・温暖化のいま ・オゾン層のいま ・森林破壊のいま ・酸性雨のいま ・海洋汚染のいま ・砂漠化のいま ・生物種減少のいま ・そして地球の未来は
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構成・文/岸原千雅子
★温暖化のいま 地球全体の自給自足は大きく崩れ、増え続けるCO2。 まず、↓のグラフを見て下さい。上は地球表面の温度の変化を表したものですが、年を追うごとに気温が上昇しているのがよくわかります。 この気温上昇は、その下のグラフに見られるような二酸化炭素の増加によって、地球上のエネルギーの出入りのバランスが崩れたためだということがわかっています。つまり、二酸化炭素が温室でいうとビニールの役目を果たし、太陽で温められた空気の熱を逃さないのです。これはご存じのように、温室効果と呼ばれます。 二酸化炭素は、石油、石炭など化石燃料を燃やすことで排出されます。これらが多量に排出されたことによって二酸化炭素が増えていることが、同じグラフでわかります。地球温暖化現象は、明らかに人間活動の結果なのです。また、光合成を行なうことで空気中の二酸化炭素料を調整する働きのある森林の破壊によっても、この現象に拍車がかかっています。 ここ40年で全地球平均で0.5度の気温上昇が観測されました。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の予測では、100年以内に平均3度上昇するとされ、予想値によっては平均4度ともいわれています。 南極の氷はすでに溶け出した温暖化は生態系をも破壊する 平均で4度上昇すると、日本では沖縄で2度、本州で4度、北海道で6度上昇するといわれます。赤道付近ほど上昇は少なく、最も影響を受ける南極・北極では、なんと10度以上の温度上昇になると予測されます。 日本では大部分が亜熱帯気候になり、環境庁の発表ではブナ林が半分消えます。また現在の米が取れなくなってインディカ米を栽培することになります。さらに、新しい作物が育つために必要な土壌の微生物環境が間に合わず、農作物の生産は低下します。温暖化は、地球の生態系そのものに大きな影響を与えるのです。 南極の氷はすでに溶け出し、ここ数年、周囲で巨大氷山の流出が観測されています。千葉県全域、あるいは淡路島の12倍といった面積の氷山が、フライパンの上のバターのように滑り出しているのです。 氷が溶けることによる海面上昇は、100年で約1mといわれます。これはモルジブ、サモア諸島、フィリピン、インドネシアなどのかなりの部分が海没する数値。埋め立て地帯は海没や津波の害を受け、工業地帯、コンビナート、原発施設が打撃を受けるという大変な事態になります。 自然界の許容を3倍も越えた原因は先進国の大量消費に 一人当たりの炭素排出量で見ると、先進国は途上国の10倍にもなります。電気や自動車の使用、大量消費。先進国の人々がものを燃やし続けることによって、地球全体のエネルギー供給量と消費量のバランスはもはや大きく崩れています。 本来、二酸化炭素は地球上の緑や水に吸収され、循環していました。現在その放出量は、そうした自然界の吸収量を3倍もオーバーしています。IPCCでは、先進国が放出を3分の1に削減することが急務だとし、2年前のブラジルサミットで、西暦2000年にまず90年当時のレベルまで抑えることで各国が同意しました。ところがその後日本は、環境庁かまとめた国連に対する草案で、それが不可能だと報告しています。 日本では自動車の保有台数が、わずか20年で3倍に増えました。石油燃料を燃やし、大気汚染や酸性雨の重大な原因でもある自動車。ヨーロッパではすでに自動車の使用を法律などでさまざまに規制しています。私たちはいつまで便利さ、快適さのみを価値基準にするのでしょうか。 温暖化は地球の生態系を侵す 先進国はエネルギー搾取
★オゾン層のいま オゾンホールは過去最大を記録。 成層圏にあって地球上空をおおうオゾン層。はるか4億年の昔、このオゾン層の出現によって、地球上の生物は有害な紫外線から守られ、海から上陸しました。そんな命の「傘」 70年代後半から観測され始めた南極のオゾンホールは、89年以降、毎年その規模を増大させています。このオゾンホールが過去の記録を更新して、今年量大規模になったという気象庁発表(10月20日付け)がありました。オゾンの境は、ホール出現以前(70年代)に比べて平均で55〜65%減少し、先の厚さの換算で考えると0.9ミリという最低値も記録されています。その面積は、約2400kuにまで通しました。 オゾン層を破壊するフロンは、半導体や機械などの洗浄剤、スプレーや発泡スチロールなどの発泡剤、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒として大量に使われます。これまでに放出されたフロンの総量は、2千万トン以上にのぼります。 さらに予想を上回る今の急激なオゾン層の破壊には、フロン以外の要因も考えられています。91年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火による噴出物や、溶け出した南極の氷に閉じ込められていた過去の噴火による噴出物がオゾン層に適し、その破壊を助長しているというのです。 オゾン屑破壊は、南極だけのことではありません。特にフロン全体の90%を放出している北半球では、平均10%のオゾン減少が確認されています。命の「傘」は、すでに私たちの上空でも失われているのです。 ★森林破壊の今 熱帯雨林の伐採、工業化やリゾートのための乱開発に、近年では酸牲雨の影響も加わり、緑の星・地球の森林は加速度的に破壊されています。FAO(国連食糧農業機関)によると、毎年1500〜1800ヘクタールもの熱帯林が消失。これは日本のほぼ半分にも及ぶ面積です。しかしそれに対する造林は10分のlにも満たず、森は成長量の10倍の早さで失われていることになります。月にに1センチずつ伸びる髪を、毎月10センチずつ切るような暴挙です。 このままでいくと100年以内に、すべての熱帯林が破壊されるとFAOは推定しています。しかも実態は調査よりも深刻といわれ、さらに冒頭で述べたように破壊が加速されているため、50年後に全滅の可能性すらあるといいます。 現在地球上の森林には自然林と人工林がありますが、土地を作り、水をたたえ、酸素と二酸化炭素のバランスを整え、生き物を育んできた自然林は、すでに76%が失われました。 日本は国土の60%以上が森林で、一見すると緑豊かな国でありながら、自国での木材自給率は30%以下。そしてその丸太の輸入量は、何と世界のほぼ半分を占めているのです。 また熱帯林破壊の主要原因である、先進国の商業的な伐採は、同時に住民の経済を狂わせ、暮らしを荒らし、土地を荒廃させてやがては砂漠化をまねきます。それは雨を蓄えて水をもたらし、豊かな上壕を育む、すべての生命の故郷を破壊するのです。 有害な紫外韓が皮膚ガン、白内障、免疫低下を起こす それでは命の「傘」、オゾン層が失われるとどうなるのでしょうか。 紫外線Bの害で、まず危惧されるのは皮膚ガン。オゾン量が10%減ると皮膚ガンが26%増えるといわれます。北半球で平均10%のオゾン減少が確認されていることは先に述べま したが、実際日本でも、90年までの15年間で、皮膚ガン患者が約2倍に増えていることがわかっています。 さらに白内障など目の障害が起こり、免疫力も低下します。また農作物の発芽細胞が破壊されて収穫が低下し、また海ではプランクトンがやられて漁獲高が落ちます。「傘」を失 ったすべての生物は、やがて生存できなくなるのです。 日本では風邪の予防にと、子どもに太陽の光を浴びさせてきました。これは今、他の先進国では考えられないことで、多くの国で紫外線の害を知らせる努力をしています。特にオーストラリアやニュージーランド、カナダなどでは、天気予報で直射日光を浴びる制限時間を知らせたり、長袖を着て帽子をかぶり、日焼けどめローションを塗るようにというスローガンを掲げるなどして、太陽光線を浴びることを制限しています。 オゾン破壊の元凶フロン。本当の影響はこれから現れる フロンはとても安定した物質で、およそ15年かかって成層圏のオゾン層に到達し、そこで初めて分解されて、オゾンを破壊します。つまり、現在の状態は15年前のフロンの影響なのです。これまでに放出量の10%がオゾン層に達したことがわかっており、残り90%のフロンの影響はこれから現れてくることになります。 また一度フロンが分解されてできた塩素は、成層圏に残って、繰り返しオゾンを破壊し続けます。その破壊力は強力で、1個の塩素分子が数十年にわたって、10万個ものオゾン分子を破壊するといわれます。 たった今フロンの製造を中止しても、強大な影響が数十年続きます。重要なのは今すぐやめ、今すぐ回収することです。
日本でも皮膚ガンは増加。情報公関の遅れは大問題 世界的にもフロン回収に向けての危機感が高まり、90年に「2000年までに特定フロン (オゾン破壊に関わるフロン)全廃」を決めたモントリオール議定書が、92年には改定され、「95年全廃」にまで前倒しされました。そこで各国ではさまざまな取り組みが行なわれています。 アメリカではフロン回収が義務づけられており、廃棄した場合は大気浄化法によって最高2万5千ドル、約250万円の罰金が課せられます。日本では法律どころか、回収すらほとんど行なわれていません。行なっているのは全国3千3百ほどの自治体のうち、わずか64か所のみです。 スウェーデンでは、オゾン層の実態や破壊に伴う紫外線の害を詳しく伝えるリーフレットが、政府の責任においてすべての国民に配布されています。経済最優先の日本においては、こうした情報公開の立ち遅れも大きな問題です。アメリカに次いで第2位のフロン放出国である日本。私たちのフロン回収は急務です。 熱帯林破壊の最大の原因は先進国の大量消費にある 日本では1960年に比べ、40年間で紙の使用量は10倍に、木材の使用量も6〜8倍へとふくれ上がっています。60年代、日本は原料となる熱帯林をフィリピンで伐採、その7〜8割を使いました。70年代にはインドネシアでやはりその7割を切りつくし、やがてマレーシアへ。世界一の木材輸出国となったマレーシアの、輸出量の7割が日本へと運ばれ、ボルネオ島のサラワク州をはじめ現地の自然環境を破壊するとして批判ga 熱帯林の破壊の原因として、焼き畑が取りざたされますが、先住民族が生きるために最小限度で行なう焼き畑そのものは、森と共存しながら何千年にも渡って続いてきたものです。失った木は必ず再生を待ち、森林破壊の原因にはなりません。 問題は、先進国の人々が食べる肉やハンバーガー用に作られた巨大な放牧場のために、森林を焼きはらうことにあります。時には四国ほどの面積が一挙に燃やされることも。木を少量ずつ切れば森は回復可能です。大量消費のための大量伐採こそが、森を再生不可能にするのです。 森林は生命の維持装置。破壊は命の源を失わせる 森が失われると、まず二酸化炭素を吸い酸素を出す働きがとまり、そのバランスが失われ、地球温暖化に拍車がかかります。 森には、隆った雨を蓄えて蒸発させたり、少しずつ川として流したりする働きがあります。森がなくなれば川はなくなり、雨はそのまま流れて、洪水や土砂崩れを起こします。土壌は枯れ、やがて砂漠になります。 熱帯林の土壌は必ずしも豊かではありません。高温多湿のため有機物の分解が早いので、養分が蓄積しにくく、さらに激しい雨がその養分を洗い流してしまうからです。熱帯林は生態系の微妙なバランスのもとに成り立っています。一度人の手が入ると再生されないのはこのためです。 水や酸素が失われ、土がやせ衰え、生態系が崩壊する。森がなくなれば生物は生きられなくなります。森は生命の維持装置なのです。 私たち人類の本籍地は森林です。森林がなくなった時、本籍を失った人類は他の生物同様、生きていくことができません。
オゾンの量が200ドブソンユニット以下の部分をオゾンホールといいます。ドブソンユニットは、単位面積あたりのオゾン全量を表わす単位で、ミリアトムセンチ(mm atm-cm)で表わされ、摂氏0度l気圧に圧縮した時に1ミリの熱さに相当する量が100ドブソンユニットとなります。今年9月30日付けのデータで、オゾンホールの拡大が確認されます。 写真あり Photo/PPS 日本の熱帯林の丸太の輸入量は、世界の半分を占める GNPアップが景大目標だった高度経済成長期、伝統の中で育まれこきキ日本の林業は崩壊しました。それでも紙の消費は10倍、コンクリートを流す型枠に使うコンパネ用の木材は、惜し気もなく使い捨てられています。
★酸性雨のいま まず魚が、そして森林が、やがてはすべての生命が。 自然界には、中和能力が存在します。多少の酸性雨が降っても、本来土や水はそれを中和できました。しかしその被害はヨーロッパやカナダ、北米の森林や湖、建造物をはじめ、今や世界中に広がっています。 石油や缶状など化石燃料を燃焼させる時には、硫黄酸化物(NOx)や窒素酸化物(SOx)が発生しますが、大気中の化学反応によってこれらは硫酸、硝酸に変わります。これが溶け込んで酸性化したものが酸性雨です。工場の排煙や自動車の排気ガスなどが主な原因となりますが、その被害は、特にヨーロッパではかなり以前から記録され、対策が取られてきました。にもかかわらず、状況はいっそう深刻になっています。 酸の濃度はPHで表されます。中性はPH7で、それ以下が酸性、以上がアルカリ性になります。もともと雨は大気中の二酸化炭素を取り込んで、PH5.6の弱酸性。PH5.6以下を酸性雨といいます。 酸性雨の被書は、ある日突然顕在化します。ふつう湖や川の水は中性ですが、PH6になるとカルシウムの殻を持つエビ、カニ、貝類が、PH5.5でサケ、マスが、PH5で最も強いウナギが生きられなくなり、突然姿を消します。PH4.5以下ではプランクトンも水藻もいない、透明な死の湖となるのです。スウェーデンやノルウェーでは、毎年春の雪解けとともに湖の水が急激に酸性になり、突然魚が大量に死んで、多くの湖が無生物化しています。 土壌の中和能力がつきると、今度は森林一帯に立ち枯れが起こります。酸性雨は、森林破壊の大きな原因でもあるのです。またそれにともなって二酸化炭素量が増え、地球温暖化にも拍車がかかります。汚染源や被害地域がもはや特定できない今、地球規模の酸性雨対策が望まれます。 日本でも酸性雨は以前から観測され、被害も広がる 日本の土壌は火山灰で、中和能力が高く、被害は現れにくいといわれてきました。酸性雨の被害は、酸性物質が蓄積され、土壌や湖の中和能力を超えた時点で、急に酸性化が進んで現れます。ある日突然顕在化するのはそのためで、これはアシッド(酸性)ショックと呼ばれます。すでに日本でも関東・関西地方で、杉の立ち枯れが広がり、また白根山のダケカンバ、赤城山のシラカバ、妙高高原のダケカンバをはじめ、43か所の森に大きな被害が出ています。 実際に74年の時点で、関東に3万4千人に被害を及ぼす酸性雨が降り、大きな話題となりました。89年にはPH4.4〜5.5の酸性雨が、地域のばらつきもなく全国的に降り注いでいることが記録されています。 土壌から溶け出した金属が人体にも影響を与える また酸性雨が土壌にしみ込むと、土の中に含まれるカルシウムやマグネシウム、カリウムなど、生物にとって必要な金属イオンが溶け出してしまい、土の中の微生物が減って枯れた土地になったり、植物の光合成などの機能を低下させてしまいます。 さらに土壌の酸性化が進むと、今度は有害なアルミニウムなどの金属イオンが溶け出し、湖で死んだ魚から高濃度の金属が検出されるなど、生物にダメージを与えるようになります。アルツハイマー病は、この酸性雨によって溶け出したアルミニウムが、脳に蓄積されることが原因ではないかといわれています。 酸性霧や酸性雪の被害も雨以上に深刻に 雨以上に酸性雪、酸性霧の影響も深刻です。酸性雪は春先、大量の雪どけ水が急激に川や湖に流れ込み、サケ・マスをはじめ魚を死滅させてしまうとが、ヨーロッパやカナダでは大きな問題になっています。 さらに生態系への被害が大きいのではといわれているのか、酸性霧。霧は雨に比べて水滴が小さいので、汚染濃度が高くなります。また雨は降り始めの酸性が強く、徐々に酸性度が減りますが、霧は長時間漂って同じ濃度で影響し続けます。 ヨーロッパでは、これら酸性霧や酸性雨による、建造物や遺跡などが溶け出す被害も広がっています。 最大の窒素酸化物の発生源、車を控えて酸性雨対策を 東京及び大阪の、窒素酸化物の発生源を見ると、一位は圧倒的に自動車で、窒素酸化物排出の半分量を占めます。自動車をやめれば酸性雨の半分がなくなる、というのは極端ですが、私たちにできるのば、少しでも使用を控えること。また排ガス21%はアイドリングによって発生しているので、これも極力控えます。 産業革命以降、工場からの排煙に悩んだロンドンでは、工場の煙突を高くすることで大気汚染を逃れました。しかしそれは汚染をより広範囲に散らすことになったのです。現在の酸性雨も、国域を越えて広がる大気汚染が影響し、もはや汚染源は特定できません。地球全体のレベルで見ていかなくては、解決できないところまで来ているのです。 ★海洋汚染のいま 工場やタンカーだけじゃない。 タンカー座礁による油の汚染、工場やコンビナートからの排液、生活排水……。広大で果てしないと思われていた海には、今、そうしたあらゆるものが流れ込んでいます。 かつて生物は土に返り、水は浄化され、すべては循環していました。今やそれらすべてがゴミになって海に流され、さらに化学物質、石油や石炭を燃やしたカスやすす、油などすべてが際限なく廃棄されます。森や湖を破壊する酸性雨すら、最終的には海に運ばれダメージを与えます。海は生命の源であると同時に、生命の「墓場」でもあるのです。 北欧諸国やイギリス、ドイツなど沿岸諸国の工場排水がすべて流れ込む北海では、88年からアザラシの大量死というショッキングな事件が発生しています。その20年ほど前にバルト海でやはり大量死したアザラシの体内からは、かつて「カネミ油症」という公書病を生んだPCBや、DDTといった恐ろしい化学物質が非常に高い濃度で検出されました。体中に腫瘍ができ、頭骨が溶け、丁宮や排卵管に異常をきたしているアザラシたち。食物連鎖の上に来る生物ほど、汚染は高い濃度になります。海に牛きる生物たちを傷つけ、なお人類が出し続ける「ゴミ」も、最終的には人類にかえってくるのです。 ことは工場やタンカーだけの問題ではありません。日本の河川の汚染原因の第1位は、生活排水です。高度成長期に垂れ流されていた産業排水は、その後厳しく法律で規制されるようになり、規制のない生活廃水が水汚染の大きな原因となっています。またゴルフ場や農地からの農薬が浸透して、安全といわれてきた地下水まで汚染されています。それらはやがて海を汚していくのです。 残り油を流すとその20万倍の水がなければ魚は棲めない 水の汚染の指標には、BOD(生物科学的酸素要求量)が使われます。魚が棲めるのはBODが5ppm以下の水ですが、てんぷらの残り油を台所に涜すと、魚が棲める水にまで戻すには、その20万倍もの水で薄めなければなりません。コップー杯の油に20万杯の水が必要になるのです。 しょうゆは3万倍、牛乳で1万5千倍、みそ汁で7千倍、米のとぎ汁でも600倍に薄めないと魚は棲めません。ちょっとだから、とつい毎日捨ててしまうそれこそが、河川を汚し続け、海を汚染します。河川の汚れの原因のうち、70%を生活排水が占め、しかもその半分以上を台所排水が占めているのです。 日本は合成洗剤も農薬もともに世界一の消費国 右の単位面積あたりの合成洗剤の消費量を見ると、日本は世界一の洗剤消費国であることがわかります。河川に流された合成洗剤は、分解されず、さらに水を浄化する微生物を殺してしまい、汚染に拍車をかけます。また農薬使用も問題です。ふくれ上がったゴルフ人口に対応すべく、狭い国土に乱立する、ゴルフ場は、森林伐採、農地の3〜6倍の農薬散布など、環境への影響は多大です。 きれいになるのはあなただけ回りのすべてが汚される ヨットで太平洋を横断した堀江謙一氏が、85年ソーラーヨットで大平洋を渡った時の印象は、「太平洋はよこれている」でした。海の波間を漂う発泡スチロール、プラスチック製品、魚の網やガラスびん。海は目に見えて汚れています(また海岸に漂着するこれらのゴミの問題にも、各国が頭を悩ませています。 シャンプーして髪を洗うと、私たちはきれいになったと思います。でもきれいになったのは自分だけで、回りのすべては汚染され、ダメージを受けます。本当に毎日洗濯をする必要があるのてしょうか。本当に毎日髪を洗う必要があるのてしょうか。どんな商品か環境にいいかを考えるより、まずいき過ぎた使用量を見直し、減らすこと。今必要なのは、川を、海を汚すものをできるだけ使わない、涜さないことです。 さらにゴミの焼却によって発生する発ガン物質、ダイオキシンによる水の汚染も問題になっています。大量に作って、大量に売り、大量に買って使う生活を続けるかぎり、今地球が抱えるすべての環境破壊の問題は、解決できない状況にきています。
★砂漠化のいま 九州と四国をあわせた面積が毎年砂漠にかわり、住む場所も農耕地も失われていく 現在、世界の陸地の35%は砂漠で、毎年、600万ヘクタールが新たに砂漠化しているといわれます。これは0州と四国をあわせた広さにあたります。砂漠化が進む地域では、農業生産の低下と、それにともなう食糧不足が深刻です。現在、アフリカ、南米、中国などの砂漠化の進行には目おおうものがあります。 砂漠化はなぜ起こるのでしょうか。直接の原因は、過剰な農作や過剰な放牧、そして過剰な伐採にあります。かつて土地に合わせ、必要なだけの作物を取った時代には、回復不可能なほど土地が疲弊することはありませんでした。エチオピアやソマリアでも、自給自足の暮らしが崩れたのは、コーヒーという取れるだけ換金される作物を作り始めたためです。過剰な生産に土地がやせ、肥料や農薬を使ってさらに疲弊し、土壌の生態系が崩壊して砂漠化するのです。 また過剰な潅漑も砂漠化の原因です。エジプトのナイル川流域では、川の水を濯漑に使っていましたが、水に含まれる自然な塩分の蓄積による塩害で、砂漠化しました。チグリス・ユーフラテス川流域などかつての文明の地は、みなそうです。 しかしこの裏には、爆発的な人目増加の問題があります。食糧を満たすために土地を酷使し、それが土地を弱めて砂漠化につながり、さらに食糧足に拍中がかかる、という解決困難な問題が存在します。 そしてこれらの真の原因になっているのは、先進国の商業的伐採や、コーヒーや香辛料などの大量栽培といった、先進国の大量消費を支えるための農業への転換です。途上国の 経済効率のみを考えた先進国の商法が大きな原因 爆発的な人口増加は、途上国だけのことではありません。日本では明治以降のわず100年で、3千万人から1億3千万人にまで、4倍以上に人口が増えました。ヨーロッパでは産業革命以後、200年で10倍に、アメリカは建国以後、200年で50倍にもなっています。 途上国の人口増加には、資本力を持った先進国の、経済効率のみを考えた搾取のしくみが絡んでいます。先進国は、はるかに物価の安い途上国から原料を安く買い、高い機械頬を売りつけます。大量生産を始めた途上国は一時的に潤い、人口が増加します。自給自足は破綻し、換金作物に依存する体制となり、労働力確保で出生率が増加して、人口増加に拍車がかかります。この中で資源の枯渇、環境破壊が進行して、貧困と砂漠化が進むことになるのです。 自給自足経済が崩壊し、土地の荒廃へとつながる ナタデココというデザートが、カロリーがないということで日本でブームになりましたが、これがまさに、マレーシアやインドネシアの自給自足の村を換金経済の渦に巻き込むことになりました。ブームが去った時、一度自給自足が崩れた村は、次にはマングローブの森を切り、エビの養殖をし、ハンバーガー用の牛の放牧をするのです。やがては土地が荒れ、増加した人々の間に争いが起こり、民族紛争へと発展します。これがルワンダ、エチオピアの問題です。 無尽蔵な大量消費は、地球環境破壊の根本原因 地球上のエネルギーのうち、石油は35年、石炭は106年、天然ガスは100〜150年で枯渇するという国連のデータがあります。資源は有限にもかかわらず、先進国の消費経済は、それを無尽蔵にあるとして機能しています。地球の消費エネルキーの供給能力は100億人分に限られますが、先進国10億人の過剰な消費により、地球全体の自給自足は大きく破綻しています。 砂漠化を救うためにいま始められるのは、私たち一人ひとりが、大量消費をやめることです。 酸性雨や温暖化も原因に 酸性雨による森林破壊、温健化に伴う異常気象など、土地を荒らし、砂漠化をまねく原因は、他の地球環境の問題とも密接に結びついています。 熱帯林の伐採が、砂漠化を起こす 川の水の源流を生む熱帯林が、先進国による伐採で破壊されることで、サハラではさらに砂漠化が進みました。砂漠化は、決して途上国のみの問題ではなく、先進国との因果関係を知る必要があります。 ★生物種減少のいま 恐竜時代の絶滅は千年に1種。現代は1年に4万種が滅びていく。急激な大絶滅が始まった さまざまな地球環境破壊の陰で、過去のどの時代にもなかったような急激な生物種の大絶滅が始まっています。恐竜の時代、絶滅のスピードは千年に1種というゆるやかなものでした。「沈みゆく箱船」の著者マイヤースは、1975年から2000年の間の平均で、なんと1年に4万種が滅びると推定しています。 この急激な減少には、人間の活動が深く関わっています。アメリカ聞拓時代に、肉がおいしいからと乱獲され、絶滅したリョコウバト。ユーモラスな姿で食用やはく製にされ、絶滅したモーリシャス島のドードー。象牙のために乱獲されたアフリカゾウは絶滅の危機に瀕し、アメリカでインディアン追放のために白人に殺されたバッファローなど寸前で保護された動物も数多くいます。 これら趣味やぜいたくのためという身勝手さで、人類はたくさんの動物たちを絶滅に追いやりました。しかし事態はさらに深刻になっています。というのも、熱帯林の破壊によって、農薬の散布によって、ゴルフ場建設によって、生態系が根こそぎ失われているからです。個々の生物種の絶滅ではなく、生態系そのものが破壊されているからです。 160万種といわれる野生生物の半分近くが、地球の表面のわずか6〜7%に過ぎない熱帯林に棲息しているのです。熱帯林の破壊による影響は、予測がつきません。 環境破壊が、生態系の根こそぎの絶滅を加速する 人類は、自分の都合で投に立つものとそつでないものを分け、その両方を、乱獲と駆除によって滅ぼしてきました。 北海やバルト海で大量死したアザラシをはじめ、人間の出した汚染物質によって死んでいく動物たち。酸性雨の影響で死滅する魚や木々。オゾン層の破壊は遺伝子に影響を与え、温暖化は新しい環境や植生に対応し切れない種を絶滅へと追いやります。人間がもたらしたあらゆる環境破壊が、多くの種の根こそぎの絶滅を加速していくのです。 このままでいくと、あと2、30年の間に、全生物種の25%が失われるといわれます。これは地球をひとつの家族とすると、家族の4分の1を失うということです。生態系が破壊されるというのは、動物がかわいそうとか、殺されて残酷だという問題にとどまらず、私たち自身にそのまま跳ね返ってくる問題です。 私たちの体内には、大腸菌その他の微生物がいて、腸の働きを助けています。また細胞内にあるミトコンドリアも、もともとは人間以外の存在で、それらが共存し、支えあって生きているのが私たちの体です。認識しょうとしまいと、私たちの体自身がひとつの生態系なのです。 生態系の崩壊は、私たちの体にも直接現れている 地球の生態系が狂い始めると、生態系である私たちの体そのものも狂い始めます。農薬をまいて作ったキャベツは、虫食いもなく「見するときれいです。虫食いの穴のあるキャベツは、見た目には汚く見えるかもしれません。でも虫も住めない畑、虫も食べないキャベツ、その方が恐ろしくはないでしょうか。 私たちの体も、便利さや目先の快適さを重視して、農薬や添加物を取り込んで、見た目はきれいかもしれません。しかし大腸菌の住めないような体になっていないでしょうか。 生態系は、ある程度以上壊れると、大崩壊が起こります。絶滅した種は、再び現れることはありません。今や地球全体の生態系が、取り返しのつかないポイントへと近づきつつあるのです。生物種の減少の問題は、あらゆる地球の環境破壊を抜本的に見直さないことには、解決できません。 ★そして地球の未来は・・・[美しい地球を子どもたちに] 食糧自給率50%以下。これが豊かな日本の実態だ 下の各国のカロリー自給率のグラフを見てわかるとおり、日本だけがカロリー自給率を、年々減らし続けて、もはや50%以下になっています。これは万が一貿易がとだえれば、半分以上の国民が飢餓に遭遇するということで、ずいぶん異常な事態といえるでしょう。第2次大戦直後は同じ敗戦国のドイツ、イタリアと、状況は変わらなかったにもかかわらず、ひとり日本だけが自給率を下げているのはなぜでしょうか。 それは高度経済成長の70年代、GNPを拡大させることを再優先させたため、食糧自給を賄う第一次産業から、工業、商業へと労働力や資本が移行していったからです。 私たちにはまだチャンスがあるが、 同じ過ちを繰り返す時間はない 環境破壊の実態は、一般に知られているより、はるかに深刻です。その事実を知って「もう手遅れではないか」と不安に思うかもしれません。でも、そのまま待っていればいいのでしょうか。今までどおりの生活を続けていていいのでしょうか。 地球の環境破壊を食い止めたいと思ったら、そして子どもたちに地球の美しきを少しでもそのままにして残したいと考えるなら、この環境破壊型の経済を転換していく必要があります。そのためには消貴者である私たちが変わることです。便利やぜいたくのために資源を枯渇させ、環境を破壊する生活のパターンを、まずは変えていくことが必要です。 環境破壊の根本原因は、GNP拡大を優先する経済システム そのおかげで日本はこの40年間で、GNPを10倍以上増大させました。それに合わせてエネルギーや資源の消費、木材消費も10倍以上に伸び、また自動車の保有台数は、なんと100倍以上にふくれ上がりました。これらはすべて、今の環境破壊を引き起こす要因となっています。 GNP拡大を再優先させる社会では、大量消費、大量廃棄が必然的に起こってきます。本来限りある資源も、際限なく存在しているもののように限りなく収奪され、限りなく破壊されます。環境破壊の根本原因は、こうした経済成長、GNPの拡大を再優先させる、今の社会システムそのものにあるのです。 環境調和型の経済にするためにいま、私たちにできること 料理は作り過ぎ、食べ過ぎをせず、油などを流さない。自然なもの、安全なもの、再生商品を買い、農薬ものを避け、肉食より菜食を心かける。肉1キロを食べるためには、その飼料として穀物10キロが必要です。結果的に途上国の10倍のエネルギー消費になるからです。電気はこまめに消し、リモコン製品は主電源を切る。電子レンジ、エアコン、掃除機、洗濯機などの使用を減らす。エアコン、テレビは一家に一台。お風呂は家族が続けて入り、お湯は大切に、石けん、シャンプーは少なく。自動車の使用を減らし、直射日光を避け、周囲の人に地球環境のことを伝えていく――。未来は私たちが作るのです。
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