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取材・文/工藤和子
私たちのからだを、甘くとかすシュガー・ブルース ★登校拒否児や暴力児には砂糖の取り過ぎの傾向が 砂糖きびやてん菜(砂糖大根)などから作る、精製された白砂糖(グラニュー糖、角砂糖、粉砂糖)は“エンプティカロリー”と呼ばれます。ビタミン類やミネラル分をほとんど取り去ったこの高純度の砂糖は、ブドウ糖と果糖からできていて、体内に入ると急激に浸透し血液中の血糖値を即座に上昇させます。つまり白砂糖は、糖以外に栄養はないけれど、そのカロリーは速効性を持つからです。 極度に消耗したり衰弱して血糖値が下がり過ぎ、昏睡状態になった人にブドウ糖の注射を打つのは、ブドウ糖が脳と体に劇的に薬のように効くためです。私たちの脳は血液中のブドウ糖(血糖値)が低くなり過ぎると、その機能を停止したり神経細胞がダメージを受け、生体活動を維持することができなくなります。 疲れたときや空腹時も血糖値は減少しますが、食事を取ると、炭水化物やそのほかの栄養素が次第に糖化して血糖値は一定の水準を保ちます。しかし、白砂糖を取ると、その急激な作用のために胃の働きが押さえられてしまい、食事を取る気がしなくなります。 また、白砂糖の過剰摂取が習慣化すると、その悪影響は予想以上の弊害をもたらします。胃の粘膜は荒れ、内臓の機能を弱め、余った糖分は脂肪として蓄積されます。肥満は動脈硬化、高血圧、心臓病、脂肪肝などを招き、免疫力なども低下させます。さらに、血糖値をコントロールする膵臓から出るインシュリンのホルモン機能も狂わせ、血糖値が高すぎる高血糖症や糖尿病になるか、あるいは低すぎる低血糖症を引き起こします。 低血糖症になるとだるい、眠い、無気力になる、落ち着きがなくなる、あきっぽくなる、興奮しやすく暴力的になるなど、いわゆるシュガブルーと、その反作用のハイパーアクティブな症状が起こる…。これは登校拒否児や暴力児、さらに犯罪者に多く見られる症状です。 ★カルシウム、鉄分、ビタミンを奪い 虫歯、かっけ、貧血、視力低下も 原始人には虫歯はなかったとか。日本人に虫歯が増えたのは、戦後砂糖があらゆる食品に多く使われるようになった昭和30年代前期からです。 白砂糖はビタミンやミネラルを含まぬ、いわば酸の結晶のようなものといわれます。パンや白米などの精製された炭水化物や脂肪分、ビスケットやケーキ、チョコレートなどが歯垢を作り、そこへ浸透して歯のエナメル質を溶かしていくのです。歯磨きはしても、ダラダラと甘いものを間食する子は当然虫歯が多くなります。 また精製された糖が代謝していくときには、カルシウムや鉄分などのミネラル分、ビタミンCやBなど、すでに私たちの体内に蓄積されている栄養を奪っていくのも大問題です。 ジュースや清涼飲料水には砂糖がたっぷり入っていますが、カルシウムを奪う添加物リン酸塩も入っていて、これは加工食品にも多用されています。最近の子どもが骨折しやすくなったのは、カルシウムを含んだ小魚などを食べず、甘いものや加工食品などを取り過ぎて、カルシウム不足になっているためです。 そのほかにも鉄分を奪って貧血性に、ビタミンB不足でかっけに、ビタミンC不足が疲れやすく風邪をひきやすいなどの免疫力の低下を招き、アトピーなどを助長させ、壊血病になることも。また糖尿病患者には近視や視力の低下などを招くことも。そして、砂糖の過剰摂取は脳の神経系やホルモンバランスも狂わせ、子宮の異常や涜産を起こしやすくなるというのだから驚きです。そして心はブルーになっていく…。 ♪誰もが歌う このシュガー・ブルース アメリカでこの歌がはやった1923年、カナダ人の医師によって人工的なインシュリン新薬が発見されノーベル賞を受賞しているのは、象徴的なことでしょう。 甘いものをひかえる人は、たいてい「ダイエットしたいから」と、美容上の理由を挙げる人が多いもの。確かにクツキーやケーキを手作りするとよく分かることですが、砂糖のほかに驚くほどの脂肪分を使います。だから最近は、まだ和菓子のほうが力ロリーが少なくてよい、と人気が出ています。しかし和菓子でも白砂糖の害はやはりまぬがれません。 ★安心はおいしい ウイリアム・ダフティはその本のなかで「精糖は元来薬剤として用いられたもので、昔のアラブ人やユダヤ人は細心の注意を払って処方薬にごく少量加えたにすぎなかったのです。精糖は、極度に疲れきっている人の体と脳を、即座に幻覚状態にまで1800度変化させることができるようなもの、つまり脳を仰天させることができるのです」と述べています。 最近は、白砂糖がアレルゲンになる砂糖アレルギーも出現し、頭痛、鼻炎、疲労感、アトピー性皮膚炎、抑鬱症状などの″化学物質過敏性″になる人がいます。近年急増しているアレルギーやガンは文明病ともいわれ、先進諸国の大気や水、食生活を汚染している化学物質(排気ガス、産業廃液、農薬、添加物、そのほか生活環境にあふれるあらゆる人工的な化合物)や、ストレスの多い生活のせいではないかといわれています。 玄米菜食主義で知られるマクロビオテイツクの提唱者として、世界に知られる桜沢如一氏は白砂糖のこんな実験もしています。0・5%の白砂糖の溶液を赤血球に加えると、あっという間に赤血球が溶け赤い色が消えてしまう。そして次に白血球が現れるが、同様に白砂糖液を加えるとその白血球も消えてしまったとか。これでは病気にもなるはずです。 イギリスのジョン・ユドキンもその著書『純白、この恐ろしきもの』のなかで、精白された砂糖をはじめ、精白された小麦などの問題も指摘。自然な栄養素のさまざまな複合的なバランスと、酵素などの働きがいかに重要かを述べています。 高純度の精製塩、白砂糖、化学調味料、食品添加物などは、人工的な化学物質″であり、人間にとっては不自然で必要のないもの、有害なものであるということを、どうかお忘れなく! そして、その害が母体から胎児にまで少しつつ影響を与えていることは、砂糖アレルギ1児の出現でも分かるとおりです。もう白砂糖はこれ以上取らないで!と、体が過剰防衛反応を起こしているせいではないでしょうか。 「アメリカ上院栄養問題特別委員会」の報告書でも、砂糖の摂取は減らし、穀類などから炭水化物を取るようにと警告しています。多くの犯罪者やハイパーアクティブな青少年らが保護監察中に、砂糖ぬきで、加工食品や肉食に頼らぬ食生活を送るうち、すっかり問題行動を起こさなくなったという例は、各国の、実に多くの実証例に見られるのです。 日本人が白砂糖を多く取るようになったといっても、まだアメリカやイギリスの3分の2ぐらいの量。でも油断はできません。白砂糖の甘い誘惑は、麻薬のような習慣性を持つもの。それに最近は白砂糖に代わる人工甘味料も増えています。
甘みの誘惑にはなかなか勝てず、やせたい人がつい頼りにし、手軽に手に入れることのできる人工甘味料には、また別の危険性があるのです。 かつてよく使われていたサッカリンには発ガン性があることが分かり、今ではあまり使われなくなっていますが、最近よく見かけるのはアスパルテーム。これは砂糖の100倍の甘さがあってなんとノンカロリーというのだから、糖尿病の人や肥満を気にしている人には、救いの甘味料のように思えるでしょう。 しかしアスパルテームには、フエ二ルアラ二ン化合物で脳に障害を起こす疑いがあります。特に、まれに生まれるフェニルケトン尿症の乳幼児には、摂取量の厳重なコントロールが必要なので、妊娠中の人は特に避けるべきだと厚生省も通達を出しています。 また、ロー力ロリーの天然甘味料のステビアは、もともとは不妊と避妊用の薬草から抽出したもので、低純度のものには不妊を招いたり発ガン性を持つものもあるのです。 清涼飲料水などに使われるステビアは、純度が高いのでまず心配ないといわれますが、最近はお惣菜や漬物、そのほかの加工食品などの味つけによく使われていて、これらの中には要注意のものか混ざっているようです。赤ちゃんが欲しい人や妊娠している人は、白砂糖や人工甘味料もできるだけ取らないように気を付けたほうがいいでしょう。 ところで、最近ガンも治ると評判の「野菜スープ」。試してみると、大根の葉や、にんじん、ごぼうなどの皮も一緒にじっくり煮込むだけで、こんな自然な甘みとうまみが出るのか、と発見があります。自然な甘みに慣れてくると、人工的な甘さは強すぎて、大量には食べられなくなります。 ★マクロピオティックの「身土不二」「一物全体」の食療法は白砂糖なし 『シュガー・ブルース:砂糖病』の著者、ウイワアム・タフテは、自ら白砂糖を取り過ぎてさまざまな慢性病に苦しんだあげく、マクロピオディックの食療法に出合って白砂糖を絶ち、健康を取り戻したことを告白しています。 マクロピオティツクとは、食べ物も宇宙自然の全体の陰陽バランスに沿って食べるという東洋思想から生まねでおり、西洋医学や栄養学とば違う視点から、医食同源の根拠を体系づけています。もの食べ方の基本には、「身土不二」「一物全体」という考え方があります。 「身土不二」とは、人間の身体とその土地で取れる食べ物は、分かちがたい関係を持つとし、「一物全体」は、食物の葉も根も皮も、まるごと食べたほうが陰陽の生命バランスの調和が取れるとしています。 玄米(穀類)と季節ごとの旬の野菜類を中心に、肉類は基本的に取りません。 熱帯産の砂糖や果物は体を冷やす働きがあるし、夏野菜のきゃうりやトマトも同様です。だから冬に生野菜サラダを取っても逆効果とか。冬には体を温める根菜類がよく、春先には身体の代謝活動を促進する山菜やタケノコなどの旬の食べ物が、健康的にも理にかなっているというわけです。 野菜が作れない寒冷地に住むイヌイツ卜などは、アザラシの生肉や内臓をまること食べることでビタミン類や酵素などを補っているといいます。 マクロピオティツクの、病気治しが目的の食療法では、甘いものや果物、黒砂糖やみりんも一切禁じて、魚介類も制限します。それによってガンなどの難病の多くが改善していることから、日本よりも、近年欧米で注目されるようになっています。 しかし菜食が基本でも、伝統的な食環境も合わせて考える必要もあり、健康な人ならば、卵や牛乳や魚肉類も少々なら取る、ゆるやかな食べ方も許せれる気がします。それよりも、精白した砂糖や精製塩、化学調味料、農薬の多い玄米などを使わないことのほうに注意を。それでは食養料理になりません。なお、白砂糖の害の資料の多くは、日本Cl協会 (東京都渋谷区大山町11−5 03−3469−7631)とオーサウジャパン おはぎ1個 32グラム
砂糖は大きく分けて「分蜜糖」と「含蜜糖」の2種類があります。分蜜糖とは、糖だけを高純度に精製して作る白砂糖のことで、含蜜糖はミネラル分を含むそのほかの砂糖を指します。甘いものの食べすぎは、塩分の取りすぎと同様に健康に良くないのですが、多少とるなら、自然に近い体にやさしい甘みにしたいもの。黒砂糖、洗糖、てん菜糖、麦芽水飴、和三盆、蜂蜜、そしてメープルシロップなどの甘みの成分の違いと特徴を調べてみました。 ★長寿を誇る奄美大島の黒砂糖 かって長寿日本一の泉重千代さんを生み出した奄美大島は、沖縄に次ぐ黒砂糖の生産地で、良質のものが取れます。「一口に砂糖きびといっても、4〜5種類あるんですよ。早熟で収量が多いもの、中晩熟で茎が太く高糖だが風邪で折れやすいのとか。奄美の南端の加計麻呂島にはタイ系種の茎が赤くなるのがあるんです」 奄美大島の南端の加計麻呂島には、タイ系種の砂糖きび畑がある。生産者の上田さんは、今では数少ない畑から一貫生産を手がける方である。ハブやねずみも出る無農薬のきび畑は、背丈より高く生い繁っていた。 砂糖きびの茎は、噛むだけでも甘い汁が出る。昔はその茎を子どもがおやつ代わりにしゃぶった。機械で圧搾してその茎を搾ると、糖度19〜23度の甘い汁が取れる。奄美の砂糖きびの収穫期は夏植えが12〜3月、春植えが2〜4月の2回。収穫してしばらく置いて搾る。 搾り汁を炊いて煮詰める。もうもうと甘い湯気が立ち、3月でさえ暖かい奄美の気候では、焦げ付かぬようかき混ぜるだけで汗がしたたる労働だ。数回アクをすくって火力を弱め、サンゴ礁の石灰(カルシウム)汁を注ぐタイミングを見計らう。 ひしゃく一杯の石灰汁で、さらにドロリとトロみがついた黒い糖蜜液は、火力を弱めても焦げつきやすい。重いその液状を、四角いひしゃく状の道具ですくっては、回転タンクへ移す西田さんの奥さん。 ドラム缶ほどの直径の回転タンクは、遠心分離機のような働きをし、水分をとばしながら練る作業もする。回転速度はそれほど速くなく、人のカンと操作で加減できるようになっているため、大型製糖工場にはないおいしさが出せる。 「もちきび」は、水分が多くもちもちした独特のおいしさがあるが、夏場はカビが生えることも。普通の「黒砂糖」、さらさらした粒子の「サンダタアー(散砂糖)」、しっかり固めた「レンガ糖」、薄くのばした「せんべい糖」がある。
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