ゴミ大国・ニッポン 資源になれなかったモノたちの怨み
取材・文/原プロジェクト
次から次へと生産される物を、豊かさの名のもとに私たちは何の疑問も感じないまま消費を繰り返してきました。確かに消費は美徳だったのです。なにしろそれが、わが国を経済大国・ニッポンへと成長させたのですから。そのツケが、いま私たちの生活を変えようとしています。
ゴミ大国・ニッポン――でも危機意識は育っていません。
このままでは、ゴミの中で暮らさなければならない ゴミの埋立地はもうすぐパンク
私たちが朝、家庭から出したゴミは、午後にはきれいになくなっています。このことを日常の中で特別に考える人はあまりいません。ゴミを出すのは私たちの権利のごとく収集日には、ゴミを出し続けています。“ゴミの収集が止まったら”などとは、まるで思いもつかないことなのです。
ところが、ゴミが最終的に埋め立てられる処分場の残りスペースは年々減少し、首都圏では、もうどこも満杯の状態なのです。ちなみに、1991年の厚生白書は、「首都圏の東京都、埼玉県、子葉県及び神奈川県の圏域を例にみると、一般廃棄物の最終処分場の残余容量は年々減少を続けており、昭和63年において約2327万u約4年分となっている」と言っています。
つまり、首都圏では、今年いっぱいで、もう埋め立てはできないということなのです。実際に東京都の23区内のゴミの処分場である中央防波堤外側埋立処分場は、95年度まで使う予定なのですが、かなり満杯の状態です。埋め立てというと、穴を掘ってゴミを投入するイメージがありますが、ここには穴はなく、ゴミで山をつくっている感じです。埋め立てた地下の水を抜いて地盤沈下を早めるなどして、なんとかスペースをつくり処分を続けているのが実情です。
こうした処分場をめぐる問題は、東京だけに限ったことではありません。どこの自治体でも同じょうな惨状を呈しているといいます。ということは、明日の朝、ゴミの収集場所に “ゴミの収集はできなくなりました。御家庭で処理してください”という貼り紙が出されても不思議ではないのです。
ゴミの年間排出総量は、約5044万トン(90年度の実績、厚生省調べ)。国民ひとりあたり1日1120グラムのゴミを出していることになります。その処理にかかった費用(これは私たちの税金です)は、なんと1兆7563億円。私たちは、一生懸命働いてお金を稼ぎ、物を買い、そしてたくさんのゴミを出してその処分のためにお金をつぎ込んでいるのです(前述の費用を国民ひとりあたりにすると、年間1万円以上になります)。これが、経済大国の実態のようです。
バブル経済崩壊以降、ゴミは、ほんのわずか減少したといいます。しかし、もっと減らさなければ、私たちのうさぎ小屋は、必ずゴミで埋まってしまいます。
ゴミと自然を隔てるのはわずか1.5ミリのゴムシート 内陸型最終処分場も危険と隣あわせ
かつてゴミの埋め立て地の代名詞となったのが、東京湾の“夢の島”です。それだけに、ゴミを埋めるのは海、という意識が私たちの中にあります。でも海から遠い自治体は、内陸部に最終処分場を設けなければなりません。
埼玉県の場合、県営で産業廃棄物まで受け入れる処分場が、大里郡寄居町につくられました。面積は32ヘクタールで、89年から14年間埋め立てられる予定になっています。
こうした内陸型の最終処分場は、どうしても山の中などにつくられることが多く、自然環境の破壊、さらには危険な廃棄物を埋めてしまって、汚染源にならないか、という懸念が湧き起こります。
「確かに反対運動もありましたが、地元との公害協定も結び、受け入れ基準も厳しくして、納得してもらってオープンできたと思っています。原則として、有害なものは入れない。たとえば、家庭の不燃物でも乾電池や蛍光管等の混入したものは受け入れていませんし、産業廃棄物も木くずなど可燃物の入ったものは許可していません」と説明するのは、同処分場(埼玉県環境整備センター)の野中明彦管理課長。
厳しい基準を守らせるために、搬入車両・運転手を登録制にしたり、搬入時に2カ所で目視検査を行い、地元による監視団も組織されています。
そして、問題なのが、地中への汚水の侵入を防ぐためのゴムシート。厚さわずかに1.5ミリ。同処分場でも何カ所か補修した跡がありました。技術的には大丈夫だと言われていますが、具体的な安全性のデータがないので、やはり不安です。次世代まで安全が保たれると言いきれる研究者・技術者は、きっといないと思われます。いわば、このゴムシートによる汚水漏れ防止効果は、実験段階にあると言っても過言ではありません。だから、危険な物をゴミとしてはいけないのです。
第2処分場もつくられる東京都・日の出町 安全性への疑問が拭いきれない
東京都にも内陸型最終処分場はあります。そこでも、今年の春、シートの破損が問題になりました。東京第三多摩廃棄物最終処分場でのことです。この処分場は、東京23区を除く27市町の一般廃棄物を受け入れています。そしてなぜか不思議なことに、地元である日の出町はこの27市町に含まれていないのです。約10年前、この処分場の計画が決まったときに、同町の財政状態が悪く、補償金目当てに積極的に推進してしまったといいます。そして、平成8年までに埋め立てる予定だったものが、ゴミの増大によって7年で満杯になるために、第2処分場もすぐ近くの谷に計画されているのです。
ゴムシート破損からの汚水漏れ疑惑には、東京都も調査をし、周辺の井戸や川から、天然には存在しないプラスチック添加剤を微量ながら確認しましたが、それが処分場からのものであるかどうかの判断は保留しました。
この計画に反対する『日の出の自然を守る会』の田島喜代恵さんは、
「推進派は、シートは破損していないの一点張りで、処分場組合も、掘り返してシートの状態を見せてくれという要望をとりあげてくれません。下流には、水道の取水口があるというのに」と言います。
ゴミは決して地上から消えてしまうわけではない -生ゴミの焼却は体積を小さくするだけ-
私たちの出すゴミは、自治体によってその分け方は異なりますが、だいたい不燃物と可燃物の2種類に分別されます。このうち、不燃ゴミ(プラスチックや金属など)は、細かく破砕することもありますが、まっすぐに最終処分場へ行き、埋め立てられるケースが多いようです。
一方生ゴミとも呼ばれる可燃ゴミは、だいたい清掃工場に運ばれ焼却されます。ここでゴミが、この地上からきれいに無くなってしまうと考えるのは大きな間違いなのです。
なぜゴミを焼却するのかというと、それは、体積を小さくするためなのです。燃やして灰にすれば、それだけゴミが少なくなるからであって、煙のように空中へ消してしまおうというわけではありません。その体積を20分の1にしているだけなのです。こうして灰になったゴミも、結局最終処分場へ行って埋め立てられるのです。私たちは、安易に紙製品を使って森林破壊を助長し、酸素の供給源を減らしていますが、それをゴミとして出すことによって、燃焼という形でまた酸素を余分に消費しているのです。
★ゴミを燃やせば有害な物質も発生する
可燃ゴミが純粋なパルプや純粋な炭水化物だけなら燃焼によって有害な物質を発生することはありません(もちろん二酸化炭素は発生するので、温暖化に加担してしまうことはあるかもしれません)。
しかし現実には、そんなゴミは存在しえません。パルプを使うことで問題になっている紙おむつも、パルプは材料の6割程度で他はレーヨンやポリエステルです。紙にしても印刷してあれば、インクが問題ですし、プラスチック類でコーティングされた紙もたくさんあります。
プラスチック類を燃すと、塩化水素や青酸ガスなどの有害物質が発生しますし、ラップやトレーなどの塩素を含むポリ塩化ビニールなどを燃せば、あのベトナム戦争の枯葉剤で一躍有名になったダイオキシンが発生すると言われています。
これらの有害な物質は、現在の清掃工場では大気中に放出されないようになっていますが、残灰の中に含まれていないとは言いきれません。
もはや私たちは、どんなゴミがよくて、どんなゴミが悪いというようなのん気な話をしていられない状況に追い込まれているのです。
[コラム]
★国際ビーチクリーンアップ‘92 全国でゴミのチェック
去る9月20日、国際ビーチクリーンアップデイのイベントが全国250会場で開催されました。同イベントは、単にビーチをきれいにしようということではなく、ビーチのゴミの質を調査し、そしてゴミや環境問題の解決策を探そつというものです。
クリーンアップ全国事務局主催の神奈川県の鵠沼海岸では、企業単位での参加もあり、800人ほどの参加者。
その結果は、左の表。よく海鳥たちが、プラスチックを食べて死んでしまうという話を耳にしますが、どうやらそれが裏づけられたようです(ウミガメは、ビニールの袋をクラゲと間違えて食べてしまうことがあるそうです。ビニールの袋は消化されませんから、それが原因で死ぬカメも)。
クリーンアップは、誰でも自分の家の近くでイベントを主催できるシステムをとっています。
行政サイドの取り組みによって多少は進展 ゴミ減量化は急がれる課題
いま、私たちの社会は、ゴミ処理能力の限界を迎えています。そのことに、以前と比べたらより多くの人々が気づき始めて、リサイクルのムードは高まってきました。
しかし、目の前のゴミは、なんとかどこかへ運び去られているために、そのムードは、あまり真剣な印象を与えません相変わらず紙のゴミは増えているし、再生紙のトイレットペーパーは売れていないからです。
一方ゴミを処理する側は、現状を知っているだけに、重い腰を上げだしました。
★ゴミ処理をめぐって様々を施策・動きが始まっている
ゴミの減量化の方法は、つきつめれば2つだけです。ゴミを出さないようにするか、徹底的に資源化するかです。
資源化では、『川口方式』と呼ばれた埼玉県・川口市のケースが有名です。町内会などの資源回収団体に助成金を支払う。市がビンや空き缶を回収するリサイクルセンターを運営(集められた缶は、磁石によってスチールとアルミに分別し業者に売り渡すというもの)するという2本立てで、ゴミ総量の1割以上も資源化しています。
リサイクルのネックになっているプラスチックの資源化に挑戦しているのは、滋賀県・草津市。プラスチックゴミからフラワーポットなどをつくり、配布や販売しています。コスト的には採算ベースになっていないといいますが、ぜひ続けてほしいものです。その他、ゴミから固形燃料をつくっている札幌市、いわゆる資源ゴミ回収ステーションを市内4500カ所に設置している千葉県・船橋市など、確実に成果は上がっているようです(ゴミを出さないようにする方法として、いまのところ有力なのは、ゴミ有料化という施策。北海道・伊達市では、有料の袋以外のものは収集しないということで3割もの減量に成功したといいます。島根県・出雲市でも、同様な方法が採られています。もちろん有料化で、ゴミ問題がすべて解決するわけではありませんが、一定の効果を上げることができます。
[コラム]
★ゴミ有料化はもはや時代の趨勢!
ゴミの埋め立て地も限界に達しつつあるいま、地方自治体の管理下にあるゴミ問題対策に、国もようやく本腰を入れ始めた。厚生省はゴミの減量化・再利用を検討する専門委員会を組織して、ゴミ問題解決の方策を検討、その報告書がまとめられた。まずゴミ減量目標として2000年までに事業系のゴミの40%、家庭系のゴミの25%を削減し、全体として30%削減して、88年度のレベルに戻したいとしています。そのための方法として提言されたのが、ゴミの有料化いわゆるゴミ税です。
「ゴミを減らそう、というかけ声で道徳的に訴えるだけでは実際にはなかなか減らない。住民や企業の環境問題意識プラス社会的、経済的なシステムを導入する必要があります。つまりゴミを出す量を減らせば得をする、という制度で、最もゴミ減量に効果があるのはゴミを有料化すること、というのが報告書の趣旨です」(委員会委員長=平山直道・千葉工業大学教授)。
具体的には、ゴミ袋を指定し有料化したり、デポジット方式を採用するなど。それにより、ゴミを家庭系と事業系に分け、無秩序な事業系のゴミを減らし、努力した人が報われるシステムの構築がねらい。先進国でゴミが無料なのは日本だけです。ゴミの有料化案は、豊かな消費社会が生んだあだ花、と言えそうです。
不燃物の大量混入で焼却炉を停止することも -私たちのモラルをゴミが糾弾-
ちょっとした空き地が、あっという間にゴミ捨て場へと変身していたり、決められた日以外にゴミが収集場所に出ていたり、というような光景をよく目にします。こうしたモラルの低下は嘆かわしいことですが、私たち自身も見えないところで同じようなことをしているのではないでしょうか。
葛飾清掃工場の小川周業務係長は、「信じられない話なんですが、1mほどもある鉄板が可燃ゴミに含まれていて、それが焼却炉の途中にひっかかって炉を5日間も停止しなければなりませんでした。ゴミは次々に搬入されてくるわけですから大変でしたよ。くれぐれも分別はしっかりと守って欲しいですね」と語ります。上のグラフを見ても分かるとおり、本来混ぜてはいけない不燃物やプラスチックが1割以上も入っていますし、リサイクル可能な紙が半分近くも占めています(平成2年度における可燃ゴミの組成・東京都)。紙は発熱量が高いのでたくさんあると焼却施設に必要以上の負担をかけることになり、燃やすゴミの量を減らしたり、水をかけて燃やしたりしている清掃工場もあるそうです。
★モラル低下のシンボル 不法投棄の検挙数も増大
平成元年度に廃棄物処理法違反で警察に検挙された件数は、2006件。そのうち不法投棄によるものが1494件にのぼっています。最終処分場の減少に加えて、大型化した耐久消費材等処理に困難な廃棄物の増加もその一因と言われています。その他、プラスチックと金属の複合した素材が使われているものなど、極めて資源化の難しい素材が多く使われるようになったことも、遠因としてあげられるかもしれません。
しかし、だからといって、勝手に捨てていいというわけではありません。よく車の処分代を払うのが損だということで道端に捨ててしまう人がいます。まさにこれこそが、かつての“消費は美徳“という発想の行き着いたところです。
いま私たちは、浪費の反省の上にたった生活をスタートさせようとしているのです。そして、それは、私たち一人ひとりのモラルを確立して満足してしまうのではなく、具体的にゴミを出さない、ゴミを資源化する生活を創造しなければならないのです。そのために企業や行政そして隣人、つまり社会全体へ働きかけることが要求されているのです。これが、ゴミに対する本物のモラルです。
[コラム]
★短歌を通して楽しく学べるゴミ問題解決の糸口
はじめから ゴミを作らず 買わざれば 捨てる苦労も なきにしものを
法律とは まだ名ばかりの リサイクル法 守らなくても おとがめはなし
リサイクルの 優等生は 牛乳ビン 使用に耐えて 四十五回などゴミ問題を歌い込んだ、“平成ゴミ新古今集″のカルタが好評を博しています。とかくゴミ問題となると専門的な書物が多い中、こういった楽しいカルタこそ、子どもたちにはよい教材になるかもしれません。また、ビデオも発売されています。
リサイクルのシステムを確立すればゴミはゴミでなくなるはず
私たちが生活をしていけば、必ずゴミは出てきます。消しゴムを使えばカスが出ますし、いま見ているテレビも、おそらく何年か後にはゴミとなるに違いありません。
人間は、その誕生と同時にゴミを出してきましたが、ゴミをゴミとして意識する必要はありませんでした。自然のサイクルの中で、地球に帰っていったからです。ところが、プラスチックのように、自然に帰れないものたちで私たちの生活が構成されるようになってきました。そのとき、本来なら、ゴミを自覚しなければならなかったのです。でも残念ながらいまだに、自覚できているとは思えません。昔、私たちの先祖が貝殻を捨てたのと同じ発想で、ゴミを埋めているだけなのですから。
では、増え続けるゴミに対して、どうしたらいいのでしょうか。
「ゴミが増えるのはやむを得ない、というのがゴミに対する考え方のベースになっていますが、これが間違っているんです」と言いきるのは、沼津方式として知られるゴミのリサイクル型収集に、沼津市長在職当時、全国に先がけて取り組んだ井手敏彦さん。
「“ゴミは、空き地があったら捨てればいい、大きな埋め立て地を確保して、そこがいっぱいになったら、別なところに埋めればいい”という考え方が、ゴミを増やしてきたんです。企業も、行政も、消費者も同じように考えていたんですね。ひとつの構造として、ゴミを増やしてきたのではないでしょうか。これではゴミ問題の出口は見つかりません」と井手さん。
つまり、ゴミは十分に減らすことができる、あるいは、減らさなければならない、という今日では常識的となっている視点で、ゴミへの自覚を促したのが沼津方式だったのかもしれません。もちろん、こうした理念だけでは、ゴミを減らすことはできませんが、リサイクル型分別収集によって、その理念を浸透させることができたのでしょう。でも、そのリサイクル型分別収集も、いま、ひとつの壁にぶつかっています。市場経済というかなり強固な壁です。
★現状では、更なるリサイクルでアプローチする以外に方法はない
各自治体が資源ゴミの回収に積極的になってきています。しかし一方では、集めても売却できないスチール缶が野積みされていたり、東京の古紙問屋組合が在庫減らしに古紙を輸出する、というような反リサイクル的な話題にもこと欠きません。
「それは、日本の経済構造が、まったくリサイクルを考えていないからなのです。紙でも鉄でも回収量が増えれば増えるほど取り引き価格は下がる。これが市場経済の原則ですから。私たちがいくら汗を流して紙を集めようが、その汗を市場経済は評価してくれません。それが現実です。だったら、経済外の方法で、企業に回収を義務づけたりすることが必要なのではと思います」と井手さん。
社会全体の中のある一部だけでリサイクルをしても、それは本物とはならないでしょう。それでも、むなしいからと言って現在の動きを止めるわけにはいきません。リサイクル構造を社会につくるためにも、資源ゴミを社会に突きつけていかなければならないのです。そのために、私たちはゴミ隠しをやめて、もっとゴミを見つめなければならないのです。
広がり始めたリサイクルセンターの輪 私たちの消費生活を変えるチャンス
粗大ゴミとして出される家具、電化製品などの中には、まだ十分使用できるもの、少し修理すれば使えるものなどが少なくありません。一方、可能であればそれらを譲り受けて使いたい、という人も大勢います。そこで、不要になった使える元・粗大ゴミを展示し、希望者に無料で提供しているのが、東京都の地域リサイクルセンター。現在、23区内に5カ所設けられ、不用品を譲りたい、譲ってほしいという情報を載せたリサイクル情報誌を月刊で発行するなど、都内在住在勤のゴミを資源としたい人々の希望に応えています。
東京都丸の内リサイクルセンターは平成3年11月にオープン。東京都丸の内庁舎の1階に構える約100がの?展示室には、常時60点近くの品物が並んでいます。どれをとって見てもそれが粗大ゴミであったとは信じられないくらいの品質。それこそ家財道具一式をここで揃えられるほどの品揃えです。机、ベッド、ラジカセ、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、エレクトーン、乳母車など、欲しいものがあればひとり2点まで申し込むことができ、希望者多数の場合は展示期間終了後に抽選。人気が高いベスト3は、TV、整理タンス、ミシンで、TVは平均して50〜60倍の競争率、過去最高はなんと88倍にもなったといいます。
23区では、粗大ゴミを出すときは電話などで区の清掃事務所に申し込み、品目別の手数料を支払います。そこから使えそうな物がリサイクルセンターに運ばれ、磨いたり必要な物は修理されたりして展示室に並ぶというわけです。もちろん粗大ゴミの減量化が目的ですが、リサイクルセンターの真の役割は、物を再利用するという住民の意識啓発にあります。展示室に貼られた「捨てればゴミ、活かせば資源」といったポスターは、消費社会の使い捨ての無駄を訴えています。まさに、そうした社会の動きの中で、“買っていらなくなったら捨てる”しかなかった私たちの常識の中に、“使える物は譲り譲ってもらう”という意識改革の芽が育ってきました。その芽を大きく育てるためにも、リサイクルセンターを有効に使いたいもの。私たちの生活を変えるためのひとつの、きっかけとなるはずです。今後、東京都では各区に1カ所ずつ、リサイクルセンターをつくっていく予定。その動きは各地方自治体にも広がっています。
★ゴミの基礎知識
◎NIMBY(ニービー)シンドローム
ゴミは自分の周囲から無くなればそれでいいという風潮。ゴミ問題を他人事と考えてしまうのは、今日のゴミ処理のスタイルが、ゴミを隠してそれで良しとしているためだという主張もある。
◎ゴミのポイ捨てに罰金
福岡県・北野町、和歌山市で罰金をもり込んだ『ゴミのポイ捨て禁止条例』が施行。北野町の条例では、投げ捨てた人には、罰金3万円以下が科せられることになる。法制上“廃棄物処理法≠ネどとの兼ねあいから問題視する人も。ただ、この種の条例は、他の自治体でも次々に議会へ提出する動きがある。
◎コンポスト
いわゆる生ゴミを肥料に変えるための容器。バケツを逆さまにしたような形で、生ゴミを微生物で分解し、たい肥をつくるというもの。ゴミ減量化に効果があると、購入金を助成する自治体も。ただし、マンションなど庭のない家庭では使えない点がネック。
◎古本はリサイクル
中野区の図書館では、本を廃棄せずに公共施設に備えることを決定。同図書館では、年間3〜5万冊の図書を廃棄していたという。本には、文化的価値があるので、再生紙の原料とするより、本のままでのリサイクルの方が望ましい。
◎埋立処分場の見学
自分の出したゴミが、最後にはどうなっているのか、ゴミ問題が騒がれているが実際はどうなっているのか、まず自分の目で確かめたい。東京都の場合、『中央防波堤埋立処分場』の見学会を実施している。個人でも参加できるので、ぜひ一度ゴミの実体を見て欲しい。



