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  有害な化学物質は
 
体に蓄積する

   ・警告 最強の有毒物質
    ダイオキシンが遺伝子に
    作用している

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   ・私たちに何ができるのか?
    [→読む]

   ・ガンのリスクを高める
    有害な化学物質

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   ・私たちに何ができるのか?
    [→読む]

   ・警告 化学物質過敏症が
    増えている
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   ・警告 化学物質は
    女性の体にどんな影響を
    与えるか
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   ・暮らしの中に溢れる
    有害な化学物質
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   ・有害な化学物質の影響 
    体が警告する室内汚染
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有害な化学物質は体に蓄積する

九州大学医療短期大学部助教授 長山淳哉先生
九州大学大学院在学中にカネミ油症 中毒事件の原因物質、ダイベンゾフランを発見。
以来20年以上にわたって ダイオキシンの研究に取り組む。著書に『しのびよるダイオキシン汚染』
(講談社刊・P125で紹介)がある。

私たちの暮らしの中に5万種類以上もあるといわれる化学物質には、
便利・無害な面と、禁止・制限されているものがあります。
<微量>という言葉に騙され、少しずつ体内に蓄積される化学物質が、
生まれてくる子どもにまで影響を与えるとしたら――。

外遊びの足りない子どもの体から、胸骨、皮膚炎、自律神経などの異常が
見つかっています。一見元気だからと気にしないお母さん方が多いのですか、
あなたのお子さんは大丈夫ですか?

覆して、生命の誕生、生命のあり方を問いかけてくる胎児の世界・・・

私たちは今、人類の歴史上かつてないほどの化学物質の洪水のなかで暮らしています。食品、住宅・オフィスの建材や塗料、防虫剤・殺虫剤、薬、洗剤など暮らしの中にある化学物質は5万種類以上もあるといわれ、もはや化学物質なしでは、私たちの暮らしは成り立たないのが現実です。ところが便利で無害のように思える化学物質の中には、私たちの体に深刻な打撃を与えるのではないかと心配されるものがあります。もちろん気分が悪くなったり、かぶれたりといった急性毒性のある化学物質は、使用が禁止されたり、制限されたりしています。でも毒性がないとか、微量だから人体に影響はないといわれる化学物質の中には、体内に少しずつ蓄積し、私たちの体ばかりか生まれてくる子どもの体にまで影響を与えるものがあるというのです……。

警告 最強の有毒物質ダイオキシンが遺伝子に作用している

★毒性は農薬の100万倍!

 発ガン性、催奇形性のある有毒な化学物質として、あまりにも有名なダイオキシン。一度や二度は名前を聞いたり読んだりしたことがあるものの、実際どのように私たちの暮らしや体に係わっているのかを知っている人は、意外と少ないようです。

 ダイオキシンは、ベトナム戦争のときに米軍が使った枯れ葉剤に混入されており、戦後枯れ葉剤が散布された地域で奇形や流産が多発したことから、その毒性が世界的に注目されるようになりました。有機塩素系化学物質の一種なのですが、とびぬけて毒性が強いため別格に扱われています。また有機塩素系化学物質には、ほかにも毒性の強いものとして、
1968年のカネミ油症中毒事件の原因物質となったダイベンゾフラン、コプラナ−PCBがあります。今述べた有機塩素系化学物質の中でも特に毒性の強い、ダイオキシン、ダイベンゾフラン、コプラナ−PCBを総称してダイオキシン類と呼んでいます。

 その毒性は、農薬のなかでも比較的毒性が高いダイアジノン、フェニトロチオン、リンデン、パラコートやパラチオンなどの100万倍にもなります。これほど強力な毒性があるのは、ダイオキシン類が生物に作用するメカニズムが、農薬などほかの化学物質とは違っているからです。

 有害な化学物質のほとんどは、体内に取り込まれた物質か、その物質の代謝物が直接細胞の中の酵素や遺伝子、染色体に作用します。ですから、かなりたくさんの量が体内に蓄積されないと影響が出にくいのです。

 ところがダイオキシン類は細胞の中に侵入すると、ダイオキシン・リセプターと呼ばれる物質と結合し、次に遺伝子の特別な場所と結合してしまいます。そのため染色体のあちこちで遺伝子が動き、体内の化学物質を代謝する働きが弱くなったり、酵素の働きが強くなったりして、細胞の分化や増殖に関係する成長因子、ホルモンのバランスなどが微妙に変化してしまいます。このほんのわずかの変化が少しずつ蓄積されて、奇形やガンなどが発生します。体の免疫力や抵抗力の低下、精神的な発達や性的な発育を妨げるといった影響も現れます。

 ほかの化学物質のように直接細胞や遺伝子に作用するのではなく、リセプターと結合して作用することで、ごく微量でも体に深刻な打撃を与えることが可能なのです。

★発生源はゴミの焼却炉

 ダイオキシン類の汚染は、ベトナムの枯れ葉剤が散布された地域だけではなく、工業化が進んだ国を中心にして世界的に起こっています。もちろんわが国も例外ではなく、実はダイオキシン類は私たちの体にも、少しずつ蓄積されています。

 ダイオキシン類はもともと自然界に存在していた物質ではなく、何かの目的で化学的に作られた物質でもありません。工業化が進むにつれて発生するようになった、科学の副産物ともいえる物質です。そして一般には物質が高温に加熱されたり、燃焼したりするときに発生すると考えられています。ゴミを燃やしたり、廃油や医療系廃棄物の焼却処理のほかタバコの煙など暮らしの中でも発生源になります。しかし、なんといっても発生量が多いのが、ゴミ処理場のゴミの焼却時。日本国内のダイオキシン類の発生源と発生量を調べてみると、80%以上がゴミの焼却によって発生しています。

警告 食物連顕の最終点にいる人間がもっとも被害を受ける

 ゴミ焼却などで発生したダイオキシン類は煙に混じって大気を汚染します。そして大気のダイオキシン類は、雨に混ざって土にしみ込み、川に混ざって海へ流れ、そこにいる生物を汚染します。ダイオキシン類に汚染された土で育つ穀類や野菜を、それを飼料として与えられた牛や豚を次々に汚染していきます。もちろん海の生物も同様に汚染されます。そして最終的には、穀類や野菜、肉、魚を食べる私たちの体に蓄積するのです。体内に取り込まれるダイオキシン類のほとんどは、食品に含まれていたものです。大気や水からの摂取は、わずか数パーセントにすぎません。

 ダイオキシン類による海洋汚染が進み、海の生物たちの奇形や免疫不全などがたびたび問題にされてきました。しかしそれは海の生物だけの問題ではなく、私たち人間に深く係わっていることを認識しなければなりません。環境を汚染することで、食物連鎖の最終点にいる私たち自身が、深刻な打撃を受けてしまうのです。

★年齢とともに増えるダイオキシン類の蓄積量

 食品などから体内に取り込まれたダイオキシン類は、すべてそのまま体に蓄積するわけではありません。その一部は排せつや皮膚の新陳代謝などで体外に排出されます。排出されなかった微量なダイオキシン類は脂肪組織などに蓄積されます。そしていったん蓄積されたダイオキシン類は、なかなか体外に排出することができません。そのために年齢が上がるにつれて、ダイオキシン類の体内蓄積量は増えていくのです。

 福岡県保健環境研究所が男女36人の脂肪組織を採って調査したダイオキシン類による人体汚染のレベルから計算したところ、20歳で37.9pg、40歳で48.2pg、60歳で61.4pgと、年齢が上がるにつれて次第にダイオキシン類の蓄積量が増えていくことが分かりました。

 またいくつかの国の人々の汚染レベルを調べると、枯れ葉剤が散布された南ベトナムは例外として、工業化が進んだ国ほどダイオキシン類の蓄積量が多いのです。

 日本国内で比べた場合、はっきりした理由はまだ分からないのですが、自然の豊かな環境で暮らす人より都市で暮らす人のほうがダイオキシン類の汚染レベルが高くなっています。このことからダイオキシン類の蓄積量は、食生活や環境などと深く関係しているのではないかと考えられるのです。

★30年後には南ベトナムと同じ量のダイオキシン類が蓄積される

それではわが国でのダイオキシン類の汚染レベルは、どの程度と考えればいいでしょう。最も大きな発生源はゴミの焼却炉だということは、前に述べました。現在わが国では、l日におよそ10万tのゴミが焼却処理されています。ここから発生するダイオキシン類が、1年間で約5kg。さらに廃棄有機塩素剤、廃油などほかの原因で年間1kg程度のダイオキシン類が発生していますから、毎年6kgものダイオキシンが環境中に増えているといえます。こう聞くと「それほど多くない」という印象を持つ人がいるかも知れません。ところが、米軍が南ベトナムに散布した枯れ葉剤には、約170kgの2、3、7、8ダイオキシン(ダイオキシンの中で最も毒性が強いもの・コラム「ダイオキシンの基礎知識」参照)が含まれていたと言われているのです。つまり今のままの状態を続けると、あと30年もすれば南ベトナムに散布された量をしのぐダイオキシン類がわが国を汚染することになってしまいます。枯れ葉剤が散布された後の南ベトナムでは、それ以前に比べて流産の発生率は2.2〜2.7倍に、奇形児の発生率は約13倍にと急増しました。このままでは、私たちにも南ベトナム同様の深刻な事態が起こりうるのではないでしょうか。

★母乳を通して子どもに受けつがれるダイオキシン

 さらに言えば、今すでに私たちの体にはダイオキシン類が蓄積されているのですから、体への影響は30年後ではなく、もつと早く表れることも十分考えられるのです。

 なかには右表の南ベトナムの調査の信頼度を疑問視する学者もいますが、動物実験の結果なども合わせて総合的に判断すれば、ダイオキシン類は、先天異常を起こす化学物質であると言っていいのではないかと思います。ただし南ベトナムのベトちゃんドクちゃんのような奇形をダイオキシン類が原因で発生したと決めっけることはできませんし、疑問視する学者が多いことは知っておくべきでしょう。

一番の問題点は、ダイオキシン類による汚染でもっとも影響を受けるのが、大人よりも赤ちゃんだということです。というのも、お母さんの体に蓄積されたダイオキシン類は、母乳に混じって赤ちゃんの体内へと入ってしまうからです。

 女性のダイオキシン類の蓄積量を調べてみると、出産して母乳を与え始めてから半年後には、蓄積量が半分くらいに減ってしまいます。つまりそれだけ母乳を通して排出されたということになるのです。一方赤ちゃんは、母乳に含まれているダイオキシン類の実に95パーセントを消化管から吸収してしまいます。赤ちゃんが母乳から摂取するダイオキシン類の量を2、3、7、8−ダイオキシンに換算すると、平均一日、体重1短当たり180pgになり、成人の1日の平均摂取量5pg(体重1毎当たり)の36倍にもなるのです。お母さんの体に長年少しずつ蓄積していたダイオキシン類が、わずかの期間にお母さんよりもずっと体の小さな赤ちゃんに入ってしまいます。

 現在小児ガンやアトピー性皮膚炎にかかる子どもが増えていますが、生後1年間の免疫系ができあがる大切な時期に体内にダイオキシン類が入るため、それが免疫系になんらかの影響を及ぼしているのではないかとも考えられます。しかも母乳はダイオキシン類だけではなく、農薬やPCBといった他の化学物質にも汚染されています。つまりさまざまな化学物質によって複合的に汚染されているのです。実際に症状が出ていなくても、遺伝子や染色体などに影響がないと言いきることはできません。このように書くと、必ず「母乳ではなく人工ミルクを赤ちゃんに飲ませるほうが安全なのか」と考える人がいます。しかし母乳は赤ちゃんにとってとても大切なもので、ダイオキシン類の汚染が心配だからと、飲ませるのをやめることはできません。「母乳か人工ミルクか、どちらが安心か」を考えることより、まず母乳が汚染されない環境を作ることが大切なのです。

★ダイオキシンの基礎知識

 ダイオキシンは、正式名称「ポリ塩化ダイべンゾダイオキシン」。下図のように二個の亀甲が二個の酸素によって結びつけられた骨格構造を持っており、骨格の1〜9の位置にある炭素に、どのように塩素が結合するかによって、75種類もの同族体があり、その毒性はさまざまです。一般にダイオキシンと呼ばれる最も毒性が強いものが、2、3、7、8−ダイオキシン。これを基準として、ほかの同族体や同じ有機塩素系の化学物質ダイベンゾフラン、コプラナ−PCB及びその同族体の毒性を評価しています。

 またダイオキシン類はごく微量で強い毒性を持つため、その量を表すときには、ng(ナノ・グラム=10億分の1g)、pg(ピコ・グラム=1兆分の1g)といった単位が使われることが多くなります。

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私たちに何ができるのか?

★今 まず汚染レベルを下げることが必要

◎いったん蓄積されると排出するのは難しい

 ダイオキシン類によって環境が汚染され、それが食物の汚染につながり、最終的には私たち人間が汚染されるということが分かってきたせいでしょうか、最近世界的にダイオキシン汚染についての関心が高くなってきています。

 ダイオキシン類は、一度体の脂肪組織などに蓄積されてしまうと、体外に排出するのは非常に困難です。たとえば有酸素運動を積極的にして脂肪を減らしたとしても、脂肪と一緒に体内で分解され、再び血液中に入り込んで体じゅうをかけめぐるだけで、体外には出ていかないのです。今の段階では残念ながら、蓄積されたダイオキシン類を体外に出す有効な手段はありません。ですから、これ以上ダイオキシン類が体内に取り込まれるのを防ぐ方法を考えていかなければならないのです。

 現在私たちは1日に約850pgのダイオキシン類をとっています。これを体重1kgに換算すると、1日に体重1kg当たり約14pgを摂取していることになるのです(体重を60kgとした場合)。欧米諸国で定めているダイオキシン類の1日摂取許容量は、成人の体重1kg当たり1日、1〜10pg。欧米諸国の基準に照らし合わせると、日本人は1.4〜14倍もの量のダイオキシン類を摂取していることになるのです。日本ではまだ1日の摂取許容量も決められておらず、汚染への取り組みが遅れていると言わざるを得ない状況です。そこで少なくとも今の日本人の摂取量を減らすために、いったいどんなことができるのかを考えてみたいと思います。環境が汚染されたことによって、人間が汚染されました。ですから人間の汚染を低減するためには、まず環境の汚染を低減することが必要です。そのためにできることは、次の3つです。

@(個人的な左ルでの取り組み)ゴミの量を減らす

 現在ダイオキシン類は、その80%以上がゴミの焼却時に発生しています。そのゴミはほかでもない私たち自身が作りだしているものなのです。現在、私たちは1人が1日に約1kgのゴミを出しているといわれています。一人ひとりが、無駄なゴミをなるべく出さないような努力をすることが大切です。

A(国のレベルでの取り組み)ゴミの焼却システムの改善

 ダイオキシン類が発生しないようなゴミの焼却システムを開発しなければなりません。わが国には、2000カ所ものゴミ焼却施設があります。焼却システムを独自に開発するにしても、ほかの国が開発したシステムを導入するにしても、莫大な費用とかなりの時間を必要とします。個人のレベルでは、とても解決できないことですから、国のレベルでの取り組みが必要になります。

B(国のレベルでの取り組み)1日の摂取許容量を決める

 食品添加物や農薬などは、1日摂取許容量が決められていますが、ダイオキシン類は一般の人の1日摂取許容量が決められていません。摂取許容量などの基準値を決めるのが、環境汚染への取り組みの第一歩。 私たちの暮らしはとても便利で快適になっている半面、結果環境汚染の原因を作ることがあります。国のレベルでの取り組みには時間がかかるとしても、個人でできることからすぐに取り組みたいものです。

★将来 環境汚染を 知る 教える

◎環境問題は他人事ではない

 わが国でダイオキシン類の1日摂取許容量すら決められていないのに対し、欧米の国々では積極的な取り組みが行われています。ドイツでは10年前から汚染レベルを下げるための取り組みが行われており、今やオランダとともに、1年間の排出量はわが国の10分の1から5分の1というレベルにまでこぎつけているのです。しかも西暦2000年までには、さらに10分の1にまで排出量を下げるべく努力が続けられています。隣の国と地続きのヨーロッパの国々が環境問題にとても敏感なのに比べて、四方を海に囲まれた日本は、どうしても危機感が希薄になるきらいがあるようです。

 しかしこれまで述べてきたように環境汚染は他人事ではなく、私たちの体に密接に関係しています。今何が問題なのか、個人のレベルでしなければならないこと、国のレベルでしなければならないことは何かなどに、常に関心を持ち、知っておくことが大切だと思います。もちろん、環境汚染への取り組みは、個人の力ではどうしようもないことがたくさんありますし、莫大な時間もお金もかかります。すぐには解決できないことだからこそ、すぐに着手しなければいけないのです。

◎子どもたちに伝えること

 これまで日本の化学技術は、生活を便利にすること、経済力を高めることに重きをおいてきました。しかしこれからは、環境を汚染しないことを考えた技術の開発が必要です。ある意味では、日本人の価値観を変えていかなければならないのかもしれません。そのためには、将来をになう子どもたちに環境を守ることが、結局は人間を守ることになるのだと、教えていかなければならないでしょう。学校での教育はもちろん大切ですが、家庭でもお母さんやお父さんが子どもに伝えていくことが、とても大切なことだと思います。

★有害な化学物質はダイオキシン頬だけではない

 今回はダイオキシン類の汚染について述べましたが、実は毒性を持つ化学物質はダイオキシンだけではありません。現在私たちの身のまわりには、5万種類もの化学物質があるといわれています。そして毎年、数百種類の新しい化学物質が生み出されているのです。その中で発ガン性など、人間の体に与える影響が調べられているものは、ごくわずかしかありません。というのもひとつの化学物質について人への影響を詳しく調べるためには、数十億円もの費用がかかってしまうからです。企業が独自に開発した化学物質の安全性を莫大な費用をかけて調べた結果、人体に害があるから使えないと判明したら……。その企業の損失は大きく経営が成り立たなくなってしまうかもしれません。もちろん調べるには、長い時間もかかります。それで、人に安全かどうかがわからないまま、さまざまな化学物質が氾濫しているのです。

 また化学物質は、それぞれが無害なものでも一緒になると毒性を持つ場合があります。ですから仮にひとつひとつの化学物質の安全性が証明されたとしても、安全だとはいいきれないのです。

 南ベトナムに散布された枯れ葉剤にしても、副産物としてダイオキシンができることは知られていても、それがどの程度の毒性かは分かっていませんでした。枯れ葉剤が散布された地域で、さまざまな影響が表れて初めて、その強い毒性が分かったのです。またダイオキシン類のようにほんの少しの量で強い毒性を持つものがあるかと思えば、微量ならばそれほど毒性はないものの、長年にわたって使うことで毒性がでてくる場合もあり、とてもやっかいです。たとえ毒性が分かって禁止されても、PCBのように分解されにくい性質を持っていれば、かなりの長期間土や水などに残留してしまいます。ですから、完全に危険だと分かってからでは遅すぎることも多いのです。

 有害な可能性のある化学物質への対策は、早く始めて早すぎるということはないのではないかと考えています。

★化学物質を知るQ&A

 一般の人の1日摂取許容量が決まっていないのは、なぜ?

 日本では廃棄物等の処理従業者への暫定的な一日摂取許容量(ADI)が体重1kg当たり100pg(100pg/kg/日)と決められています。厚生省では今のところその基準を一般の人にも適用するという見解を示しています。
しかし放射線物質の場合は、国際放射線防護委員会は、一般人の基準値を放射線業務従事者の10分の1と勧告。またダイオキシン類の毒性評価は流動的ですが、今後毒性は高くなっても低くなることはないように思います。このような観点から考えても、100pg/kg/日を一般人に適用するのは無理があるのではないでしょうか。わが国の基準値は廃棄物等の処理業者の10分の1、10pg/kg/日以下が望ましいでしょう。ちなみに最も厳しいイタリアの基準値は1pg/kg/日、カナダは10pg/kg/日です。

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ガンのリスクを高める有害な化学物質

TEXT
同志社大学工学部教授医学博士 西岡一先生
専門は、放射線や化学物質の発ガン性や遺伝毒性。発ガン性のある 物質が、ガンを発生させるメカニズムを研究している。
『食品添加物毒性テーブル』、『農薬毒性テーブル』などでも 知られる。活性酸素についてわかりやすくまとめた 『食べ物からわかるガンの秘密』 (三一書房刊・P125で紹介)ほか、著書も多数。

警告 活性酸素が細胞を傷つける

 81年以来、わが国の死亡原因のトップとなっているガン。しかもその数は毎年増え続け、93年には年間22万人もの人がガンで亡くなりました。なかでも小児ガンは、この20年間でおよそ2倍にも増えてしまったのです。なぜ、このようなことになったのでしょうか。

 発ガンと深く係わっているのが活性酸素です。人間が生きていくためには酸素を体内に取り込むことが必要不可欠です。ところが、取り込んだ酸素の2%くらいは細胞内で活性酸素に変わり、細胞膜や遺伝子を傷つけてしまうのです。

 人間の体はとてもうまくできていて、細胞は酵素によって発生した活性酸素を消去して無害なものに変えるシステムを持っています。ただ、時として消去システムがうまく働かないことがあり、そんなときには活性酸素が大量にできて、さまざまな病気を引き起こすことが分かってきました。また発ガン性のある化学物質の中には、細胞内で代謝されるときに活性酸素を発生させ、その結果発ガン性がでることもつきとめられたのです。

 現代のように大量に体内に化学物質が取り込まれる生活環境では、活性酸素が生成されやすくなり、細胞内の消去システムが追いつかずに、有害な活性酸素が働いてしまうのではないかと考えられます。

★食品添加物が活性酸素を生み出す

 戦国時代で長生きした有名人をリストアップしてその死因を調べてみると、ガンで死亡した人はひとりもいません。江戸時代の記録を調べてみても、ガンがとても珍しい病気だったということがわかります。それでは何が変化して、今のようにガンが増えてしまったのか。今の私たちの暮らしと昔の暮らしを比べて、変化したのは何でしょうか。空気や水
も確かに違ってきていますが、最も変化したのは食生活です。

 この30〜40年の間に加工食品がすごい勢いで増えました。総理府統計局が発表した「家計調査報告」によると、93年の家庭における加工食品比率は60%以上にのぼっています。加工食品は確かに便利なものですし、女性の社会進出を容易にしたという側面もあります。しかしこれほどガンが増えた原因を探ると、昔は食べていなかったのに最近になって体に取り入れるようになったもの、つまり加工食品に含まれる食品添加物を疑わざるを得ません。しかも食品添加物の中には、発ガン性が疑われるものが、かなりあるのです。

★活性酸素の基礎知識

活性酸素というと、体に良さそうなイメージですが、実は有害な物質です。私たちが体に取り込んだ酸素の2%は、生体や細胞の中で活性酸素に変化します。活性酸素にはスーパーオキシド、過酸化水素、OHラジカルといった種類がありますが、前者2つはスーパーオキシドディムスターゼやカタラーゼ、オキシターゼといった酵素の働きによって、体にまったく害のない水に変えられてしまいます。体はとてもうまくできていて、活性酸素が発生すると、自動的にそれを消去する酵素が出るシステムになっているのです。

 ところが消去システムがうまく働かずOHラジカルができてしまうと、やっかいなことになります。体にはOHラジカルを消去する酵素がないのです。OHラジカル自体の寿命はとても短いのですが、次々に発生するため、それが細胞膜や遺伝子を傷つけ、ガンをはじめ体にさまざまな障害を起こすきっかけを作ってしまうのです。

★現代の病気に深く係わる食品添加物

 ガンをはじめとして小児成人病、骨粗鬆症、アルツハイマー症、アレルギーなど現代病といわれる病気には、食品添加物が係わっていると考えられます。

 例えば食品添加物348種類のうち20種類はリン酸化合物です。リン酸はカルシウムを排出する働きがあるため、いくら牛乳などを飲んでカルシウムを取ったとしても、カルシウムが欠乏してしまうのです。また高血圧予防のために料理の塩分を控えたとしても、食品添加物にはナトリウム塩が多いため、加工食品をたくさん食べている限り効果的な減塩とはならないのです。

 現在食品添加物の年間生産量は約50万t。日本人1人当たり年間4kg、一日に11gもの食品添加物を体内に取り込んでいることになります。私たちの体は異物が入ってくると、免疫グロブリンE (IgE)という物質をつくって自分の体を守ります。ところが繰り返し異物が入ってくると、それがアレルギー体質に変化してしまうのです。食品添加物にはこの免疫グロブリンEを作るものがかなりあるので、摂取量が増えるにつれて、ガンにかかりやすい体質になったり、アレルギー体質になったりする人が増えてしまったのではないかと考えられます。

★ガンには15年以上の潜伏期間がある

 魚肉ハム・ソーセージや豆腐の殺菌剤として使われたAF2は、発ガン性があることが分かり、十数年前に使用が禁止されました。AF2のことを、今でも覚えている人はあまり多くないと思います。使用が禁止されたことで、なんとなく解決したような気持ちになりますが、実はまだ問題は解決していません。というもガンには、15年以上の潜伏期間があるからです。現在のガン患者の増加には、AF2が深くかかわっているのではないかと思われます。ところが残念なことに、ガンの原因物質を15年以上も前に遡って特定することはできません。体内に入ったとたんすぐに異常が起こる急性毒性のある物質は、因果関係がわかりやすいので責任者を処罰することができます。ところが少しずつ長期間にわたって食べることで体に悪影響がでる慢性毒性のある物質は、病気と原因の因果関係がはっきりつきとめられないので、責任者を処罰することは不可能です。

 結局私たちは、少しでも発ガンの可能性がある物質を避けることで、自己防衛するしか方法がないのが現実なのです。

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私たちに何ができるのか?

★今 危険度の高い食品や食べ方を避ける

 有害だといわれる食品添加物とはいえ、一度でも、ほんの少しでも食べたら体に悪影響がでるということではありません。10〜15年以上もの長期間にわたって体に取り入れることで問題が起こってくるのです。

 さまざまな食べ物があふれている現在は、無意識に食べ物を選んでいては体を守ることはできません。食品添加物の状況も種類が増えたり、規制が緩和されたり、禁止されるものがでできたりと変化しています。常に情報を把握しておくようにしたいものです。前に述べたようにガンと食品添加物の因果関係は証明できませんが、まずは安全な食品を見分けられるような知識を持ち、危険度の高い食品をなるべく食べないようにすることで、自分や家族の健康を守れるのです。

@発ガン性が確認されている食品添加物は避ける
食品の表示をチェックしてOPP(カビ防止剤)、BHA(酸化防止剤)、過酸化水素(殺菌剤)など発ガン性が確認されている食品添加物が含まれているものは、できるだけ避けてください。

A農薬、ポストハーベストにも注意する
特に輸入農産物は残留農薬基準が緩和されつつあること、ポストハーベストの問題があることから、安全性に疑問が残ります。食品添加物ほど大量に摂取するわけではありませんが、農薬、ポストハーベストともに注意したいものです。

B加工食品をなるべく食べないようにする
加工食品比率が高くなると、食品添加物の摂取量も多くなります。便利さや経済的なことも大切ですが、体へのリスクを考えれば、加工食品を減らすことを心がける必要があります。

C人工的に作られたものではなく、自然のものを食べる
天然のビタミンCには活性酸素を消す働きがありますが、化学合成したビタミンCには活性酸素を作る働きがあります。自然のものと人工的に作ったものでは体に与える影響がまったく逆になってしまうことがあるのです。食生活にはなるべく自然のものを取り入れるほうが、安全だと思います。

★将来 食品の正しい情報が消費者に伝わる表示を

 3年前に食品の表示が全面的に改良されました。それによって食品添加物は人工合成、天然のどちらも表示されるようになったほか、それぞれどんな目的で使われているのかが分かるようになりました。以前から比べれば進歩しているのですが、それでもまだ消費者に十分な情報を提供できていないと思います。一括表示が認められていたり、加工助剤やキャリオーバーの表示は免除されるなど、同じ食品添加物でも使用目的によって表示されたり、されなかったりというのは、問題です。また店頭でバラ売りされる食品の表示についても未解決のままになっています。さらに理想をいえば、その食品の持つリスクをはっきり明記して、気になる人は避けられるようにするべきだと思います。アメリカでは、食品ではありませんが、タバコのパッケージに肺ガンのリスク、妊婦や赤ちゃんに与える影響がはっきり書いてあるほどです。

 食品表示については、今後もよりわかりやすく情報提供できるように見直していく必要があります。また消費者のほうも表示を商品選びに積極的に役立てたいものです。

★天然添加物の安全性に要注意

 天然添加物が必ずしも安全とはいえません。それなのに昔から日本人が食べていたものについては、無条件で安心だと思ってしまう傾向があるようです。ところが昔と今では、体に取り入れる量がまったく違うのです。例えば紅花で色をつけたお菓子などは、かつてはお殿様が食べるか庶民が食べるときはお祭りなど特別の場合に限られていました。つまり使用量がとても少なかったのです。ところが同じ紅花をキャンディなどの着色に使ったとしたら、昔とは比べ物にならないほど大量に摂取することになります。そして大量に摂取した場合の安全性は、誰にも分からないのです。かつて毒性は、「どのくらいの量を摂取したら動物が死ぬか」というのが判断の基準でした。しかし今はアレルギーや奇形、痺れ、視力低下、さらには子孫への影響など、生死では判断できない体への害があることが分かっているのですから、毒性の判断基準もそれに応じて変える必要があるのです。

★有害な化学物質のリスクは個人レベルでは測れない

 20世紀に入って、ガンで死亡する人が急増しました。そして20世紀は、人類がこれまでになかったほど、化学物質をたくさん使いだした時代でもあるのです。現在は工場や車の排気ガス、食品添加物、農薬、医薬品などさまざまな化学物質があふれていますが、規制が十分に行われていません。化学物質の危険性に反論する人のなかには、例えば「過酸化水素で発ガン性があるといっても、大量に食べなければ問題はない」といことをいう人がいます。うどんを例にとって考えると、1玉に含まれる過酸化水素はわずかに10ppmで、一度に18万個も食べなければ発ガン性はありません。

 しかしそれはあくまでも個人レベルで考えた場合です。もし一億人の人が食べたとしたら、何人かはガンになる可能性がある。そしてガンになるのは、あなた自身かもしれないのです。食品添加物をはじめ、化学物質の安全性を考える場合は、個人のレベルではなく国民全体としてどうかという視点で考えなければなりません。本文でも述べたように発ガン性のある食品添加物、AF2は、世界でもわが国でだけ9年間も使用されました。国民全体では約100tも摂取したことになります。禁止されてから十数年がたった今、その影響が現れているといえないでしょうか。

1958年、米国で「量の多少にかかわらず動物に発ガン性があれは食品添加物に使用してはならない」というデラニー条項が法律化されました。

 現在わが国では2種類の動物で発ガン性が認められなければ、発ガン物質として禁止されません。輸入食品や加工食品の比率が増え、食の安全性に多くの人が不安を持っている今こそ、“疑わしきは使わず”の精神で食品添加物をはじめ、化学物質の規制を強化していくことが大切なのではないかと思います。

グラフあり 発ガン物質に対するだ液の毒消し効果

★化学物質を知る



 よく噛むことでガンが防げるの?

 ガンは、環境の中にある発ガン物質によって発生します。ところが私たちの研究で、唾液にはペオルキシターゼという酵素が含まれており、これが多くの発ガン物質の毒消しをすることを突き止めることができたのです。(上図参照)もちろん環境中にはさまざまな発ガンの要因があり、よく噛むだけでガンがなくなるわけではありませんが、予防には効果的だと思います。最近はやわらかい食品が好まれ、噛む回数が減っている傾向があります。よく噛む習慣をつけるよう、食生活を工夫することも必要だと思います。

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警告 化学物質過敏症が増えている

TEXT
北里大学眼科教授医学博士 宮田幹夫先生
化学物質過敏症、 及びその治療法の研究に長年携わる。
石川哲主任教授との共著に「化学物質過敏症ってどんな病気」 (合同出版・P125で紹介)がある。

★超微量の化学物質で頭痛、めまいなどの症状がでる

 この数十年の間に、人工的な化学物質の数が次々に登場し、今や私たちの身のまわりには、化学物質があふれています。そして暮らしが便利になった半面、体にさまざまな障害が起こってきています。そのひとつが「化学物質過敏症」。日本人の10人に1人が悩まされています。有害な化学物質を一定量以上体内に取り込むと中毒になります。摂取量がごく少量でも、それがしばらく続けば慢性的なアレルギー症状が起こります。化学物質過敏症は、さらに微量の100万分の1g以下の化学物質で症状がでます。

 アレルギーについては研究も進んできており、血液中の免疫グロブリンE(IgE)の数値を調べることで、アレルギー反応が起きているかどうかを調べられます。ところが化学物質過敏症はアレルギーとは違ってあまりにも微量の化学物質で引き起こされるため、IgEの数値にも血液にもあまり変化が認められず、患者さんの訴えで判断するしかありません。そのため頭痛、めまい、しびれ、下痢、疲れやすいなどといった化学物質過敏症の症状がでていても、気づかなかったり、単に体調がおかしいだけと思っている場合も多いのです。しかも知らないうちに、自律神経の中枢に影響を及ぼし、イライラしやすくなったり、攻撃的になるなど性格まで変わってしまうこともあるほどです。なかなかつかみどころのない化学物質過敏症ですが、比較的原因物質として特足しやすいのが、有機リン、ホルマリン、シンナードなどです。このように書くと、ふつうの生活にはほとんど馴染みがないように思うかもしれません。ところが有機リンは殺虫剤や防虫剤として、ホルマリンは衣類などの消毒に、シンナードは塗料として、家のいたるところで使われている物質なのです。これらの物質は揮発性が高いため、ガスとなって家の中に充満します。そして家族の中では家にいる時間の長い主婦、そして新陳代謝が高いため化学物質を取り込みやすい子どもが、もっとも影響を受けてしまいます。

 もうひとつやっかいなことには、いったん何かの物質で症状がでてしまうと、次々にほかの化学物質でも反応がでてしまいます。化学物質過敏症への取り組みが進んでいる米国では公共の場所での有機リン系の殺虫剤の使用が、ドイツでは免疫異常を起こすという理由でトイレの芳香剤が禁止されているほどです。

★化学物質への感受性にはかなり個人差がある。予防の基本は期則正しい生活

 化学物質過敏症と中毒の大きな違いは、個人差があり症状のでる人もいれば、何も感じない人もいるということです。年齢、健康状態のほか栄養のバランスや有害物質の解毒能力の差など、さまざまな要因が関係しているようです。ですから化学物質過敏症の予防法についても、一概には言えない面はありますが、次のような点を気をつければいいのではないかと思います。

@新築の家へ移るときには要注意
新築の家に引っ越しを考えている場合は、まず何度か新しい家に入ってみて、気分が悪くならないかどうかを確かめます。

A家ではいつも換気を心がける
ソーラーハウスなどは床下に蓄熱するため、床などの防虫剤、防腐剤が揮発して部屋に充満することもあるので要注意です。

B栄養が偏らないようにする
栄養のバランスよく食べ、体の調子を整える。また体に負担をかける食品添加物は、なるべくとらないようにする。特に、どうしても食品添品添加物が多くなりがちがな外食の機会を減らしましょう。

C下着や布巾は洗ってから使う 
下着や布巾類は、ホルマリンで消毒されている場合があります。買ってきたら、一度洗ってから使うよう
にします。

D防虫剤、殺虫剤を使用する場合は換気をよく
防虫剤や殺虫剤のガスが部屋に充満しないように、窓を開けるなどして換気に注意します。さらに規則的な睡眠を十分とり、適度な運動をする、きちんと食事をとる、ストレスをためないようにするなど、規則正しい生活をして自分の体のリズムを一定に保つことで、化学物質過敏症の予防ができます。

★子どもの生活リズムを作る

 最近の子どもは、テレビやファミコンなどで電磁波に触れる機会が多いこと、夜更かしのクセがつきやすいこともあって、アレルギーや化学物質過敏症になりやすいのです。

 生まれて半年間は昼夜の区別をしっかり体に覚えさせること、夜眠るときには部屋を暗くすることなどを守り、子どもに規則正しい生活のリズムを身につけさせることも、お母さんの大切な役目だと思います。

★眼は化学物質の影響を受けやすい

 眼は脳にとても近く、しかも粘膜が外界に接しているとても敏感な感覚器なので、調子を崩すとまっ先に症状が出ます。眼の動きを見れば自律神経失調症も、すぐに分かります。ところが最近、脳の出店ともいうべき眼に異常が起こっています。子どもたちの視力の低下です。92年の文部省「学校保健統計調査」によると、視力が1.0未満の子どもは、小学生で22・5%、中学生で45・6%、高校生で59・2%にものぼります。勉強のしすぎとか、テレビの見すぎなどといった理由だけでは、これほどの視力低下はちょっと説明がつきにくいように思います。しかも91年の国の調査では日本人の3人に1人になんらかのアレルギー疾患が起こっているのです。これまでに例のないこれらの症状の原因として考えられるのは、化学物質です。人間が化学物質を使いはじめて、まだ数十年しかたっていません。安全なものと有毒なものとの判別すらまだ終わっていない状況ですから、体が化学物質に対してさまざまな反応を示すのは、当然といえば当然すぎるほどです。しかも暮らしの中でいたるところに使われている化学物質で、揮発しないものはありません。今の家はかなり密閉度が高くなっているので揮発した化学物質が家の中に充満しているという状況なのです。もちろん外に出れば大気中にもざまざまな化学物質があふれており、私たちは複合的に汚染されているのです。これだけ化学物質が氾濫しているのに、その総量規制もまだないほど化学物質への取り組みは遅れています。私たち自身も無意識に身のまわりに化学物質をあふれさせるのではなく、自分の健康状態も考えて化学物質を使いこなさなければならない時代が来ていると思います

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警告 化学物質は女性の体にどんな影響を与えるか

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まつしま産婦人科小児科病院院長産婦人科医 佐々木静子さん。
1939年生まれ。東京女子医大卒。
賛育会病院産婦人科医長を経て現職。
「子宮と地球にやさしい医療」を目指す。著書に 『30歳からの女の体の本』(草木文化)など。

取材・文/三井富美代

★女性ホルモンに似た働きをする化学物質が生殖能力に悪影響を

 女性の体を女性らしくし、排卵と月経のリズムをつくりだしているのは、卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンです。ところが化学物質の中には、このエストロゲンと似た作用を持つ物質が含まれているものがあり、それが人間の体にさまざまな悪影響を及ぼしているのではないかと、問題になっています。エストロゲン様の作用を持つ化学物質は、最近の研究では45種類あるそうです。例えば、日本では製造中止となっているPCB、使用禁止になっているDDTなどもありますが、中にはプラスティック、家庭用洗剤、入浴剤といった身近なものに含まれている物質もあるといいます。

 そして米国のある報告によると、フロリダのアポプカ湖では、80年代になってワニの数が90%も減少しており、雄ワニを調べてみると、生殖器が異常に小さく、卵巣があるなど明らかな女性化が見られたといいます。この湖にはDDTを含む農薬が大量に流れ込んでおり、その影響ではないかというのです。(『アエラ』94年8月15日号)

 フロリダのワニの異常と化学物質との因果関係が、もし化学的に裏づけられるものとすれば、これは大変怖い話だと思います。近い将来、人類にも同じような変化が起きるということが、十分考えられるからです。

★遺伝子レベルの変化が次の世代に以上をもたらす

 女性の体に関して言えば、エストロゲンに発ガン性があることが医学的に確認されています。とくに、ホルモンバランスの変化で、エストロゲンが過剰な状態になりやすい更年期以降の女性は、注意した方がよいとされています。また、ホルモン剤をむやみに使うのは危険であるとも言われています。

 ところが、自分でも気づかないうちに食べ物や洗剤などから、化学物質に含まれるエストロゲン様物質が体に取り込まれているとすれば、どうなるでしょうか。それらはホルモン・レセプター(ホルモンをキャッチする感受器)のたくさんある臓器――子宮、卵巣、乳房などにくっついて、結果的にエストロゲン過剰状態を引き起こす可能性があります。つまり、子宮体ガンや卵巣ガン、乳ガンにかかりやすくなるわけです。

 小さな子どもに影響すれば、例えば早期月経(幼児期に月経が始まる)や、生殖能力に異常が起きるかもしれません。

 女性にとって、さらに大きな問題となるのは、化学物質が遺伝子レベルにまで変化をもたらし、それが次世代にストレートに伝わってしまうという可能性です。

 実際に、1940〜50年代に米国で盛んに使われたDESという流産防止のホルモン剤によって、子どもたちに異常がでたことがあります。このホルモン剤を授与された女性から生まれた女の子に、世界でも数例しかない、死亡率の高い膣ガンが多量に発生したのです。

 これは、自分の次の世代に直接の影響が及んだ例で、原因がホルモン剤とつきとめることが比較的容易でした。けれども、遺伝子レベルの変化が起こっており、その影響がもっと先の世代になってから現れるとすれば、その原因をつきとめることは非常に困難になるわけです。

★出来るだけ安全な食べ物を選ぶ努力を

 体に悪い影響があると分かっている物質に関しては、どのくらいまで使っていいかという基準量が定められています。私たちはこの基準が守られているなら安全だと思い込みがちです。しかし、例えば放射線や水銀のように体に蓄積されてしまうようなものは、一回の分量はたとえわずかであっても、回数を重ねればリスクは高まります。ですから、できる限りゼロに近いほうがよいわけです。そういう意味でも、私たちは、自分の体に取り入れるものについて、より敏感に慎重にならないと、もはや健康を守れない時代なのです。

 私たちにできることは、まず第一にできるだけ安全な食べ物を選ぶということでしょう。それから化学洗剤や化学物質の入った入浴剤、殺虫剤などは、できるだけ使わないようにすること。医薬品にもさまざまな化学物質が含まれているのですから、むやみに薬を飲まないことも大切です。空気や水に含まれている化学物質を避けるのはちょっと難しいですが、それでも家庭用浄水器を使うなどの努力はできると思います。これらをすべて実行するのはとても困難なことですし、これだけ心掛けたとしても、化学物質は体に入ってきます。それでも努力しないよりはしたほうが、自分の体や次世代の子どもたちの体を守るためには、ずっといいのではないでしょうか。

★人間の欲望が自然を変え健康を脅かす

 先日、ニュージーランドにある、「世界でいちばん美しい散歩道」というところに旅行しました。ここは自然環境を守るために、旅行者の数を1日約70人と厳しく制限しています。言葉どおり本当に自然の美しいところで、その中を何日もかけて歩き続けたのですが、素晴らしく楽しい体験でした。

 ただ、驚いたことに、サンドフライという、蚊のように人をかむ小さなハエがたくさんいるのですね。じっとしているといっぱいたかってくるので、長袖、長ズボンでなけれは とても歩けません。日本の一般の観光地であれば、殺虫剤を多量にまくのでしょうが、ここでは、何もかもが自然のまま。リンゴだって、スーパーで売っているようなどカピカの大きなものではなく、小さくて皮が厚い。でも、それがとてもおいしいのです。

 つまり、自然の生態系を厳重に守っているからこそ、「世界でいちばん美しい」土地を私たちは楽しめるのだし、やっかいなハエも生きていけるわけです。

 日本では、曲がったキューリは売れないからと、わざわざ型に入れてキューリをつくり、それを私たちは当たり前のように食べています。こうしたみかけのよい野菜をつくるためにどれだけの農薬が使われているのでしょうか。その農薬は、大気中や水にとけ込み、どれだけ生態系をおかしてきたのでしょう。便利さ、清潔さ、ぜいたくを求める人間の欲望が、地球上の自然を大きく変えてしまい、その結果、今私たち、そして次世代の健康がむしばまれているということを、よく考える必要があると思います。化学物質の害から身を守るには、個人の努力だけでは足りません。結局は、地球全体で、価値観や考え方を変えていくということがなければ、解決しないのではないでしょうか。

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暮らしの中に溢れる有害な化学物質

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常盤診療所・医学博士 三好基晴先生
自然食、自然住宅などの自然派衣食住を提言し、 アトピーに対応。87年に開設した常盤診療所では極力薬を 使わない診療を行っている。自然食品、家庭内の 有害化学物質にも詳しく、自然住宅の相談も受け付けている。 みつ和総合研究所顧問(03−3757−7043)

★アレルギーや花粉症も有害な化学物質が原因

 現在日本人の3人に1人は、アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギーに悩まされています。原因には塵、埃、家ダニ、花粉などのほか、大豆、小麦、米、卵、牛乳、サバといった食べ物、ペットの毛やストレスなどが挙げられています。花粉や大豆などのタンパク質が抗原となって、アレルギー反応が起こることも医学的にほぼ解明されています。

 しかし、アレルギーの原因となっている物質や食べ物は、昔から私たちの身のまわりにあったものです。それが今になってなぜ、これほど大勢の人にアレルギーを引き起こすのか、その理由については、よくわかっていないのです。

 そこで考えられるのが、ここ数十年の間に急激に私たちの身の回りに増えてきた、農薬や食品添加物などの化学物質が関係しているのではないかということです。

 毎年春先になると、多くの人が花粉症に悩まされます。原因は杉花粉といわれ、2月から3月にかけては花粉情報なども発表されるほど、国民的なアレルギー疾患になっています。ところが最近、原因は杉花粉だけではなく、自動車の排気ガスにもあるのではないかと疑われるようになりました。

 さまざまな地域で調査したところ交通量が多く杉花粉が少ない地区より、杉花粉が多くても交通量が少ない地区のほうが花粉症にかかる人が少なかったのです。

 花粉症は杉花粉の量より、排気ガスの影響が大きいといえます。

 さらにネズミの実験では、杉花粉だけを注射した場合には変化が見られなかったのに、杉花粉に排気ガスの粒子を混ぜて注射するとアレルギーが起こったのです。また市販されているお米でアトピーが出ていた子どもが、無農薬のお米を食べはじめたら出なくなったり、市販の卵ではアトピーが出るのに抗生物質を使っていない地鶏の卵ではアトピーが出ないという例もよく聞かれます。

 このことからアレルギーの真の原因は農薬、食品添加物、排気ガスなどの有害化学物質であり、花粉や食べ物のタンパク質は、アレルギー反応を促進する触媒的な誘因ではないかと考えられるのです。

★危険な化学物質が室内を汚染している 

食品添加物や農薬など、有害化学物質の心配がない自然食を食べて育ってきた子どもがアトピー性皮膚炎になることもあります。これは親から受け継いだ化学物質が体内に蓄積されていたり、暮らしの中の化学物質が原因ではないかと考えられます。それほど今の暮らしの中には、たくさんの有害な化学物質が氾濫しているのです。

 家や家具の新建材、カーテンやじゅうたん、衣類まで、抗菌剤や防虫剤、殺虫剤などが少しずつ揮発し、室内の空気に混じります。しかも最近の住宅は密閉性が高いため、意識的に換気をしない限り空気の入れ替えができません。室内の空気には実に数千種類以上もの有害物質が混じっているといわれるほどで、汚染はかなり深刻です。

★抗菌、防カビ、防虫加工された生活用品

台所のスポンジから歯ブラシ、衣類や寝具に虫やカビなどを防ぐための加工がされているものがあります。しかし防カビ剤のチアベンダゾールは催奇形性、変異原性などの疑いがあります。殺菌剤では、銅には嘔吐、下痢、黄疸などの中毒症状がでることがありますし、グルコン酸クロルヘキシジンは発疹、めまいなどの症状がでる場合があります。

★農薬と同じ成分の殺虫剤・防虫剤

ゴキブリやダニのくん煙剤、蚊取りマット、衣頬の防虫剤や押入れの防虫シートなど、日常的に使っている殺虫剤や防虫剤は、有機リン系農薬のフェニトロチオン剤やピレスロイド系のフタルスリンなどです。使用後の濃度が畑での空中散布よりも多くなることもあり、使用後もしばらく部屋に残留することがあります。

★抗菌・防虫加工された カーテンや掃除機のゴミパック

ジュータンやカーテン、そして掃除機のゴミパックなど、抗菌・防虫加工されているのが当たり前になりつつあります。成分は農薬と同じピレスロイド系のペメトリンや有機リン系のダイアジノン、スミチオンなどです。防カビ剤や抗菌剤で加工されたエアコンのフィルターも室内汚染の一因です。

★家や家具に使われる新建材にホルマリンが

新建材には、防腐のためにホルマリンが使われています。ホルマリンは揮発性が強く、気 化してホルムアルデヒドとなって室内に充満します。家や家具に使われている合板やカー ペット、断熱材、などいたるところに使われています。しかも現在のところこれを規制す   る法律はなく、野放し状態なのです。

★白アリ駆除剤には農薬やPCPが

かつて白アリ駆除剤には有機塩素系化合物のクロルデンが使われていましたが、肝臓障害を起こすことがわかり使用禁止になっています。現在は有機リン系の農薬であるクロルピリフォスなどが吏われていますが、その安全性はわかっていません。

★その他

ビニールクロスや壁材、カーテンの難燃剤として使われているTCEPには発ガン性の疑いがあります。畳を青くする着色剤、塗料の防カビ剤や溶剤、家の土台に使われる木材にはヒ素、クロム、銅の化合物が使われています。またテレビやパソコンの画面などから出る電磁波も体に影響を与えます。

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有害な化学物質の影響 体が警告する室内汚染

★CASE 1 STUDY 新築の家に入ったとき目がチカチカする

 新築の家に入った瞬間や、真新しい食器棚や洋服ダンスがズラリと並んだ家具売り場に行ったときに、目がチカチカしたり、鼻にツンとくる臭いを感じたりしたことは、ありませんか。それはホルムアルデヒドが原因です。前ページでも述べたようにホルムアルデヒドはホルマリンが気化したもので、家の建材や家具、衣類など実にいろいろなところに使われており、それが少しずつ揮発して室内に充満するのです。しかも困ったことにホルムアルデヒドは、例えば食器棚に入れた食べ物に、洋服ダンスから発生すれば洋服に移ります。衣類の場合は洗濯してもなかなか落ちません。新築の家や家具売り場などでは、薬剤の効果も強く残っていますから、目がチカチカしたり、臭いを感じる人がいるのももっともです。しかし、この程度の症状なら、まだ軽いほうといわなければなりません。実はホルムアルデヒドが人体に及ぼす影響には、もつと深刻なものがあるからです。

 主な影響としては、目の充血や痛み、頭痛、吐き気、皮膚アレルギー、鼻の粘膜への刺激、呼吸器障害、神経障害、生殖機能障害などがあげられています。さらにホルムアルデヒドは、発ガン物質であるだけでなく、ほかの発ガン物質の発ガン性を誘発するという性質まで持っているのです。新築の家の場合、揮発したホルムアルデヒドが消えるまでには、20年くらいはかかるといわれています。たとえ今自覚症状がでていないといっても、それで「有害なものではない」と安心することはできないのです。

★CASE 2 STUDY 原因不明の頭痛や体調不良が続く

 マンションで一人暮らしをしている男性が、頭痛を訴えるようになりました。朝頭痛がして、なかなか起きられない。やっとの思いで会社に行き、夕方になると気分はよくなってくるが、翌朝は再びひどい頭痛がするのです。会社にも遅刻しがちになり、仕事にも支障がでてきました。病院を転々とし、うつ病と診断されました。ところがその後も症状は改善されずに、私の診療所を訪ねてきました。そこで生活環境などを問診した結果、液体電気蚊取り器を使っていることがわかったのです。液体、マットを使う電気蚊取り器には農薬と同成分が含まれており、それで蚊を殺します。もしやそれが原因ではないかと思い、使うのをやめたところ、症状は次第に軽くなり、頭痛も治ったのです。

 家庭用の殺虫剤には、有機リン系農薬のフェニトロチオン剤や、ピレスロイド系のフタルスリン剤が使われており、頭痛、くしゃみ、目やのどの痛みといった症状がでることがあります。使用後の農薬の濃度は、畑で空中散布したときよりも多いことがあります。一日中締め切ったマンションの部屋に、殺虫剤の成分が充満したのももっともです。

 子どもがハウスダストが原因の軽い気管支喘息と診断されたため、新しい掃除機を買って、毎日長い時間をかけて念入りに掃除をしたところ、かえって症状が悪化したケースもあります。これは掃除機のゴミパックにやはり農薬と同じ成分の薬剤で防虫・抗菌加工がしてあったためなのです。日本消費者連盟関西グループと大阪大学理学部助手の植村振作さんが、各メーカーの防虫抗菌加工の紙パックを使用して掃除機をかけたあと室内の空気の成分を調べたところ、農薬の成分が検出されたのです。特に有機リン系のダイアジノンは、1μg当たり37μg(マイクログラム)という高濃度のものもありました。急性毒性はなくても、長期間使用し続けることで、体になんらかの害がでても不思議はありません。

★CASE 3 STUDY 新築のビルで働く人に起こるシックビル症候群

 シックビル症候群は、化学物質過敏症(16〜17ページ参照)のひとつで、1979年に発表された、新しい病気です。新築のビルで働いたり、住んだりする人、新築住宅に住む人に発生するのが一般的で、古いビルに住む人には起こりません。

 WHOでは83年にシックビル症候群を上の表のように定義づけています。原因となるのは建物を造るときに使用される化学物質で、殺虫剤、塗料、接着剤のほか炭酸ガスや一酸化炭素、ダニなどの寄生虫が挙げられますが、なかでも最近重要とされているのは、接着剤などとして多量に用いられるトルエン、キシレン、その他の芳香族化合物が中心です。ジュータンの消毒に使われる殺虫剤、カーテンなどの防炎剤が重要因子と考えられています。有害な化学物質が充満しているのに、近代的なビルは窓を開けることができず、空気はフィルターを通して人工的に換気をすることや、OA機器の電磁波などが影響を与えていることも考えられます。

<有害化学物質への対策>
今まで述べてきたように、家の中ではいたるところに化学物質が使われています。化学物質によって家事の手間が省ける、快適に暮らせるなど数々の恩恵を受けている私たちですが、便利さだけを追求するのを少し考え直してはどうでしょう。殺菌剤を使うよりこまめに掃除をする、ホルマリンで加工された形状記憶ワイシャツより手間でもアイロンをかけるなど、暮らし方を変えることによって身のまわりの化学物質は減らせるのです。

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