子どもを育てるお母さんのための雑誌マナメッセホームへ

コンテンツ
   
  1995年総集編目次ヘ戻る

  化粧品の素顔

   ・間違ったスキンケアが
    トラブルの原因に!
    [→読む]

   ・それでも知りたい化粧品の
    不安と疑問
    [→読む]

   ・安心して使える化粧品の
    条件
    [→読む]


化粧品の素顔

取材・文/マナメッセ編集部

★安心して使える化粧品とは?

マナメッセVOL.11「化粧品の素顔」では、私たちが美しくなりたい一心で顔につけている化粧品には肌に刺激を与える成分が使われていること、化粧品が肌を傷める原因になることを報告し、大きな反響を呼びました。しかし、それと同時に「化粧をやめることはできない」「安全な化粧品を知りたい」という問い合わせが殺到したのです。編集部が独自にとったアンケートでも毎日化粧品を使う人がほとんどでした。かつては化粧品による深刻なトラブルが起こりましたが、今は化粧品の使い方によるトラブルが問題視されています。
そこで新たな視点で取材をし、誰もが安心して使える化粧品の条件を考えてみることにしたのです。

★誰の肌にも合う化粧品は存在しない

 かつては深刻な皮膚障害が問題になったこともある化粧品ですが、今では肌に刺激を与える成分の研究も進み、安心して使えるようになったといわれています。

 ところが……、です。右の表を見てください。国民生活センターに寄せられた危害情報(何らかのトラブルが起きた事例)件数を調べてみると、過去5年にわたって化粧品か美容(エステティックなど)が毎年トップの座を占めており、トラブルの件数もほとんど横ばい。安全になったはずの化粧品でも、実際のトラブル件数は減っていません。

 なぜ、これほど化粧品によるトラブルが多いのでしょう?

「化粧品人口は少なく見ても1000万人はいるはずですから、使う人数と使用頻度の多さに比例して、トラブルの件数が多くなるという側面は、もちろんあります」

 こう前置きしたうえで、ある皮膚科の医学博士は次のようにその理由を述べています。
「今の化粧品には、使った人の多くにスキントラブルが起きるといった粗悪品もありませんが、使う人全員が安心というのものないんです。というのも肌の状態や体質には個人差があり、誰にでも安心と言い切ることはできないからです」

 例えばスクラブ入りの洗顔剤を使うと「気持ちがいい」という人がいる一方で、「肌があれる」という人もいます。体調によっても肌の状態が変わり、いつも使っている化粧水をつけて、ピリピリした刺激を感じることさえあります。このように考えれば、いつ、どんなときに使っても安心な化粧品をつくるのは、不可能に近いことがわかります。「しかも化粧品は健康な肌につけることが前提なんです。ところが今の女性の肌は、ストレスや大気汚染などさまざまな刺激によって、過敏になっていたり、荒れていたりすることが多い。肌の状態がよくないところに化粧品をつけるのですから、スキントラブルが起こりやすいのです」
(前出の皮膚科の医学博士)

間違ったスキンケアがトラブルの原因に!

 現代の日本人の3人にひとりは、アトピー性皮膚炎など、何らかのアレルギーがあるといわれています。そして化粧品をつくるさまざまな物質によって、アレルギーを起こす人もいます。メーカー側もアレルギーテストなどをしている場合がありますが、その化粧品を使う人全員を調べることはできません。つまり化粧品は、スキントラブルを起こす可能性を、常に秘めているわけです。

★イメージだけで化粧品を選ぶのは危険

 それに拍車をかけているのが、私たちの化粧品の選び方や使い方です。「百貨店などでサンプルを配ると、すぐにその場で商品を買う人が多いのに驚きます。肌がデリケートだと言うわりには、化粧品の選び方が無造作な人が多いような気がします」と話すのは、米国の化粧品事情にも詳しい化粧品会社の社長。例えば、海外旅行の定番お土産、マニュキア。
「海外で買ったものは発色もきれいだし、乾きも早くて人気がありますよね。でもそれは鉛をたくさん入れているからなんです。日本では鉛の使用が制限されているため、海外と同じようにはできないんです」

 このような例は、マニュキアだけではありません。「ちょっと前にブームになった″シワとりクリーム″は、発ガン性のある物質が使われているという理由で日本では輸入が許可されませんでした。それで香港から個人輸入をする人がかなりいたんです」

 女性のスキントラブルに詳しい皮膚科の医師も、海外で化粧品を買うときは慎重にとアドバイスします。「一般に白人のほうが、日本人などの有色人種より肌が丈夫。だから海外で買った化粧品は、刺激が強すぎる場合があるんです。しかも湿度が少なく乾燥した欧米と湿気の多い日本では、肌の状態は違います。合う化粧品だって当然、違うのです」

★ほとんどの人が肌をこすりすぎている

 前出の皮膚科の医師は、患者さんの化粧品の使い方を知るため、いつものスキンケアとメイクを目の前でしてもらうと言います。「共通しているのは、肌をこすりすぎていることです。私は赤ちゃんの肌にさわるようにやさしく、薬指を使って顔を洗うように指導しているのですが、最も力の入る親指とひとさし指を使うひとが圧倒的に多いですね。そのため皮膚表面に細かい傷がつき、20代の若い女性でも老人のようなカサカサ肌になっています」

 肌は皮脂膜によって、気温や湿度の変化など外的な刺激から保護されています。皮脂は多すぎでもニキビなど肌のトラブルの原因となりますが強くこすることで必要な皮脂までも取り除いてしまうと、肌が無防備な状態になり、刺激を受けやすくなるのです。その意味では、必要な皮脂まで落とす洗浄力の強すぎる洗顔剤にも要注意です。

 またマッサージで、こする、ひっぱるなど物理的な刺激を与えるのも肌を傷める原因になりやすいお手入れです。マッサージは肌の新陳代謝をよくするといわれますが……。

「肌の血行をよくするといわれますが、表皮には血管は流れていないんです。血行がよくなれば皮膚表面の温度は上がるはずですが、赤くなるほどマッサージしても皮膚温度は最高でも0・9度しか上がりません。強くこすって肌を傷めることのほうが心配です」(皮膚科の医学博士)

 どうしても顔を強くこすってしまいがちなふきとりタイプのクレンジングも、肌がデリケートな人は避けたほうがよさそう。

「使い方を直すだけで、肌のトラブルが治り、化粧品を変える必要がない場合もあるほどです」(皮膚科医)

★スキントラブルが起こったときは……。

@ 化粧品の使用はしばらく休む

 肌がピリピリしたり、赤くなる、 かゆみを感じるなどの異常が表れ たときは、化粧品の使用を数日間 休んで、様子をみます。前に使っていて何の異常もなかった化粧品があれば、そちらを使ってもいいでしょう。ただし肌は一度刺激を受けると、過敏な状態になっていますから、以前大丈夫だったとしても、刺激がある場合もあります。トラブルを治したいからと、一度も使ったことのない化粧品を使うのは、なるべく避けたほうがいいでしょう。

A l週間たっても治らなければ病院へ

  3日くらいたっても、症状が快方に向かわないときや、1週間たっても治らないときには、皮膚科医の診察を受けてください。

  肌はいったん敏感な状態になると、髪の毛が触れる程度の普段なら感じないささいな刺激にも反応するようになります。かゆみがある場合は、かいてしまって症状が悪化するケースも。ひどくなってからでは、治っても肌にあとが残ってしまうこともありますから、 医師の適切な指導を受けることが大切です。

B トラブルの原因をはっきりさせること

スキントラブルは、対症療法だけでなく、原因をはっきりつきとめることが大切です。使っている化粧品が合わないのか、使い方に問題があるのか、またはそのとき飲んでいた薬や食事、エステティックに行ったなどいつもと違う行動はなかったか等々を詳しく調べ ます。原因がはっきりすれば、次からそれを避けることでトラブルが防げます。原因をわからないままにしておくと再発したり、原因となった物質に対してアレルギーを持つようになることもあります。

★皮膚のトラブル アレルギー反応と刺激反応の違いは?

皮膚に起こるトラブルは、大きく分けて、刺激反応とアレルギー反応があります。刺激反応は、

@塗ったらすぐに反応がでる

  1. 塗った人すべてに反応がでるというのが特徴ですが、今の化粧品には塗ってすぐすべての人に反応がでるものはまずありません。

 ところが刺激となる物質が使われていても濃度が低い場合は、過敏な人には反応がでるけれど、まったく反応のでない人もいるなど、個人差がでてきます。また1〜2回使ったくらいでは反応がでないけれども、しばらく使い続けるうちに反応がでる場合もあります。これを累積刺激反応といいます力も最初は何もトラブルが起こらず便いつづけているうちに、反応がでるという点で、アレルギー症状と非常に似ています。

 いったん何かの物質に対してアレルギーを持つと、原因物質つきとめて、それをを遠ざけるしか、治療法はありません。

[上に戻る]        

それでも知りたい化粧品の不安と疑問

Q1 自然派化粧品なら安心して使える?
A 自然の成分がすべて肌にいいものとは限らない

 天然成分配合をキャッチフレーズにした″自然派化粧品≠ェブームになっています。自然のものというといかにも肌によさそうなイメージですが、実際は天然成分でも、肌にいいものもあれば刺激を与えるものもあります。洗顔などに使われる石けんを例に説明しましょう。

 石けんは、油脂で作られます。ハーブ石けんという場合でも、ハーブだけから作るのではなく、油脂にハーブの成分を混ぜて作っているわけです。石けんの原料となる油脂にはいくつかの種類があり、それぞれ脂肪酸の組成が違っています。そして脂肪酸の中には肌への刺激となりやすい、低分子脂肪酸(C6〜C12)と不飽和脂肪酸があります。

 脂肪酸の組成を見ると、天然成分といってもパーム核油などは低分子脂肪酸の比率が高く、大豆油などの植物性の油は、不飽和脂肪酸の比率が高いことがわかります。どちらも、肌への刺激となりやすい物質を含んでいますから、天然の素材といえども、肌に刺激となる物質を取り除かないと、本当に肌にやさしいとはいえないのです。また自然化粧水といっても、アロエのエキスを一滴入れて「アロエエキス配合」とするなど表示の方法に問題があったり、刺激のある成分を使っている場合があることが国民生活センターの調べてわかっています。「自然」という言葉だけに憩わされないよう注意したいものです。

Q2 タール系色素が入った化粧品は避けたほうがいい?
A 肌につけた場合と食べた場合では体への影響が違ってくる

 タール系色素など、食品添加物で使用が禁止されている物質が、化粧品では使われていることを疑問視する声があります。確かに細胞レベルの実験では発ガン性があるという結果がでています。また化粧品の成分は、ある種の界面活性剤のように皮膚から体内に吸収されるものもありますが、色素は肌につけたとしても、体内に吸収されません。もし化粧品の色素に問題があるのなら、口紅をっける女性のほうが、男性よりガンにかかる率が多くなるはずです。ところが戦後50年をみても、女性のほぅがガンにかかりやすいという記録は、皮膚ガンも含めてありません。強い日光にさらされる機会の多い米国中西部では、唇のガンにかかる人が少なくないのですが、口紅をつける人のほうが、かかりにくいという報告もあります。
ただし、もつと長い目でみた場合の影響、生まれてくる子どもたちへの影響については今の段階では調べることができず、結論をだせません。また、「口紅をつけると、なめてしまうので、体内に入るのではないか」と心配する人もいます。もちろん微量は体内に入ります。食品の場合と違べれば、体への影響は少ないのですが、どうしても不安な場合はタール系色素のなかでも、特に発ガン性を指摘されて禁止となった赤色2号などが使われている口紅を避ける、口紅をつけるのは避けて無色のリップクリームだけをつけるといった対策を考えたほうがいいでしょう。

Q3 防腐剤のパラベンが使われるのは、なぜ?
A 防腐剤などを使わないために深刻なトラブルになることも

 防腐剤に使われるパラベンは、アレルギーを起こしやすい物質として知られています。厚生省によって定められた表示指定成分にもなっていますが、多くの化粧品に使われているため、不安を感じる人も少なくないようです。

 もちろんこのように刺激となる可能性のある物質は、使わないにこしたことはありません。しかし化粧品は、使っているうちに手などから雑菌が入りやすく、変質したり、腐敗したりしやすいものなのです。また高温多湿の場所に置いたために、変質する場合もあります。実際米国では、防腐剤をまったく配合していない化粧品に緑のう菌が発生し、それを顔につけた人が失明したケースがあるのです。このような深刻な事故につながらなくても、雑菌が繁殖した化粧品を肌につけて、スキントラブルになる可能性と、パラベンを使ってアレルギーが起こる可能性を秤りにかけたうえで、メーカーではパラベンなどの防腐剤を使用します。たとえパラベンを添加していない化粧品でも、殺菌や防腐に効果のある成分を配合するなどして、化粧品に雑菌が繁殖しないように処方してあるのが一般的なのです。

 もし可能ならば、パラベン以外の低刺激性の防腐剤を使った化粧品を選ぶようにすれば安心です。

Q4 界面活性剤は体にとってよくないもの?
A すべての界面活性剤が体に影響を与えるわけではない

※界面活性剤の種類
水と油のように本来なら混ざらないものを混ぜる。乳液などに使われる。香料(製油)など油性のものを、水に溶かす働きがある。化粧水などに使われる。鉱物の粉など水にも油にも溶けないものを、水と油のなかに分散させて均一の安定した状態にする。ファンデーションなどに使われる。

 化粧品を作るためには、水と油のように本来は混ざらないものを混ぜたり、香料のように水に溶けない性質のものを溶かしたりしなければなりません。それには界面活性剤の力が必要です。

 界面活性剤には石油から作られるもの、大豆や砂糖などを原料にして作られるもの、天然の物質から作った界面活性剤を合成して作るものなど実に多くの種類があり、その性質も違っています。なかには手の消毒剤などに使われるカチオン活性剤のように、濃度が濃すぎると刺激のあるものもあります。ただ界面活性剤が使われていても、体に無害なものなら問題ありません。メーカーには、なるべく体に害のない界面活性剤を使うよう望みたいものです。

★「厚生省に表示を義務づけられた表示指定成分」は化粧品選びの目安になる?

厚生省に表示を義務づけられている成分は、現在100品目。このなかには防腐剤のパラペンや香料、一部のタール系色素などが含まれています。そもそも表示指定成分は、「過去にアレルギーや接触刺激、皮膚毒性、発ガン性などの症例が報告されたもの」をリストアップしたものです。化粧品の安全性が問題になった’70年代後半から’80年代前半にかけて決められました。ところが化粧品の成分の開発は日進月歩で当時にはなかった新しい物質も使われるようになっています。それらの新しい物質でアレルギーが起きる可能性もあります。指定成分が使われているかどうかは、自分がアレルギーを起こす物質を知っている人やアレルギー体質の人にとってはひとつの目安にはなるでしょう。しかし肌に刺激を与える物質は、表示指定成分以外にもあるのです。表示指定成分が使われているかどうかだけで、化粧品の安全性を判断することは、難しいのです。

[上に戻る]        

安心して使える化粧品の条件

★化粧品ではスキントラブルを治せない

″ピリピリする、かゆみがあるなど肌に刺激を感じたら、使わない″というのは、スキントラブルを防ぐための大原則。ところがトラブルが起きると、それをカバーしようとしたり、治そうとしてさらに熱心に化粧品を使う人が少なくありません。

「アトピー体質の人は、秋口から春にかけて肌が傷だらけになりやすいのです。そんなときに化粧品をつけると、健康な肌なら表面に保護膜をつくるだけで体内に吸収されないものが、傷になっている部分から吸収されてしまいます。そのため体が異物として反応し、カブレなどが起きてしまうのです」(皮膚医学博士)

 刺激を感じるのは、肌が敏感になっている証拠。できるだけそっとしておくのがベストなのに、化粧品をつけるのは、わざわざ自分でトラブルを招くようなものです。予防策として皮膚科の医師は、毎日肌の状態をチェックすることをすすめます。
「鏡で肌の状態を観察し、こすらないほうがいいところ、かさついているところをきちんと把握したうえでスキンケアをしてください」

 特に気をつけたいのは乳液。肌があれて表面が凸凹していると、くぼんだところに乳液がたまり、スキントラブルの原因になるといいます。

★高価なクリームは本当に必要?

 お肌にトラブルがあるときに、「○○なら治るわよ」と化粧品をすすめられると、つい飛びつきたくなります。ところが実際にそんなふうにして化粧品を使い、かえって症状を悪化させるケースが多いのです。

 もっとも消費者だけでなく、スキントラブルにも効果を発揮して、美しい肌になると誤解させるようなCMや商品のすすめ方も問題です。

「化粧品は健康な肌につけることを前提として作られています。薬と違って、スキントラブルを治すことはできません」(皮膚医学博士)

そしてメーカーと消費者のコミュニケーションが、うまくとれていないのではないかと、指摘します。「殺菌剤をプラスして洗浄力を高めたのが薬用石けんです。洗浄力が高いぶん肌への刺激は大きいのですが、消費者は″肌が弱いから薬用石けんがいい″と思ってしまうのです」そのためデリケートな肌の人が薬用石けんを使って、かえって肌を傷めてしまう……といった、スキンケアでダメージを与える結果になってしまうのです。また乾性肌でも、高価なクリームは必要とは限りません。

「右上のグラフでわかるように脂性肌、乾性肌の人を比べても、皮脂量は顔全体で0・01gしか違わないんです。人間の感覚はとてもデリケートなんですね。でもこの程度の差であれば、乳液を多めにつけるだけでコントロールできます」

 メーカーは化粧品を売るために、さまざまな成分を加え、機能をうたっています。なかにはそれほど肌に必要ではないものもあるのです。もちろん使用感や精神的な作用が大きいものですから、高価なクリームをって満足感を得る効果も否定はできません。でも本当に肌のことを考えるなら、CMや売る側の情報をうのみにして雰囲気だけで化粧品を選ぶのは避けたほうがいいでしょう。

 自分の肌をよく観察し、「乾燥を防ぐ」「美白効果のあるもの」「肌の力を高めるもの」など、必要なものは何かをよく考えたうえで、選ぶことが大切です。また肌は、食生活や精神状態などに左右されます。外から塗る化粧品には、限界があり、肌の美しさは、体の内面からつくられることを覚えておきたいものです。

★ベーシックスキンケア

 汚れをしっかり落とすクレンジングや石けん

 スキンケアの基本は、汚れをしっかり落として、いつも清潔な肌を保つことです。肌の汚れや余分な皮脂があると、過酸化脂質となり、二キビや吹き出物がでるなどトラブルを起こす原因になります。洗顔剤は、よく吟味して自分の肌に合うものを見つけてください。またメイクをした場合は、クレンジングで、きちんと落とすこと。メイクが残っていると肌を傷めます。

 化粧水はたっぷり

 洗顔後は、汚れと一緒に肌を保護していた皮脂の膜がなくなり、肌が乾燥しがちです。できれば洗顔後すぐ、肌が乾ききらないうちにたっぷり化粧水をつけて、肌のうるおいを保つことが大切です。特に保湿成分を配合した化粧水は、肌のうるおいを保つのに効果的。また化粧水をつけるときも、肌をこすらないようにすること。コットンを使ってもいいのですが、ふいたり、こすったりせず軽くパッティングするようにします。

 乳液は保湿効果の高いものを

乳液は油分と水分を乳化させることによって混ぜたもので、皮膚の表面に薄い膜を作って肌を保護する役目をします。肌の状態をチェックして、つっぱり感があるところ、乾燥しているところにつけます。乾性肌の人は多めに、脂性肌の人はやや少なめに、自分の肌に合わせて量を加減するのが、ポイントです。洗顔剤や化粧水と同じように、なるべく刺激の少ないものを選びましょう。

 さて、それでは自分の肌に合った化粧品を選ぶには、どんなところに注意をすればいいのでしょう。

 これまで述べてきたことをもとに、スキンケアで肌にダメージを与えることがない、安心して使える化粧品の条件を考えてみました。

 条件1 できるだけシンプルであること

 シミやシワに効果的なもの、美白効果のあるものなど、さまざまな効果効能をうたった化粧品は数多くあります。CMも巧みで使ってみたくなりますが、もっとも大切にしたいのはベーシックなスキンケアです。スキンケアの基本は、洗顔で汚れをしっかり落とし、うるおいを与えて、保護することです。つまり必要なのは洗顔剤、化粧水、乳液の3つだけ。できるだけシンプルなお手入れを心がけることは、スキントラブルを防ぐことにもつながるのです。さまざまな物質を加えて機能をうたったものより、肌に必要な成分だけでつくった、シンプルな化粧品ならより安心です。

 条件2 刺激になりやすい成分が使われていないこと

 香料など刺激となりやすい成分がカットされた化粧品のほうが、より安心して使えます。また洗顔剤などは、洗浄力が強すぎるものだと肌にとって必要な皮脂膜を取り除いてしまうことがあります。皮脂量の多い若いうちはいいのですが、年齢を重ねるにつれて、必要な汚れだけを落とすマイルドなものを使ったほうがいいでしょう。

「洗顔するときは力を入れずに……と指導しても、実際は一度身についた習慣がなかなか変えられず、ゴシゴシ洗う人が多いのです。ですから洗顔は、なるべく低刺激性のおだやかなものを選んだほうがといいと思います」(皮膚科の医師)という意見もあります。

 前にも述べた通り、私たちの肌はさまざまな刺激をうけて、デリケートな状態になっています。アレルギーなどのトラブルを避けるためには、刺激となるような成分には、できるだけ触れないようにしたほうがいいのではないでしょうか。

 条件3 肌のカを高めてくれること

 化粧品をつけなくても美しく、みずみずしい肌でいられるというのが究極的な理想です。それにはまず、肌の健康をとりもどすこと。

 肌にはもともと、美しい状態を保とうとする力があるのですが、年齢を重ねるにつれて、その力が少しずつ失われていきます。最近は、肌の美しくなろうとする力を高めることを目的にした基礎化粧品も登場しています。もちろん肌の美しさは、心身ともに健康であってはじめて得られるのですが、健康的な肌をつくるための、ひとつの方法として取り入れてみるのも、いいでしょう。

 条件4 気持ちよく使えること

 精神状態と肌は深くかかわっています。どんなにいい化粧品でも、使い心地が気に入らなければ、肌にいい影響は与えません。自分が安心して気持ちよく使えそうなものを選ぶことは、実は肌にとっても大事なことなのです。

★自分に合う化粧品は使ってはじめてわかる

 日本では化粧品の成分がすべて表示されているわけではありません。また仮に成分表示がしてあっても、内容を理解するためには専門的な知識が必要ですから、化粧品選びに役立つかどうかは、疑問です。

 それでは、どうすれば失敗なく自分の肌に合う化粧品を選べるでしょうか。気をつけたいのは、表示にまどわされないようにすることです。例えばアレルギーの原因物質がわかっていれば、表示を見て避けることができます。でもそれ以外の人にとっては、あまり意味がありません。また○○配合、○△エキス配合などと表示してあっても、どのくらいのパーセンテージで配合してあるのか、自分の肌にはどうなのかはわかりません。結局使ってみるのが、一番簡単でわかりやすい方法です。ただ化粧品が合うか合わないかには、かなり個人差がありますから、使い始めは慎重に。できれば、サンプルやトライアルセットなどで一定の期間試し、肌に異常や刺激がないことを確認したうえで使うようにするのが理想的です。また化粧品は進歩したとはいえ、どんな問題が起こるか予想はできない部分もあります。誰もが安心して使える化粧品をつくる努力をメーカー側に望みたいものです。

★肌のメカニズムを知っていますか

 お肌を美しく保ちたいという気持ちはあっても、皮膚のメカニズムについてはうろ覚えという人が意外と多いようです。お肌のためにも、皮膚の仕組みをきちんと知っておきたいもの。もちろん、化粧品を選ぶときにも、とても役立ちます。

★皮膚の構造

 皮膚は表皮と真皮に分かれています。表皮の一番上は角質層といわれる部分です。毛穴からは皮脂が分泌され、小汗腺からは汗が分泌されていますが、それらが皮膚の表面に薄い膜をつくって、外からの刺激から守る役目をしているのです。

★皮膚の生まれかわり

 皮膚はいつも同じではなく、生まれ変わっています。28日の周期で、皮膚の一番上にある角質層が垢となって剥がれ落ち、新しい皮膚に生まれ変わります。この皮膚のメカニズムが解明されるにつれ、新しい皮膚細胞が生まれて剥がれ落ちる「ターンオーバー」の乱れが、肌の若々しさやみずみずしさを損なう原因になることがわかってきました。皮膚の中でターンオーバーを円滑に行うために働いている物質も解明されています(左図参照)。

基底層で生まれた新しい皮膚細胞は、しっかりと手をつないで、皮膚の表面に上がり最後は垢となってはがれ落ちます。この皮膚のターンオーバーが28日周期で順調に行われている限り、お肌のみずみずしさやハリは保たれています。ところが年と重ねるにつれ、ターンオーバーの周期が乱れたり、しっかりと手をつないで上がってくるはずの細胞の足並みが乱れると、ハリがなくなったり、シミができたりして、お肌のおとろえを感じるようになります。

  STEP1 肌の乾燥を防ぐことがスキンケアの基本

 肌は乾燥しすぎると、カサつきを感じたり、かゆみを感じるようになり、知らず知らずのうちに肌をかいて、傷めてしまうことになります。さらに乾燥することによって、顔に細かいシワができやすくなるのです。肌が乾燥しないように注意することが、スキンケアにとっては、とても重要なことです。もちろん化粧品でケアすることも大切ですが、日常生活でもいくつか注意したいポイントがあります。

 最も気をつけたいのは、エアコンの風です。家庭でもオフィスにも当たり前のようにエアコンがありますが、エアコンの風が直接肌にあたると、確実に乾燥します。室内ではなるべく、エアコンの風が当たらない場所にいるようにします。またドライヤーなども、乾燥の原因になるので、油断は禁物です。なるべく顔に温風を当てないように注意するのはもちろん、ドライヤーを使ったあとは、保湿効果の高い化粧水などでスキンケアをしたほうがいいでしょう。乾燥している部屋では、加湿器を使ったり、テーブルや机の上に水の入ったコップを置くのも一案です。コップの水が早くなくなるようなら、かなり室内が乾燥している証拠です。また保温、保湿効果の高いシルクのスカーフを首に巻くのも、肌の乾燥防止に効果的です。

  STEP2 食生活に気をつけてストレスをためない!

 お肌と精神状態は、深く係わっています。5分イヤなことを考えると、それだけで皮膚の免疫力が低下するという報告もあるほどです。ですからお肌の美しきをキープするためには、ストレスをためないようにすることが、とても需要なのです。

 ストレスをためないという観点で化粧品を選ぶとしたら、自分の好きなもの、気持ちよく使えるものを見つけることです。容器が好き、ブランドの高級なイメージが好き、肌におだやかなものが好きなど、気持ちよく使えるものが、自分にとってペストの化粧品と考えてください。どんなにすぼらしい化粧品でもイヤだと思って使うと、スキントラブルも起きやすくなります。

 もちろん化粧品選びだけでなく日常生活でも、たっぷり睡眠をとる、趣味を持ったり、スポーツをするなどリラックスする時間を見つけるなど、ストレスをためないように心卦けることが、お肌のためにもいいことです。

 なかでも最も気をつけたいのが食生活と生活習慣。いうまでもないことですが肌は体の一部です。内面が腱康でない限り、いくら化粧品を使っても美しい肌はつくれません。規則正しい生活をして十分睡眠をとること、そして野菜を十分にとってビタミン類が不足しないようにするなど食生活に気をつけることが重要です。

  STEP3 若々しさを保つフェイシャルエクササイズ

 年をとるにつれて、顔にはシワが増えてきます。シワには、肌の乾燥が原因でできる小ジワと、長年の表情グセが原周でできる大ジワがあります。表情グセによってできるシワは、顔の筋肉(表情筋)に弾力と復元力があれば、すぐにもどります。ところが年をとるにつれて、筋肉が衰えてくると弾力が復元力がなくなって、シワが消えなくなってしまうのです。

 とはいえ、あきらめてしまうことはありません。筋肉は体のなかで唯一、年齢に関係なく強化することができるものです。たとえ80歳のお年寄りでも、上手にトレーニングをすれば、筋肉は発達してきます。顔の筋肉も、意識的に鍛えることで強化され、弾力性や復元力をとりもどすことが可能になります。顔には30種類もの筋肉がありますが、これを十分に使う運動をすることで、筋肉が発達します。そして@表情がよくなる、A顔がひきしまって小さく見える、Bシワ、タルミを予防できる、C乾性肌の人は皮脂の分泌が回復するといった、効果がでてくるのです。いったんシワができてしまうと、それを消すのは大変ですからできるだけ若いうちから、顔の筋肉を鍛えるトレーニングをするほうが効果的です。


[上に戻る]        



トータス株式会社 コピーライト