカ食品・医薬品局の1日の安全摂取許容量の6倍以上になるという報告もあります。

これらの報告や研究からは、私たち人類に、かなりの危機が迫っていることがうかがえます。

しかしながら、ただ単に有害化学物質の危険だけを恐れていても何も解決されません。ただ恐れているのは、何もしないことに等しいからです。私たちは、もう一度人間も生態系の中の一部であることを謙虚に受けとめ、現在世界中の各地で起きている動物たちの姿を見つめる必要があります。その見つめ方によっては私たちの未来を良くも悪くもすることが可能だからです。簡単に言ってしまえば私たち人間の勝手な価値観が、今日の状況を生み出してしまったことを反省しなければならないということなのです。

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次々と規制された有害化学物質 地球規模での人体実験はいまも続く

PCBが化合物として初めて合成されたのは、1881年。それを工業用に製造したのは、アメリカの会社で1930年のこと。日本に初めて輸入されたのが50年頃で、54年から国内生産されるようになりました。そして68年のカネミ油症事件をきっかけとして、世界的に製造中止や使用禁止の措置がとられました。

では、このきっか けとなったカネミ油症とはどんな症状だったのでしょぅか。“目やにが溜まる、発しんが出る。手のひらに汗が出る、爪が変色する”という4つの症状が共通のもので、重症者においては、身体中から脂が吹き出し、手足がしびれたりしました。患者数は1万人を超え、その後の研究によって、カネミ油症にかかった人は、食用油に混入したPCBを0.5〜3g摂取したことが分かりました。体重60kgの人が0.5gの摂取で発病したとすれば、わずか8ppmの濃度で人体に影響が出るという有害物質なのです。

PCBは、非常に分解されにくいものなので、私たちの生活のいたるところに使われていました。PCBのおかげで私たちの生活が豊かになったといっても過言ではないほどです。そのPCBは、全世界で約120万トンも生産されましたが、環境中に約38万トン流出してしまったことが、右の表から分かります。そして、それらは、圧倒的に海水中へ流れ込んでいます。現在でも海水中のその量は増え続けています。

カネミ油症という人体実験を経験したのに、それでもまだその続きを海で行おうとしているのです。わが国は、かつて公害大国と言われたように、環境のことはあまり考えずに、有害物質を排出してきました。その影響はまださまざまなところに残っていますが、私たちは、過去の記憶を忘れてしまったのか、あまり汚染に対して真剣に取り組んでいるとは思えません。

★製造・使用が禁止されている化学物質はわずかに9種類だけ

わが国の有害化学物質を規制しているのは、『化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律』です。その中で、難分解性、高蓄積性、慢性毒性の状態から、製造も使用も禁止している“第1種特定化学物質”に指定されているのは、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、HCB(ヘキサクロロベンゼン。有機塩素系殺菌剤。発ガン性、催奇形性がある)、PCN(ポリ塩化ナフタレン)、アルドリン(有機塩素系殺虫剤)、ディルドリン(有機塩素系殺虫剤。変異原性あり)、エンドリン(有機塩素系殺虫剤)、DDT(有機塩素系殺虫剤。発ガン性あり)、クロルデン類(有機塩素系殺虫剤)、ビストリブチルスズ=オキシド(有機スズ系殺虫剤、TBTO)の9種類いずれも劇薬で、人体に対するさまざまな症状を引き起こします。

人類は何千万種類もの化学物質をつくり出してきたといわれていますが、そのうちのわずか9種類だけの全面規制で、環境の安全性が保てるとはとても思えません。

それに、現在でも新しく毒性の強い物質は見つかっています。それは、コープラナPCBと呼ばれ、人類がつくり出した最も毒性の強い物質である2・3・7・8ダイオキシンに匹敵するといわれています。毒性試験では、ダイオキシンと同じように奇形を発生させることが解明されています。

そして、あの水鳥たちの奇形もこのコープラナPCBの影響によるものではないかと考えられているのです。とすれば人類は、またひとつ環境に対して新しい悲劇的実験を行っているのです。これが人体実験とならないための方法を至急考えださねばなりません。それが未来への人類の責任ではないでしょうか。

★化学物質への警告はいつも手遅れ

私たちの身の回りにあった化学物質が規制の対象となるためには、いつも何らかの障害が表面化してからのことでした。

第2次世界大戦後まもなく、シラミなどの害虫退治のために、日本国民は全員DDTの白い粉を、身体中にふりかけました。そのDDTの発ガン性や土壌残留性(農作物の殺虫剤としても使われました)などによって、71年に販売が禁止されました。ところが不思議なことに、木材のシロアリ駆除などには、81年の“特定化学物質”に指定されるまで使われていたのです。そして、今だに私たちの体内から検出されることがあるといいます(いままで、私たち人間は、そんな愚を何度となく繰り返してきました。水俣病にしても、カネミ油症にしても、動物や環境からの警告をしっかりと受けとめる視点があったなら、被害はあれほどの拡がりをみせなかったと思われます。

いま海洋動物たちが、かつてと同じように、警告を発してくれています。そしてまた人類もかつてと同じように、その警告を見逃し続けているのです。

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有害化学物質はなくしたい いまの地球では子ともたちが危険

人類は何千万種類もの化学物質をつくり出してしまいました。そして、それらの化学物質が、私たちにどんな影響を与えているのか、まだよく分かっていないことの方が多いと言われています。

かつて幾つかの物質が、私たちの生命を脅かし、使用禁止措置がとられました。でもその有害化学物質は、すべて回収されたわけではありません。PCBやDDTのように、環境中に放り出され、食物連鎖によって、ふたたび私たちの生命を脅かしているものもあります。
このままでいったら、10年後には、海の魚は食べられなくなってしまうでしょう。それどころか、すべての生命の母であった海が、今度は私たちに死を運んでくるということになりそうです。

★化学物質のあふれた生活をいま変えなければ地球は死の星

私たちの身の回りには、プラスチックに代表されるように、たくさんの化学物質があふれています。そしてこれらの中には、かなり危険なものも含まれています。発ガン性のある食品添加物や室内を長時間汚染してしまう家庭用の殺虫剤、防虫剤、ペットのノミ取り首輪など……。家庭用のスプレー殺虫剤の成分は、農薬と同じで、免疫の低下、視力の低下、自律神経障害などを私たちの身体にもたらします。そして、通常量の使用でも、3日間ほど残留することもあると言われています。

このように私たちの生活は、現在の海洋動物が置かれている環境とあまり変わらないのです。ですから、現在の生活や未来の子どもたちの生活を真剣に考えるなら、疑わしい化学物質をしめ出すような努力をしなければならないと思います。このままの状態が続けば、子どもたちが大人になったとき(それは、そう遠くない未来です)、海は巨大な有害化学物質のゴミためとなり、生物の息吹きなど全く聞こえない死の世界となってしまうでしょう。海の問題は、地球全体の問題です。私たちは、死臭漂う地球を残すことしかできないのでしょうか。

海洋動物たちの姿は、明日の私たちの姿でもあるのです。だから、今この瞬間から私たちは、有害な化学物質を排除した生活を始めなければなりません。

どんな小さなことでもいい、とにかく始めないと、手遅れになってしまいます。

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