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★子どもたちがおやつに求めているものは! まず、「子どもたちはどんな物をおやつに食べているか」について見てみましょう。1988年の国民栄養調査によると、親が子どもたちに与えるおやつのトップはスナック菓子で50・2%、次いでビスケット・煎餅類で39・7%(複数解答)となっています。また、手作り・市販品の割合で見ると、市販品は79・8%でした。82年の調査では77・9%でしたから、2%近く増えていることになります。これに対して、手作りは82年に7・6%、88年で7・8%という数字にとどまっています。共働きの家庭が増えるなどの理由から、おやつはますます市販品に傾いてきています。さらに食べる時間についても変化が出てきました。本来「おやつ」とは、激しい労働をしていた農民などが食事間の空腹をいやすために、八つ時(今の午後3時頃) に食べていた間食が語源です。しかし、現在では時間を決めておやつを与えられている子どもは30%余りにすぎません。その他の子どもたちは欲しいときに、または自由に食べているのです。特に最近は時間を決めて食べる子どもが減り、好きなときに食べる子どもが増える傾向にあります。 さて、子どもたちは本当に空腹なんでしょうか。おまけ付きのキャンディーや遊び感覚のお菓子は、空腹をまざらすというものではありません。むしろ子どもたちは、楽しく食べられること、そして食べているという満足感を求めているのではないでしょうか。人気のポテトチップスを探ってみましょう。ポテトチップスの特徴として、口当たりが軽く続けて食べられること、そしてお腹にたまる食品であることがあげられます。また、食事の代わりとして食べている子どももいるようです。これは塾通いなどで忙しい最近の子どもたちの生活には、手軽な食物となっています。 ★市販品のおやつの秘密! 子どもたちがよく口にしているのは、市販品のおやつや清涼飲料水。これらは栄養的に見ると、どのようになっているのか、さまざまな角度から探っていきましょう。人気のポテトチップスの正体は?埼玉県熊谷消費生活センターが2年前にまとめた調査によると、「ポテトチップスをたった200g食べるだけで人間が必要な脂肪の1日分の摂取量をカバーしてしまう」という結果が出ています。過剰な摂取は要注意です。 ショートケーキをおやつにする子どもたちも増えています。しかし、カロリーが高いため肥満の原因になりやすく、糖分もかなり含まれている点も注目しておかなければなりません。また、糖分はケーキだけではありません。子どもたちがよく飲んでいる缶ジユースの中には多い物で1缶(350cc)に40g (スティック砂糖約7袋分)も含まれているのです。このような糖分の取り過ぎは虫歯の原因にもなります。虫歯について、歯科医の臼田篤伸先生(埼玉頻川口市) は次のように言っています。「虫歯が増えると、噛まないことから顎の発達が疎外されます。また、栄養過多のため、1本1本の歯は大きくなっているのに顎は発達しないため、歯並びが悪くなってしまいます」 また、市販のおやつにはさまざまな謎があります。「カルシウムを取って元気な子に」をキャッチフレーズに売られているカルシウム入りおやつ。しかし、その中には牛乳コップ1杯よりもカルシウムが少ない物や添加物いっぱいの物があるのです。「果汁入り」と書かれた“ぐみキャンディー”の中にもビタミンCの入ってない物があるという事実も分かってきました。このようなことから、市販品を選ぶには十分な注意が必要です。しかし、大人が強制的に行っては子どもたちも納得できないと思います。これからは子どもたち自身にも選ぶ力を身につけて欲しいものです。 ★手作りおやつへの挑戦 「売ってるのと同じ」と子どもたちも喜ぶ 大阪府岸和田市・安田美智代さんの場合 「私も母の手作りおやつで育ちました。それに、添加物にも神経質だったので家で作るようになったのです」と安田さん。「以前は仕事を持っていたため、時間的に手作りは大変でした。でも、日曜日にできるだけ作るように工夫し、自分なりに努力することで、手作りもできるんだということが分かりました。今は働いてないので、時間的に余裕もあり、色々な手作りおやつに挑戦しています」 仕事と手作りの両立を時間の使い方の工夫でクリアした安田さんは、ご主人と17歳の長男、10歳の長女の4人家族。「現在は、市販品のように見栄えのよいものを作ることに苦労しています。味はもちろんですが、見栄えがよいと子どもたちも喜んでくれますからね」 安田さんのレパートリーは大変幅広くケーキやおまんじゅうを始め、一般的なものはほとんど作るそうです。 「小さいときから手作りおやつで育てているので、子どもたちも市販品をあまり欲しがりません。また、おやつ作りに市販品のアイデアも取り入れているので、子どもたちも滴足してくれているようです。″売ってるのと同じだ≠ニほめてくれたりもします。最も人気があるのはチーズケーキですね」 最後に「標準的な量よりも糖分を控えるなど、子どもの健康を損なわないようにということに注意しながら、これからも手作りを続けていきたい」と話してくださいました。 ★子どもたちにも保存料の怖さを知ってもらう 東京都練馬区・金子一枝(仮名)さんの場合 「親の身勝手かも知れませんが、手作りのおやつを与えるためには、仕事を持っていると時間的に非常に難しいですね。だからというわけじゃないんですが、親の責任としてできるだけ、保存料や添加物の入っていない物を選んで与えています。子どもたちにも保存料の怖さなどの話をし、たとえ自分たちで選ぶにしても添加物の表示を見てから買うようにと教えています。中学生の長男や小学生の長女も、最近は添加物のことが分かってきたようで、自分たちでも気にするようになりました」と話す金子さん。 現在は仕事をするかたわら、少しでも安心できる食べ物を家族に与えるのが母親の務めと感じ、生活クラブ生協に入っているそうです。「理想を言えば手作りが一番いいと思います。子どもたちの誕生日などにケーキなどをたまに作りますが、本当に喜んでくれますからね。そんな姿を見ていると、やっぱり手作りした方がいいと思うのですが…」と話してくれました。 ★おやつくらいでスポイルされない心も 斉藤次郎(教育評論家) 子どもにとってのおやつは、心の問題としての側面があります。手作りおやつを強要するあまり、子ども社会で疎外感を味わうことにもなりかねません。そこで教育評論家の斎藤次郎さんに子どものおやつについて語ってもらいました。 3度の食事のほか、子どものおやつにも心を配るお母さんが増えてきました。栄養のバランスや食事との関係をよく考え、糖分や塩分の取り過ぎや添加物をチェックするのは確かに大切なことです。ポテトチップスの大きな袋を持って、ひとりでポリポリ食べ続けている子に町で会うと、ちょっと心配にもなります。喉が乾けば炭酸飲料の一気飲み。あんなことでいいのかなぁ。 でもおやつは何でも手作りでというわけにもいかず、原料の確かな少し高めの無添加クッキーを共同購入したり、牛乳やジュースも本物っばいものを探したりと、結構大変です。そういうお母さんを僕は好きですし、決して茶化すわけではありませんが、「おやつぐらいは予どもの好きにさせてもいいよな」と、ときどき思います。 友だちの小学生の家にファミコンしに行ったら、クッキーとあられが出ました。「どっかで見たことがある、この間、確かうちで食べたよ」と思って、「おまえんちもセイキョウ?」と聞けば、相手は「えっ、おじさんちも?」と苦笑い。この子たちは駄菓子屋の常連なのです。お母さんの好みにはとうてい合いそうもない奇妙なお菓子に、目の色を変えます。 僕は、3度の食事がしっかりしていれば、「まあ、これもアリでいいな」と思います。お母さんの匂いのするものが、何もかもうとましいという日が、子どもにあってもおかしくはありません。 お母さん推薦のお菓子は、まずくはないけど面白みがありません。チビもにとっておやつというのは、口の遊びでもあります。遊びにはちょっとした危険がつきものだし、危険な遊びの方が面白いというのも事実です。おやつぐらいでスポイルされないように基礎を固めた上で「ちょっとおおらかさを取り戻して欲しいなぁ」と僕は思います。 ★「おいしい」という一言でどんな苦労も気にならない 埼玉県浦和市・高橋久美子さんの場合 高校生と小学生の二人のお子さんをたつ高橋さんは、ご主人の影響で自然食にこだわり、「上の子にはすべて手作りの心やつを与えていました」と言います。しかし、仕事をするようになってからは、すべて手作りでというわけにもいかず、苦労されているようです。手作りにはどんな苦労があるのでしょうか。「まず手作りはとても時間がかかります夕方から仕込んで夜の10時過ぎになる,ともあります。普通でも2時間から4時間はかかります。仕事を持っているとしても毎日は無理なので、できるだけ作れ置きしています。そうまでして作っても、子どもたちが″まずい≠ニ言うと、もう二度と作ってやらないと思って、それからしばらくは市販品を与えてしまいます。逆に″おいしい″と言われると、不思議なもので、どんなに時間がかかっても、どんなに疲れていでも全然気になりません。 手作りで問題なのは、材料にこだわりきれないところですね。食品添加物の入っていないものをさがすだけでも難しいことですし、値段も高価になってしまうので、経済的にやりくりが大変です。それから育ち盛りの子どもにとつては、どうしても質より量なので、市販品も必要になってきます。その場合でも自然食品店などの安心できるお店から買うようにはしています」 仕事を持ったことで、おやつの与え方も変わってしまい苦労しているお母さんの姿が伝わってきます。 ★子どもの立場でおやつのことを考えよう おやつは子どもたちにとってもっとも大切なものの一つです。しかし、そのおやつについて、私たち大人はこれまであまりにも軽視しすぎてきてしまったのではないでしょうか。「おやつなんて市販品を与えておけばいいんだ」と言うのは、子どもたちの健康を考えた場合、あまりにも無責任だと言わざるを得ません。でも、「大人が強制的に与え、食べさせる」と言うだけでは子どもたちも反発してしまいます。また、心を傷つけ夢を奪ってしまうことにもなります。私たちは、楽しく健康的なおやつを、子どもたち自らが選ぶ力を身につけてくれるよう、温かく見守り、一緒に考え学んでいくべきだと思います。 また、ある調査によると子どもたちは「お母さんが少しでも手を加えてくれたものの方がいい」と思っているという結果が出ています。そのような意味で手作りおやつは子どもたちにきっと喜びを与えるものです。最近は共働きの家庭が増え、手作りするのは大変です。しかし、インタビューにもあるように、工夫しだいでは手作りすることもできるのです。あなたも手作りに挑戦してみませんか。口では文句を言う子どもたちも、きっと心の中では「お母さんありがとう」と思ってくれるに違いありません。 ★「手作りおやつわたし流」 手作りがいいのはわかってるけど・・・。どうの面倒くさい。時間がない。子どもは市販のお菓子が好きだし・・・。と、理由を見つけては、重い腰を上げられなかったお母さんにもこの本はお勧め。なにしろどのレシピにも手早く作れる工夫がされていてラクラク、カンタン。たとえば、マドレーヌは泡立てなし、スイートポテトは裏ごしなし、製氷機の氷から作るシャーベットはったったの5分でできてしまう。これぞ家で食べるおやつ!市販のお菓子と手作りおやつの値段・手間・味・安全性・満足度の比較もあり、なんといっても、おやつと食事の比重や師範品との折り合い、公園で友達からもらってしまうお菓子など、著者と子どものおやつをめぐる闘いの日記は必読。 奥園壽子著 ★子どもの食を考えるA ★小さなSOSが聞こえる・・ さまざまな食品があふれ、一見豊かになったように思える日本人の食卓。しかし、子どもたちにまで成人病が現れてきた理由のひとつとして、その食事が挙げられるのです。 食生活の欧米化などによって増えてきた「高カロリーの食事」。家族でともに食事をすることが少なくなり、子どもが一人だけで食べる「弧食」。塾通いや夜遅くまでの勉強といった、忙しい生活のなかで多くなりがちな「間食」。 子どもたちをとりまくさまざまな食環境について考えるこのシリーズ。今回は、これら「高カロリー食・孤食・間食=3K食」を通して、子どもたちの体と家庭での食生活を考えていきます。 構成・文/マナメッセ子どもの食委員会 お父さんお母さんが働いているので、朝食はいつもひとり。食事はつまらなかった。おなかはすいていなかった。家族そろって食べるのは週に一度もない。 ★食欲は満たされるとしても 心と体は・・ 一人で食べるってどういうこと? それに、好み・食べる量の違う親やお年寄り世代とともに食事をするなかで、自分が何をどれだけ食べたらよいかというイメージを描きそれを実現する力(食事作りの力)をつけることもできるのです」と話すのは子どもの一人食べについて初めて問題提起したことで知られる女子栄養大学教授の足立己幸さん。 右ページの絵は小学生の女の子が「家での食事の様子を書いてください」という課題に対して描いた絵です。 広いテーブルの片隅で一人で食事をする子どもたち……これは現代の日本社会で多くの家庭に見られるようになってきた現象です。しかし、この当たり前とも思える子ども一人での食事が、足立さんの指摘しているようなさまざまな問題を含んでいるのです。 では、一人食べがどうして増えてきたのでしょうか。親の長時間労働や共働きの増加、子どもたちの塾通いといった理由だけではありません。足立さんたちの調査によると、「子どもが一人で食べているとき、多くの親は家にいる」という結果が出ています。朝食時では母親の91%、父親の51%が、また夕食時でも母親の70%は家にいるというのです。 このことから、多くの家庭では時間の使い方次第で、家族で一緒に食事をすることが可能ではないかと考えられます。親子それぞれがプライベートな時間を持つことも重要ですが、食事をも含めた団欒のなかで培われるものの大切さについても考えてみるべきなのではないでしょうか。 また、食糧事情が良くなるにつれて偏ってきてしまった、食事内容のことを考えてみる必要がありそうです。
★豊かな食生活のはざまで まず、食事の欧米化に伴って肉料理が増え、野菜や海草、魚を使った料理が少なくなってきてしまいました。それは戦後、栄養についての知識が乏しいなかで洋食を取り入れたことが、この現象を加速することになったといわれています。 また、作る手間と時間を省けることから急速に普及したレトルト、インスタント食品などの加工食品は、脂肪分や塩分が多く野菜が少ないものが多くあります。そして、最近注目されているのが子どもたちの「間食」の多さ/親は気づいていないことも多いのですが、塾に行く前の腹ごしらえや受験勉強の夜食などの間食では、ファーストフードや菓子パン、カップメンなどがよく食べられています。 こうして、大人も子どもも脂肪分や蛋白質、塩分だけの多い食事や「高カロリーの食事」に偏ることになってきたのです。これらの食事は、よくいわれるように成人病の原因にもなっているのです。 そんななかで、子どもたちの体にもさまざまな影響が現れてきています。小・中・高校生約一万人を対象に行われた成人病危険因子調査の結果、38〜42%(10人に4人)の子どもが成人病になる確率が高いことが分かりました。 さらに驚いたことには、これまで成人特有の病気と考えられてきた脂肪肝や動脈硬化などが中高生の間にも出てきているという報告もされています。これらのなかには遺伝的なものも含まれていますが、ほとんど食事や生活から生まれてきた典型的な現代病なのです。 ★ママダイスキ″料理のすすめ 育ち盛りの子どもがいる家庭では、どうしても子ども中心の食卓になりがちです。″オカアサンヤスメ″や ″ハハキトク=@は、そうした子ども中心メニューの代名詞としてよく知られています。どれも、高脂肪、高エネルギーで、噛みごたえのないものばかり。こうした料理を中心とした食生活が、子どもの健康状態をゆがめています。 今や、アメリカの子どもより、日本の子どもの方が、血中コレステロールの平均値が高くなり、成人病や成人病予備軍も増えているとか。 成人病先進国のアメリカでは、早くから子どもたちの食教育にも国を挙げて取り組んできました。 健康でなければエリートになれないといわれ、自己管理能力の現れとしての健康が重要視されてきたからでしょう。一方、現在は世界に誇れる長寿大国として知られる我が国も、21世紀には一転して短命国になるという説が話題になっています。食生活が豊かになり、グルメ志向のなかでまともに洋風化の波を受けた中年層はもちろんのこと、ファーストフードの味に慣らされた現代っ子の健康状態が将来どうなるか心配です。 人の味覚のピークは十代の初め。このころまでに慣れ親しんだ味が、一生おいしいと思い続ける味になります。 エネルギーは十分でも、ビタミンやミネラルが不足しているなど、飽食のなかでの栄養不足が叫ばれる今、子どもは育ち盛りだから手軽でボリュームたっぷりがいいというのは考えもの。健康作りの基盤となる子どもの食生活をもう一度考え直す必要がありそうです。そこで、子どもたちへの健康メニューとしてお勧めしたいのが“ママダイスキ”料理。 我が家でも、ママダイスキ″料理を、毎食2〜3品は食卓に登場させるよう努力してい ★おいしい食事で健康になる! 手作りで温かい食卓 「子どもはまだ小さいので、丸める・こねるくらいしかできません。ですから、おやつではクッキー、その他ではコロッケやいわしだんご、うどんなどを一緒に作ります。ただできあがったものを与えられるよりも、母親や友達と作る時間が持てることでずっと楽しんでいるみたいですよ」 また、田代さんは小さな畑を借りて野菜を作っています。お子さんは土いじりが大好きで、種蒔きから一緒にやっているそうです。「自分が作った野菜を食べることでより手作り料理に親しみを持ってくれるようです」と田代さん。 最近都会ではいもや落花生が木に実ると考えていたり、卵は鶏が産むということを知らなかったり、泥付き野菜を不思議がったりする子どもが増えています。しかし、田代さんのお子さんのように幼いときから野菜作りに触れることで、食物生産の過程や現場の苦労を知ることができるのではないでしょうか。そして、そのなかから食べ物を大切にする心も育ってくるのだと思いました。皆さんも家庭菜園に挑戦してみてはいかがでしょうか。 「あらかじめおおまかなメニューを考えたうえで買い物するようにしています。こうすると、例えば帰りが遅くなるような日には下ごしらえができるものや簡単にできるものにするなど、工夫できます。そして、日曜日や仕事に出ない日などの空いた時間を使ってできるだけ調理するんです。また、一日に30品目(最低でも20品目)を摂取するように心掛けています。娘は私が手作りしているところを幼いころから見ているので、食事は手作りが当たり前といった感覚を持っているようですね」と言います。 そんな高橋さんが推薦してくださった料理がカボチャスープ (この料理は今回「旬の料理」で取り上げていますので、ご覧ください)。「高価な材料を使わなくても、身近なものに手をかけることでおいしくすることができます。」と高橋さん。 仕事を持つお母さんが、手作りで栄養の偏らない料理を作るための工夫が分かりますね。 ★家庭での食事を見直すことから明るい生活へ そして、最も重要なのがバランスのよい食生活をすることです。子どもの頃の食生活は大人になってからの嗜好にも大きく影響します。塩分や脂肪分の多い食事をしていると、成人病になりやすいばかりか、自然な食事に戻すことも難しくなってしまいます。ですから、可能な限り栄養バランスのよい手作り料理を増やす努力が必要です。また、間食も本来は食事での栄養不足を補うものですから、偏った成分の食品を摂取しないよう注意したいものです。 あるお母さんの言葉です。「手作りは大変ですが、子どもの食事に気配りすることで家族皆が健康になり病気もしないので、とても嬉しいです」 ★子どもの食を考えるB ★給食 ‐誰のための学校給食?‐ ★子どもたちのためだった給食 あなたは給食で牛乳を飲みましたか?それとも脱脂粉乳?学校給食の内容も時代とともに変化してきました。 給食は戦後、欠食児童の姿を見かねた父母や小学校の先生たちが子どもたちを救おうという気持ちから始められました。その頃は食料が極端に不足していて、多くの人たちが買い出しなどをして日々の生活をしていたのです。 やがて、父母や先生たちによりスタートした給食は政府や県・市町村を動かし、各地で行政による給食が広がっていったのです。そして、1954年に作られた学校給食法によって、給食は「学校教育の制度」の一つとして位置づけられることになりました。これ以後、給食は子どもたちの心身の健全な発達を保障するものとしての意味合いを更に強め現在に至 しかし、実際は学校給食が子どもたち本位の立場から離れてしまっていることも否定できません。 30〜40代の人たちの多くが経験した「脱脂粉乳」。これはアメリカから輸入されたもので、国内産の牛乳を押しのけて給食に取り入れられるようになったのです。脱脂粉乳そのものはバターの搾りかすでアメリカでは家畜の餌として使われていました。児童の心身の発達を目標とする給食なのに、長い間このような食品が使われていたのです。 これは消費拡大を求めるアメリカの要請によるもので、脱脂粉乳から乳に切り替えられるようになってきたのは、1964年以降のことです。 また80年代に入ると学校給食法では、給食を「教育としての学校給食」と位置づけて、食糧の生産・分配・消費の正しい理解をさせることなどを目標にしているのに、「行政改革」上の合理化として、学校と給食を調理する場を離してしまう給食センターの建設の推進を行いました (この給食センターでの調理方式は、センター方式といわれ複数の学校の給食をまかなうものです)。 日本の給食の歴史を見てみると、このように国策の影響を強く受けながら運営方法・指導の在り方・食材料などが変化してきたことが分かります。そして、それはさまざまな問題を生み出しているのです。 ★なぜ給食を廃止するの? 昨年5月、埼玉児の庄和町が自治体としては初めて「町内の小・中学校での給食廃止」を提案、マスコミにもとりあげられ全国的に波紋をよびました。結局、給食廃止は見送られましたが、考えさせられるニュースでした。提案理由は「町全体が同じメニューを食べるという画一された給食だと個性が失われる。食文化を伝承するうえでは学校に頼らず家庭の手作り料理を食べた方がよい」などからです。 しかし、町の給食をすべて作るセンター方式を改め自校方式(各学校で自校分を調理)を取り入れれば学校ごとに違ったメニューを食べることができます。また、共働き家庭などでは毎日栄養バランスのとれた手作りのお弁当を作るのはかなり大変なことも事実。そして、お弁当では温かいものを食べることができない、汁ものや酢のものなどを持ってくるのが難しいなど献立が限られてしまうのです。そのような意味からも給食は必要なものではないかと考えられるのです。 開始から3年、昭和25年当時の給食風景。毎日新聞社提供 今日のおかずは何? 学校給食の実施率(校数) ★自校方式 センター方式 そしてその当時とほとんど変わらない学校給食を取り巻く状況を尻目に、学校給食を「教育としての学校給食」として、「人間の自然と社会の関係などを農薬や「食べる」ことを通して子どもたちに伝えていく」ものにできるよう、活動しています。また、季刊誌「子どもと食文化」では毎号、給食について興味あるテーマを取り上げ、「どうすれば学校給食が 〒272−01 千葉県市川市塩浜21−5「大地を守る会」気付「全国学校給食を考える会」市 ★大量調理のセンター方式 特に文部省は1985年、「学校給食事務の合理化についての通知」を出し、センター方式の導入、民間委託の推進、調理員のパート化などを積極的に進めました。 そして年々センター方式での給食は増加して、92年の文部省の調査では公立の小学校で約49%が、中学校では約68%と、ほぼ半数以上を占めるまでになりました。 しかし、これらセンターのなかには、仕入れの手間を省くため前日から仕入れた野菜を薬品を使って保存したり、ほとんどすべての作業を機械まかせにしたりする所も多く、給食のなかに異物がはいっていたりすることもあるのです。また、午前10時頃に給食を作り終えすぐに運ぶといったセンターでは、子どもたちが食べるときには料理が冷えてしまっているといったこともよくあるそうです。「教育の一環としての給食」を考えたとき、作った人の顔が見えない、作っている現場が分からない、工場で製品を生産するように作った「食べ物」を与えるだけの学校給食では、子どもたちの心に伝ゎらないものが多くあるように思えてなりません。 ★給食センターはどこまでやれる? 例えば、首都圏のあるセンターでは、野菜は当日仕入れて当日調理することで保存料の添加を避けています。また、果物は外国産を使わず国内産の低農薬のものを使うようにするなど、食材料への配慮も見られます。そして、学校への配送時間をできるだけ遅らせたり二重食缶を使うことで料理が冷めないような工夫をしています。 しかし保健所の指導で、夏場には野菜のサラダや和えものを出すことが難しい、物理的に手のこんだ料理が作れないなど、不可能なこともあります。大量調理で機械に頼ることが増えるため、目が行き届かなくなりやすいこともいなめません。このように、センター方式では解決できない問題が多くあるのです。 一日に3000食分も作る給食センターの調理法 子どもたちからの色紙はセンターの宝です 700食を手間ひまかけてつくります ★個性的な献立もできる自校方式 新宮市では2年前、給食実施を公約の一つに掲げて立候補した現市長が当選しました。今、三輪崎小学校を含めて市内の3つの小学校で給食が始まっています。同市の小学校は、各校に一人ずついる栄養士さんが個性ある献立作りをしてるうえに、PTAや行政サイドの努力によってすべて自校方式です。子どもたちが、すぐ近くで働く調理員さんの姿を見ることはとても重要。それは、心が触れ合い、食事作りの苦労や食べ物の大切さも感じることができるからです。また、どんなものを食べれば健康な大人になっていけるのかを、考えていくことができるのです。 しかし、保護者で給食実施に賛成した人たちのなかには、「お弁当を作らなくていいので楽だ」という理由もあったそうです。けれど、ただお金を出して後は給食に任せてしまうのでは、子どもの食生活にあまりにも無責任だと言わざるをえません。せっかく始めた学校給食。保護者もできるだけ協力してよりよい給食を作っていって欲しいと思います。 ★子どもたちのために給食を! 子どもたちの立場に立てたとき、理想の給食に近づくことができるのです。「一人の力で給食は変わるわけがない」とあきらめないでください。一人の力は小さくても同じ気持ちを持った人たちが集まればきっと良い方向に向かって動いていくことでしょう。 今、手作りの味が失われ「お袋の味から袋の味へ」とまでいわれるようになりました。このように変化しっつある時代のなかでこそ、給食も含めた食生活全般を見直してみてはいかがでしょうか。 みんなで食べる給食はやっぱりおいしいネ 子どもの食を考えるC
★こんなにも私たちはかまなくなった!? 弥生時代の人たちは本当によく食べ物をかんだようです。魚の干物や骨の多い鮎の塩焼きなど、メニューを見てもよくかまないと食べられないものばかり。でも、かめばかむほど味の出る食べものだと思いませんか。 その後調理の技術も進み、私たちの食生活も変わってきました。柔らかくて食べやすいものを求めるようになっていったのです。平安時代ともなると、貴族はかなり柔らかく煮たものをよく食べていたようです。鎌倉時代や江戸時代の武士たちの食事はわりと質素なものだったようですが、明治以後日本人の食生活は急速に変化していきました。西洋の料理が入ってきたことが最も大きな理由です。 それでも、戦前の一般庶民の食事を見ると漬物・ご飯・焼き魚というように、それほど大きな変化はありません。ハンバーグ・カレーライスなどの柔らかいメニューが子どもたちの大好物となったのは、ほんの30年くらい前からなのです。 わずか数十年の間に私たちが食事でかむ回数は大きく減ったというレポートが発表されています。戦前の2分の1、弥生時代の人たちに比べると6分の1にも満たないのです!。こんなにもかまなくなってよいものでしょうか。 さて、今の子どもたちは昔に比べるとあごが小さく細面な顔になったといわれています。そして、その理由が 「かまなくなったことであごが成長しないから」というのです。さらに、最近とくに増えてきた「かみ合わせのよくない子ども」や「歯並びの悪い子ども」もかまないことが原因だと考えられています。柔らかくて便利な食べ物を好みがちな私たちですが、かむことの大切さを通してもう一度食生活のあり方を考え直してみる必要がありそうです。 というわけで、次にかむことが私たちの体にどう影響しているのか、その不思議な関係を見ていくことにしましょう。 ■時代が変われば食べ物も
食事にかける時間もどんどん短くなってきている。今では、卑弥呼の時代の5分の1にまで減ってしまった。柔らかく食べやすいものが増えてきたということでもあるが、果たしてこんなに早く食べてよいのだろか。(資料/料理別咀嚼回数ガイド、風人社) ★かめばこんなに健康的! 顕も体も大喜びでパワー全開に! ・かめば胃腸も大喜び!
・なんと、だ液は健康の源!
・だ液は皮膚や髪にも影響する
・味寛の発達や、ガンの予防にも!
・肥満やぼけも防止できるぞ!
・歯並びがよくなり、虫歯も予防!
そして、歯並びが悪ければ食べ物のカスがたまりやすくなり、虫歯、歯周病などの病気が起こりやすくなります。 歯並びが悪いとかみ合わせも悪くなります。すると、ますますかまないことになっていきますから、様々な障害が、なおいっそう助長されることになるのです。 典型的なやえ歯。日本人の歯並びはとくに悪く、海外の人たちもびっくりするという。やえ歯のイメージは西欧ではよくないのに、日本では何故か愛らしさの象徴にもなっている(写真提供/可知歯科医院)
★今からでも遅くはない、誰にでもできる、かめかめ講座実践編 今回編集部が行ったアンケートで「子どもの食事のどんなところに気を配っているか」という質問に、多くの人が「栄養のバランス」「農薬や食品添加物などの化学物質に気をつける」と答えてくれました。けれど、どうやらかむことにはあまり注意が払われていないようです。 でも、よくかんで食べることが、健康とどれだけ密接につながっているかを知れば、もうおろそかにはできません。 ★かみごたえのあるメニューも工夫次第 では、どうしたらよくかめるようになるのか。習慣の問題ですから、急によくかむようにはなりません。けれど、毎日の積み重ねで徐々に効果が出てくるはず。 まず、赤ちゃんにはできるだけ母乳を飲ませるとよいといわれています。哺乳びんに比べて、母乳を飲むのにはかなりの吸引力が必要です。この力が、将来食べものをかむ力の元になるからです。 また、乳歯はぜひ大切にしてください。「いずれ永久歯にはえかわるからいいというのではいけません。乳歯には、永久歯がはえる方向を示す『案内人』としての大切な役割もあるのです」と言うのは、埼玉県川口市の歯科医・臼田篤伸先生。 今回のアンケートでも「永久歯がはえてこなかったので、手術をした」という答えがありました。子どもが3歳の頃から虫歯で乳歯をかなり抜いたそうです。そのため、歯茎が固くなってしまい永久歯が出る方向を失ってしまったのです。歯磨きをする、甘いものをたくさん与えないなど、虫歯予防に気を配りましょう。 子どもは柔らかくて食べやすいものを好むもの。だからといって子どもの好きなものばかりを与えていては、かむ力がつきません。例えばレトルト食品の多くは、飲み込めてしまうほどに柔らかくつくられています。野菜スティックやイカの煮つけ、骨ごと小魚を与えるなど、かみごたえのある食品に慣れさせましょう。 子どもたちの大好きなメニューも工夫次第。鳥の照り焼なら骨付きのもの、カレーライスは具を大きくして作れば、かむ力は次第につき、かむ習慣もでてきます。 それから家族で一緒に食事することも、食べものをよくかむことにつながります。子どもにかぎらず、人は一人で食べていると、どうしてもよくかまずに早喰いになる傾向があるようです。「よくかまないと頭が悪くなる。病気になる」なんて食事中に注意をするのではなく、家族で食卓を囲み、テレビを消して、ゆっくりと時間をかけて楽しい食事ができるように心がけてみませんか。 ★カレーライスVSさんまごはん 1015回! あなたの家ではどうですか? 同じ柔らかいメニューを作るのでも、少し工夫してみては・・・。かみごたえのあるものを食べることも必要だ。 無理にかむようにと言わなくても寛いだ雰囲気での団欒は、楽しくゆっくりと食事をさせてくれる。
★朝御飯がライフスタイルを決める!! [朝食を食べないとこんな影響が……]
一日3食だった私たち日本人の食生活は戦後大きく変わりました。中でも朝食は軽視され、大人だけでなく小・中学生にも食べない子どもが増えています。これに対して、学校の先生や栄養士は「ぜひ朝食を食べるように」と勧めます。でも食べたほうがよいと言われても、実際どんな効果があるのかについては案外知られていません。自分では「朝食を食べなくても体の調子は悪くない」と感じている人もいるようです。朝食は本当に食べなくてもよいものなのでしょうか、それともやはら食べたほうがよいのでしょうか。今回マナメッセ子どもの食委員会では、私たちの意識から薄れがちな朝食について考えてみることにしました。 ★便利さと忙しさの中で… なぜ朝御飯を食べなくなったのか? 江戸時代初期の日本人の食生活は主に一日2食だったようです。しかも、朝・昼の2食で夜は無し。日が暮れるとまもなく寝てしまったのです。しかし、江戸時代中期以後になって、簡単な夜食を食べるようになりました。その後、夜食が一日の労をねぎらうものとして重視されるようになり、一日3食が確立されました。ではいつ頃からそのスタイルに変化が現れたのでしょうか。 昭和30年代、日本は高度成長期を迎えます。食物がみちあふれ、食料を確保するのに苦労した頃に比べると夢のような時代。それなのに、その頃から朝食は軽視されるようになってしまったのです。 その原因には色々考えられますが、一つに遠距離通勤が挙げられています。東京オリンピックが行われた昭和39年頃から、都心には国鉄の乗り換え駅を中心に「立ち食いそば」がおめみえしました。今でも朝は多くのお客さんで混みあっています。また、10年くらい前から増えはじめたファーストフード店の「朝定食メニュー」も売り上げを伸ばしているようです。これらのお客さんの多くが、遠くから都心へ電車で向かうお父さんたち。朝早く家を出なければならないので、家族と食べることが難しくなってきたのです。こうしたことで朝食はどんどん軽視されていったのです。 今では仕事を持っているお母さんも増え、朝が忙しくなり、家庭で過ごす時間が短くなっています。また、核家族化もどんどん進みました。両親が忙しいときには代わりになってくれていた祖父母も、子どもたちと共に家庭で暮らすことは少なくなりました。そんな流れの中で、家族が各自ばらばらの時間に台所へ行き、それぞれの好みに応じた物を食べるといったパターンが増え、家庭の「ファミリーレストラン化」が進んでいます。そして、朝食が3食から脱落してしまう傾向にあるのが今の状態なのです。子どもだけで朝食をとる家庭が、4割近くに 達しているという調査結果も報告されています。また、両親がつい朝御飯抜きで出掛けてしまうといった家庭も増え、朝食を食べない子どもたちが目立つようになりました。これも時代の変化として、かたづけてしまってよいのでしょうか。 朝食は食べなくても畳や夜の食事で補えばよい、家族が別々に食事しても栄養バランスがよければよいといった意見もありますが、どうなのでしょうか。 ★生活のリズムを作る朝食 「朝食の働きはただ栄養をとるだけではありません」と話すのは月刊『食べもの文化』編集長の安藤節子さん。朝食には脳の働きを活発にし、生活リズムを整える大切な役割があると言うのです。私たちは「栄養さえとればよい」と思っていただけに、大変驚いてしまいました。 それでは、脳からみた朝食の役割を考えてみましょう。人間の脳は体重のわずか2%にすぎません。それなのに、エネルギーの消雪量ではなんと20%!。 この数字を見ても、体の中で脳がいかにエネルギーを使うかが分かります。参考までに、皮膚と筋肉を合わせると体重の52%になりますが、エネルギーの消費量は25%です。しかもこれは成人の場合です。年齢が下がるにしたがって脳が消費するエネルギーの割合は更に高くなります。例えば、生後数カ月の赤ちゃんの場合、脳の重さは体重の16%なのに、エネルギー消音量は約50%もあるのです。これらのことから、脳のエネルギー源を確保することがいかに重要かが分かります。 そのエネルギー源とはブトウ糖です。脳の機能を維持するためには、最低限一日に約160gのブドウ糖が必要です。ブドウ糖は、主に肝臓でグリコーゲンという物質に変えられて蓄えられています。でも肝臓には約60gしか蓄えておくことができません。ですから、昼と夜の2回の食事だけでは、当然その量は足りなくなってしまうのです。その分はほかから補うにしても、ほかの器官からでは時間がかかってしまいます。その意味でも一日3食をしっかり食べることが、最も簡単な脳の機能を維持する方法なのです。 本当は子どもたちと一緒に家でゆっくりと食事したいのに・・・… ★朝食を食べられるようにするには? 朝食を食べない人の半分近くは「食べないほうが体調がよい」と感じているようです。しかし、本当にそうなのでしょうか。安藤さんは次のように言っています。「朝、食欲がない人は夜型の生活をしているからです。夕食が遅いと、朝起きたとき、胃にまだ食べ物が残ったままになります。そうすると心地よい空腹が得られず、また起きてすぐでは食欲中枢も活動せず朝は食べなくなり、ますます生活リズムが夜型へとずれていく結果になります」。なるほど私たちの生活を見ても、夜遅くまで仕事をして食事時間が遅れると、次の日の朝は食欲がわきません。 家族ぐるみで、夜型から朝型の生活へと切り替える努力が必要なのです。特に子どもたちにそのような生活リズムを作ってあげることが重要です。なぜなら、「人間の生活リズムを作るのに大切なのは10歳くらいまでだ」と言われているからです。現代社会は朝型の生活に適しているといえます。学校や会社は朝から始まります。夜型の生活では夕方近くになってから脳が活発になるので、仕事や勉強の能率はどうしても落ちてしまうのです。「大人の都合主義に走らず、10歳くらいまでに朝型の生活リズムを作ってあげてください」と安藤さん。 朝型の生活リズムを作るためには、やはり朝食を食べることが大切になってきます。そして朝食を食べるためには食欲を刺激してあげなくてはなりません。そのために一番よい方法は体を十分に動かすことなのです。朝礼中などに倒れたりする子どもが増え、「朝食を食べないからだ」と言われていますが、それは昔に比べ子どもの体そのものが弱くなってきているからです。いくら規則正しく食べても、体を動かさないと健康にはよくありません。体を動かすことでお腹も空き食欲もでてくるはずです。「お腹を空かせる環境作り」が重要なのです。 食事をする、特に朝食を食べるうえでもう一つのキーポイントは、早く体を目覚めさせてあげることです。エアコンで適度な温度に調節された部屋で目を覚まし、温かいお湯で顔を洗うというのではなく、寒いのを我慢して起き、冷たい水で顔を洗うといったことで、心と体を刺激することが大事なのです。しかし、これまで全く朝食を食べられなかった人が急に食べられるようにはなりません。少しずつ、起きてから家を出るまでの時間を長くしていきましょう。わずかな時間しかないのに、「朝は食べないといけないから」と強制的に詰め込むのはかえって逆効果で、消化も悪くなります。3カ月くらい訓練すると、朝食を食べるような生活リズムが自然にできてきます。 強制的に食べさせるというのではなく、家族皆で協力しあい、朝食が食べられるような生活のリズム作りをしてみませんか? 安藤節子さん これから学校へ行く子どもたち。みんなちゃんと朝食を食べているんだろうか ★知って得する朝食の栄養バランスの話 一日3食のうち、一番手抜きをされているのが朝食。「朝は忙しいから…」と、和食では御飯、みそ汁、漬物、洋食だとトーストとコーヒーだけで済ませてはいませんか。それだけだとグラフのように、栄養価は実にさみしい限りです。そこで、それぞれにちょっとしたおかずを加えてみると、まるで魔法のように、グ〜ンと栄養価がアップします。和食には、めざし、野菜妙め風卵とじ。洋食はハムエッグ、トマト・キュウリ・レタスのドレッシングサラダ、それにりんご4分の1個。それだけなのにこれほど栄養価は違ってきてしまうのです。忙しい中で、ひと工夫することが、腕の見せどころです。健康な体をつくる第一歩は、そんなひと工夫かも…。 |
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