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12. クスリのリスクを考える   @ 風邪薬


クスリのリスクを考える
PART1
”風邪薬
”  

取材・文/今 和朗

杉山孝博先生
川崎幸病院副院長・地域保健部長。スモンなど薬害訴訟にも関わり、薬害にも造詣が深く、薬にだけ頼らない医療を実践。寝たきり老人の在宅医療、在宅ケアにも積極的に取り組む一方、様々な執筆活動によって、自らの医療・福祉に対する考えも発表。

「あ、風邪かな」と思ったとき、あなたはどうするでしょう。恐らくは、市販の風邪薬を飲むか、病院へ行き処方された薬を飲むかするのではないでしょうか。そして、熱が下がったり、頭痛、席、鼻水といった不快症状が消えてくれれば「ああ、よかった」と思うのが一般的だと思われます。まさに、めでたし、めでたしといったところです、果たして本当にそうなのか・・・。クスリには副作用があるというのはよく知られているところですし、人間に本来備わっている自然治癒力を弱めることにもるのです。ごくごく身近にあって、誰にもたやすく飲める薬、しかし、だからといって安易に飲んでいいのか、じっくり検証します。

★薬で熱を下げることには問題がある

 風邪を引いて熱が出たとします。さてあなたはどうするでしょうか。ほとんどの人は熱を下げたいと思い、解熱剤を飲んだりするはずです。うまく解熱剤が効いて熱が下がれば「ああ、よかった。とりあえず風邪も治った」と思うことでしょう。ごく日常的に見られる光景ですが、実は、ここに問題ありなのです。とにかく、安易に薬を使わない治療を実践している川崎幸病院副院長・杉山孝博先生のお話に、まずは耳を傾けてください。

 「風邪を引くと熱が出るというのはよく見られる症状です。しかし、どうして熱が出るのか考えたことがあるでしょうか。なぜかといえば、それは風邪を治そうとしているからです。発熱を含めたあらゆる症状が、病気を治すための大事な仕組みであることを最初に頭に入れてほしいと思います。具体的にいうと、39度や40度といった高熱が出ると、ウイルスや細菌の繁殖を抑えることができます。また、高熱状態のほうが、ウイルスや細菌を取り込んで殺す働きを持った酵素を活性化させます。つまり、人間の身体は熱を出すことで病気と闘っているのです」

 にも関わらず、熱を下げたいと解熱剤を飲んだらどうなるのか・・・。「解執対で熱を下げるということは、熱を出すことによって病気を治す仕組みを壊すことになります。解熱剤というのは、例えば脳の体温調節中枢などに働いて発熱を抑えるといった作用を持っている薬ですが、言い換えればウイルスや細菌を殺すわけではないのです。従って、解熱剤で熱を下げることによって、逆にウイルスや細菌が繁殖しやすくもなるのです(杉山先生)

 ですからその熱によって、さらにひどい状態になることが考えられない場合、むやみに解熱剤を飲むことはひかえたいものです。

 熱を出すことで病気を治そうとする、私たち人間の身体というのはとても賢くよくできているものなのです。このように、人間の身体は自ら病気を治す力を持っています。この力のことを自然治癒力と呼んでいるのですが、解熱剤の例でも見た通り、薬を飲むことで、大切な自然治癒力を低下させる恐れが十分にあるのです。「解熱剤に代表されるように、ほとんどの薬は、症状を抑えるだけの対症療法としての薬です。つまり、病気を根本的に治すものではないのです。しかも自然治癒力を低下させる恐れもあるのですから、病気になったら薬を飲めばいいという考え方は必ずしも正しくはないということがお分かりと思います」(杉山先生)

 熱が出るという以外の症状についても考えてみましょう。風邪のときには咳や頭痛などの痛みの症状が見られますし、下痢や吐き気なども日常的によくある症状です。まず、咳の場合、煩わしいだけで身体のためにはなっていないように思われるかも知れませんが、そんなことはないのです。「気管や気管支に痰などの異物が滑るのを防いで、外に出すのが咳の役割です。咳止めの薬を飲んで、止めればいいというものではないのです。昏睡状態のときに、咳の反射が低下すると肺炎になりやすいことも知られています。私の場合発熱時と同じく、咳が出る患者さんに対しても夜眠れる程度の咳であって、その咳によってさらにひどい症状が出ることが考えられなければ、咳止めは使わないことにしています」(杉山先生)

 痛みの症状というのも嫌なものです。子どもではなくとも「痛いの、痛いの、飛んで行け」という気分になるのも不思議はありません。そこで、つい鎮痛剤をということにもなるのですが……。痛みの症状も、人間にとつては非常に大切なものです。脳の視床という部分に痛みの感覚を作るところがあるのですが、ごくまれに、その機能が失われた子どもが生まれることがあります。そういう子どもは、20歳まで生きられないといわれています。どうしてかというと、痛みを感じないために、骨折をしたり、あるいはナイフなどで自分の身体を傷つけたりしても気がつかない。自然に生命を縮めてしまうことになるわけです。例えば、虫垂炎にしても胃潰瘍にしても、痛みがあるから病気に気がつくのです。痛みは病気を知らせる貴重な警報で、鎮痛剤で痛みを抑えてしまうことには問題があります。
痛みを抑えることで、病気を見つけることができず、病状を悪化させる恐れがあるからです」(杉山先生)

★薬を飲むと確かに症状は和らぐものの病気が治ったわけではない
薬には効果のみならず副作用もある

 下痢や吐き気も、思い出してみただけでも、実に不快な症状です。しかし、これらの症状にもやはり意味があります。

 「大便は、小腸でドロドロの状態になったものが、大腸で水分を吸収されることによって形となり排泄されることになります。この大腸でのプロセスがなく、小腸から肛門まで一気に進むのが下痢で、細菌や異物など体内に留めておくのが望ましくないものを排泄するという意味を持っています。また、吐き気、さらには実際に嘔吐することも、同様に胃の中に入った細菌や毒素などを体外に出すという意味があるのです。このように、下痢や嘔吐には、身体を守るという働きがあります。下痢止めや吐き気止めを安易に使ってはいけないという理由はここにありますし、これらの薬を飲むと、それが刺激になって、再び下痢や嘔吐を発生させることも少なくありません。薬に頼らないということを、改めて考えてみるべきです」(杉山先生)

 私たちは、知らず知らずのうちに、薬に頼る生活に慣らされてしまっているのではないでしょうか。街を歩けば、そこかしこに薬局があります。病院へ行けば、中身はよく分からないままたくさんの種類の薬を飲むようにといわれます。病気を治すためには薬は必要不可欠と思い込むようになっても不思議はありません。しかし、ここで、薬とはどういうものなのかということをもう一度考えてみる必要があります。少なくとも、薬によって自分の健康を損ないたくないのであれば。「薬とは毒である、ということをまず知っておく必要があります。薬で病気を治すというのは、いわば毒をもって毒を制するというやり方です。多くの薬は、人工的に合成されたものですし、漢方薬に用いられる生薬にしても、治療として使われるほど高濃度に体内に取り入れられたことは、かつてありません。もちろんそうした薬を的確に使って病気を治すことが、一般的に治療といわれるものなのですが、仮に期待した効果(主作用)が得られたとしても、逆に、副作用の恐れがあります。本来、人間の身体にとっては異物である薬なのですから、副作用があるのはむしろ当然です」(杉山先生)

 これまでの薬の副作用による大トラブルには、例えば睡眠薬として開発され、日本では胃腸薬としても用いられたサリドマイドによるアザラシ状奇形児の誕生、消毒剤として開発され、整腸剤として多く用いられたキノホルムによるスモン病(手足がマヒし歩行困難に陥ったり、全盲になるケースも) の発生などがあります。サリドマイドにしてもキノホルムにしても、使用されていたときには、安全だと信じられていた薬です。いい換えれば、今あなたが安全だと信じて飲んでいる薬にしても、これから大変な副作用が発生しないという保証は一切ないのです。

★現在副作用がないといって安心できない

飲んだ薬はどうなるのかといえば、主として小腸で吸収されて静脈血にはいり、それが合流した門脈を通って肝臓に行って代謝されます。代謝とは解毒といい換えてもいいのですが、薬のすべてが解毒されるわけではありません。解毒されずに残ったものが血液循環に従って体内を巡り、そのうちに目的とされる場所で薬としての効果を発揮することになります。そこでもまだ残ったものについては主として腎臓を通過して尿として排泄されるか、あるいは唾液、呼気、汗、毛髪などを通して排泄されます。

 このサイクルが順調だったとしても、副作用の心配は当然残ります。また、薬を飲むことによって、肝臓や腎臓を酷使するという問題もあります。さらに、肝臓による代謝、腎臓による排泄が完全に行われなければどうなるのかということも考える必要があります。ごく分かりやすくいえば、毒でもある薬が体内に蓄積される心配があるのです。薬ではありませんが、PCBという公害物質のことは記憶に残っている人も少なくないはずです。PCBは、人体では代謝、排泄されないために体内に蓄積され、母親が胎児に蓄積して体外に出すというメカニズムが働いたことから、皮膚が美果な子どもが生まれるカネミ油症事件も起こりました。薬も、代謝、排泄がスムーズに行かなければ、将来どんなトラブルが待ち受けているのか分からないのです。

「最近は、特にお年寄りの薬の副作用が大きな問題となっています。それはどうしてなのかというと、お年寄りは肝臓や腎臓の機能が低下してしまうために、薬の代謝や排泄がスムーズに行かない。どうしても副作用が出やすくなってしまうのです。それだけではありません。お年寄りでは、いくつもの病気や症状を持っていますから、どうしても処方される薬も多くなります。ますます、代謝や排泄が難しくなるわけで、しかも薬が複合することによってもたらされる新たな副作用も心配されるところです」(杉山先生)

 なかには、病院でもらう薬には副作用があっても、薬局で売っている薬なら大丈夫と思っている人もいるかも知れません。しかし、それは全くの間違いです。市販薬も病院の薬と、成分的にはなんらかわるものではありません。「例えば、広く使われているバファリンなども、鼻血が止まらなくなったり、ぜんそくがひどくなったり、あるいはショックで呼吸が止まるといった副作用があるのです」(杉山先生)さらには「毎日飲んでいるけど、たいして効かないから副作用も心配ない」などと真顔で言う人もいますが、効かないのに飲んでいるのがまず異常。しかも、毎日飲み続けていることの副作用がいつ出現するかも心配です。「少なくとも、対症療法の薬は飲まない、薬の内容を知らずに漫然と飲むことはしない、これだけは守ってほしいものです」(杉山先生)

★薬なしでも風邪を治すことはできる

 薬は身体にとっては毒であり、しかも副作用が心配される、できるだけ飲まないほうが
いい、というのは十分理解できたことと思います。しかし、一方でこんな声も聞こえて来そうです。「風邪が出て熱が出たとして、薬なしではどうしたらいいの……」。そんな疑問に対しては、薬を使わずに病気を治す西式健康法(西医学)を極めた渡辺医院院長、渡辺正先生に答えて頂きます。「風邪を引いて熱が出るというのは、身体が自然に風邪を治そぅとしているのだ、それだけの力が身体にあるのだ、ということで、まずは喜ぶべきです。西式健康法では、風邪を治すためのとっておきの治療法があります。風邪の引き始めであれば足首交互浴法、風邪で発熱しているときには脚湯法が効果を発揮します」

 足首交互浴法は、大きめの洗面器を2つ用意、ひとつには42〜43度のお湯、もうひとつには15〜16度の水を入れて、くるぶしから下の部分を、まずお湯に浸けて1分間、次は水に1分間、これを各5回繰り返します。「必ずお湯から始めて水で終わること。また、お湯は1回毎に差し湯をして42〜43度を保ってください。合計10分ですみますから、後はタオルでよく拭いて、温かい靴下をはきます。たいていの風邪の引き始めなら、足首交互浴法を1回やり、足の血行を良くすることで治ってしまうはずです」(渡辺先生)

 次に脚湯法ですが、今度はバケツを用意して、両脚のふくらはぎから下の部分を浸けます。最初は40度のお湯に5分間次に41度で5分間、さらに42度で5分間43度で5分間と、合計20分間行います。それから、タオルでよく拭いて、15〜16度の水なら2分、17〜18度の水なら3分浸けて、脚湯法の仕上げとなります。「脚揚法を行うときは、身体は寝たままで、毛布や布団を着て温かくしておきます。それから、熱が出たからいきなりやるというのではなく、安静にして4〜10時間ぐらい眠ったりした後で、午後3時を過ぎてから始めることです。これは、体内に老廃物や毒素を溜め込んで一気に出すためです。この脚湯法は、風邪の発熱だけに限らず、どんな原因の発熱にも効果があります。」(渡辺先生)
一定の年齢以上の人であれば、熱が出たら、布団の中で温かくして寝ていて、汗を出して熱を下げる、といった治療法を実践した経験をお持ちかも知れません。

「昔から、熱が出たときには発汗療法が行われてきました。これは、老廃物や毒素を体外に出す効果を持っているのですが西式健康法では、同時に体外に出てしまった有益な要素を、補わなければいけないというのが基本的な考え方です。汗をかくと、体内から水分、ビタミンC、塩分の3つの要素が失われます。これを補給しなければいけないわけで、水分補給は生水を飲めばいい。一般には水道水でもいいのですが、最近の水道水はとかく問題もあるようですから、浄水器を使ったほうが安心といえます。ビタミンCはオレンジやレモンからも摂取できます。ただ、もっと手軽で、ビタミンCを豊富に含んでいて、同時に水分補給もできるということでは、私は柿茶をお薦めします。気をつけたいのは、人工的なビタミンCでは、かえって身体に害を与えるということ。人工的なビタミンCを過剰摂取すると、余ったものが体内で蓚酸となる。これが体内でカルシウムと結合して、腎臓結石や動脈硬化、リウマチ、白内障、緑内障の原因にもなるのです。それから塩分補給ですが、リンゴに塩をつけて食べるとかリンゴジュースに塩を入れて飲むという形で摂取してほしいと思います。リンゴにこだわっているのは、リンゴにはカリウムがたっぷり含まれているからで、塩のナトリウムの害を防いでくれるのです」(渡辺先生)

★クスリのゆくえ

飲んだ薬は、胃で分解、小腸の粘膜から吸収されてその下の毛細血管にはいり、門脈を通り肝臓へ。肝臓で代謝(解毒)された後、血液循環に乗って全身を巡り、それぞれの部位で効果(主作用、たたし副作用も)を発揮、腎臓を通り尿中に排泄せされる。糞便や呼気、
唾液、汗による排泄もあるが、一部は排泄されず体内に蓄積される

現代病は西医学で治る渡辺 正・著 現代書林 1200円
「まえがき」にこうある。「くすりは反面毒物です。くすりによってのみ病気を治そうとする現代医学の治療体系には、くすりの副作用による病気=医薬原病は必ずつきまとってきます」そこで「発想の転換が必要」というのが渡辺先生の基本的な考え方。具体的には自然治癒力を高め、病気を根本から治すことを目指すのだが」それが西医学健康法。本書には西医学腱康法のすべてが詰まっている。

 渡辺正先生 渡辺医院院長・西医学研究所長・西医学司教会会長。
昭和20年北海道大学医学部卒で、西洋医学からスタートしたものの西洋医学の限界に気がつき、西医学健康法取り入れた治療を一貫して続けている。ガンなど難病の予防と治療に効果を上げている。(写真)

★薬を使わずに自然治癒力を高めることが即ち健康の基本となる

★西式健康法は症状即療法が基本の考え方

 薬なしで風邪を治す、この方法について、さらにお話を伺うことにしましょう。
「咳や疾が出て苦しいというときには、カラシ泥湿布が効果を発揮します。和カラシ100gを55度のお湯で練って、日本手拭いなどに塗って、喉や胸に貼り付ける。時間的には20分以内で、発赤したら効果があったということです。和カラシの刺激成分が肺、心臓、食道、気管の循環をよくして、咳を鎮め、境の切れも促します。肺の循環がよくなれば、ウイルスや細菌の繁殖も防ぐことができる。薬に頼る必要はないのです」(渡辺先生)

 下痢や嘔吐についても、当然、薬などなくとも大丈夫ということになります。「下痢も嘔吐も、余計なものはどんどん外へ出してしまえばいい。しかし、それだけでは不十分なんで、下痢では水分が、嘔吐では食塩が失われて行きますから、それを補給してやればいいのです。下痢は、水さえ飲んでいれば治るわけでこれは間違いのないところです。下痢という症状を止めても、それは治療にはならない、それが西式健康法の基本的な考え方です」(渡辺先生)

 西式健康法の症状に対する捉え方は、「症状即療法」というものです。それに対して西洋医学の考え方は「症状即病気」です。この違いは、天と地ほどにも大きいということができます。「症状即病気という考え方では、症状は病気なのだから、それをなくさなければいけない。症状を無理やり抑え込むために薬を使うことにもなるのです。しかし、こうした考え方は間違っています。症状は決して病気ではなく、病気と闘っている生体の自然な反応、即ち治療なのです。従って西式健康法では、症状は抑え込むのではなく促進させる。いい換えれば自然治癒力に期待しようということです。ただし、人間は文化的生活を営んでいることで、野生動物に比べると、明らかに自然治癒力が低下しています。だから、自然治癒力を補助するための手段が必要なわけで、例えば風邪でいえば足首交互浴法や脚湯法、カラシ泥湿布が、また下痢でいえば水を飲むことがこれに当たります。(渡辺先生)

★生体一者の考え方で病気を見直す

 総合病院へ行ったことのある人ならよくお分かりの通り、実に多くの科に分かれています。例えば、神経科の医者は、患者が胃腸病であったとしても、それに気がつかないなどというのは決して珍しいことではありません。「それは、西洋医学が、生体は個別の臓器と器官からなる集合体だ、という『多者』の立場に立っているからです。いい換えれば、どんどん専門化が進んで全体が見えなくなっているのです。しかし、改めて考えてほしいのですが、人間は決して、脳、心臓、肺、胃腸、肝臓、腎臓、手、足、骨、血液など個別の臓器の集合体ではありません。全体がまずあって、個々の臓器、細胞の一つひとつが常に全体と有機的な関わりを持っているわけです。西式健康法では、あくまでも、人間を全体として見ます。それも、単に全体的に捉えるとか、一単位として見るということではなく、さらに突っ込んで、身体全体を有機的に統一された『一着』と見なす立場を取っています。これが『生体一着』の考え方です」(渡辺先生)

 生体一着の「一着」とは、全体としてバランスがうまく取れていて、平衡が保たれている状態のことを指します。ホメオスターシス(恒常性維持機能)という 考え方と、ほぼ同じだということもできます。「人間の身体の中では、酸素と二酸化炭素、水分、塩分、体温、体液の酸性・アルカリ性、血圧などが自律神経とホルモンの働きによって、常に一定の範囲内で平衡を保つようになっています。それぞれの恒常性が保たれているのが、即ち『一着』という状態で、この状態であれば、健康なのです。一着の状態が崩れても、ホメオスターシスが正しく働いていれば、一着の状態に戻ることができます。つまり、ちょっとした病気はすぐ克服できるのです」(渡辺先生)

 ホメオスターシスが正しく働いている状態とは、イコール自然治癒力が高まっている状態です。こうした状態にあればあえて薬など飲む必要はないし、逆にいうと、薬を飲めばせっかくの自然治癒力の妨げにもなってしまいます。薬いらずで健康な毎日を過ごすためには、自然治癒力が高まっている状態を保ちたいのですが、そのためにぜひ頭に入れておきたいのが、西式健康法の「健康の4大原則」です。「4大原則とは、皮噂栄養、四肢、精神です。皮膚は排泄、吸収、体温調節、呼吸機能を持つもので、皮膚呼吸が十分でないことがガンの原因にもなっていますから、なるべく外気にさらすことが必要です。栄養では過食を避け、新鮮な生野菜をたっぷり取るべきです。四肢のうち、特に足は重要で、足の管理を怠ってはいけません。以下3要素を統括するのが精神で、精神状態の良し要しが全身の健康に影響を及ぼすのは当然です。以上の4要素の調和が、薬いらずの生活の基本ともなります」(渡辺先生)

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